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「米国医学物理学会 タスクグループ 100 レポート 放射線治療の品質マネジメントへのリスク解析法の適用 日本語訳」を読んで ~1. 序論~


TG-100  日本語訳を読んで」の総目次はこちら ↓

はじめに ~1. 序論~

今回は「1. 序論」を読んでみたいと思います。

まずは、引用の記述の仕方を説明いたします。

TG-100 日本語訳からの引用は、

・・・・・・

(TG-100 日本語訳)

ChatGPTの要約分の場合は、

・・・・・・

※ 何も書かない

という風に記述してみました。

感想 ~1. 序論~

1. 読者および監督官庁向けTG-100レポート使用のガイド

「本レポートの序論を理 解することは非常に重要である.なぜなら本レポートの考え方とその適用に関してはこれまでのTG レポートと大きく異なり,本序論で考察されている原理に反して使用すると,むしろ品質および安全性を向上するというよりは大きな危険につながるからである.」

(TG-100 日本語訳)

工数削減というような用途で使ってはダメ、と聞いたことがあります。

1.A.1. 放射線治療の品質マネジメントに対する前向きなアプローチの開発

〇 放射線治療の品質マネジメントの重要性 :
放射線治療は100年以上の歴史があり、重要ながん治療となっています。その治療品質と安全性の向上が求められています。
〇 TG-100レポートの提案 :
TG-100レポートでは、既存の技術やプロセスだけでなく、新技術の品質と安全性向上のメカニズムを示しています。
〇 規範的アプローチの役割 :
TG-100が提案する前向きな品質管理手法、例えば故障モード影響解析(FMEA)の採用が重要とされています。
〇 TG-100の新しいアプローチ :
TG-100は、従来の装置の技術的な性能重視から、治療プロセスの脆弱性や変動性に焦点を当てた新しいアプローチを提唱しています。
〇 臨床プロセスの最適化の必要性 :
放射線治療のプロセスは、施設間でほとんど標準化されておらず、プロセスの最適化を通じた品質向上と安全性が必要とされています。
〇 前向きな解析手法の採用 :
前向きな解析手法(プロセスマップ、FMEA、フォルトツリー解析(FTA)など)は、放射線治療の品質マネジメントにおいて中心的な役割を果たします。
〇 新技術の迅速な進化と品質管理 :
放射線治療技術は絶えず進化し、新技術の導入に対応する品質管理プロトコルの遅れが生じます。本レポートで提案されている前向きなツールは、施設間のリスクプロファイルの違いや技術・患者ケアの変化に対する品質・安全性プログラムの適応方法を提供します。

なるほど。理解しました。

1.A.2. TG-100レポートの読み方と使い方

〇 TG-100レポートは、放射線治療計画及び施行プロセスの品質保証(QA)についての新しい考え方を提供しています。 :
(1)前向きなリスク解析の根拠
(2)プロセスおよび施設特有のリスク解析および品質管理プログラム構築の方法
(3)包括的なIMRTプロセスに適用されるリスク解析および品質管理プログラム構築方法の詳細な適用例.
〇 TG-100レポートは通常の参考書としての使用は推奨されていません。:
本レポートは詳細かつ現実的なプログラム例を示そうとしているが,そのプログラムを自施設に直接導入するのは適切ではない.
〇 AAPMや他の組織は、以下のような施設のサポートを推奨しています。:
〇 前向きな解析方法のための指針を提供する。TG-100の方法を効率的に実施するためのワークショップの開催。リスクアセスメント導入のための資金提供。
〇 TG-100の方法を適用した施設は、その成果を発表すべきです。
〇 本提言のリスクベースの方法を現行の規範的QA法に取り入れるには時間と協力が必要ですが、患者の安全性及び治療の質を維持または改善するためには、提案された方法を実施することが求められる。

はい、なんとなくわかりました。

1.A.3. TG-100勧告に基づく前向きな放射線治療の品質マネジメントプログラムに関連する監督官庁および規制当局への提言

私には詳しくわからないので、理解できたとこだけ記述します。

リスクベースの品質プログラムの採用が進んでおり、原子力および航空業界で活用されています。

原子力、航空業界の品質管理、安全管理は厳しいと思います。原発関連とかパイロットの講師による講義も聴講した記憶があります。

1.A.4 本レポートの方法に従う上での重要な指針

本レポートの方法に従う上での重要な指針として以下の点が挙げられます: 〇 施設の品質プログラムを突然変更してはならない
〇 小規模なプロジェクトから始めよう
〇 治療の重要な面(Critical facets of treatment)の確認は何度も行わなくてはならない。
〇 リスクベースのQMは病院等の他の部分でも使用される可能性が高い。

「小規模なプロジェクトから・・・」というのは、始めやすいですね。「品質プログラムを突然変更はダメ」というのもなんとなく分かります。自分の施設で培ったQMを捨てる?というのは、何を頼りにしていいのかわからなくなりそうだから。(おじさんでごめんねー)

1.A.5 TG-100 の方法論の使用を促進するための AAPM の勧告事項..

AAPMの勧告事項として以下の点が挙げられます:
〇 放射線治療施設のQMプログラムの評価について
〇 新たな方法に関する教育的プレゼンテーションについて
〇 QMプログラム用のリポジトリの確立について

あまり良くわからないけど、そうなんだなと理解しました。

感想まとめ ~1. 序論~

TG-100は、ミスがあってから対策を立てるのではなく起こりそうなミスを未然に防ぐ前向き・プロスペクティブな方法であり、新技術に対応できる手法である、ということがわかりました。
また、他のTGとは異なる発想で確立された手法であり、通常の参考書としての使用は推奨されていないことを理解しました。
リスクベースの方法を現行の規範的QA法に取り入れるには時間と協力が必要だということも書いてありました。

今の仕事に順次適応させつつ、焦らずコツコツとやるしかありませんね。
具体的手法が知りたい気持ちを抑えつつ、つぎの第2章を読みすすめますね。

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Jun 12, 2023

#学問への愛を語ろう  #医学物理がすき

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