人生と冤罪と下剋上#004

閲覧頂きありがとうございます😊HIROKIです。

母からの「あんた指名手配らしいけど、、」
という電話があり、自分なりに心当たりがないか
探してみたが、毎日毎日仕事も忙しいし、犯罪なんてやってる暇はない🤔ただ、酔っ払って記憶を飛ばすことはちょこちょこあるので何かをしていないとも限らない🤔とりあえず現時点で判っていることは
私の名前が出て、実家にまで捜査機関から連絡がいっていることを踏まえるとなんらかの容疑が私にかかっていることは間違いないように思われた。
なので、当時は大阪に帰省中だったので東京に戻ったら新宿警察署に事情を聞きに行くことにした。

が、、、逮捕前日、先輩と飲んでいて飲みすぎてしまい記憶喪失。後日聞いた話だが大阪市内のビルで酔い潰れているところをビルの管理人が通報して、
警官が到着し、身分証を見たところ、指名手配犯であることが発覚。直ちに最寄りの警察署に連行され、逮捕状の発布が新宿警察署だったため泥酔して自力歩行が出来なかった私を車椅子に乗せて、新幹線で東京まで運ばれて、新宿警察署の留置場に入れられた、ということのようだ。
そんなことをまるで知らない私は、起きたらなぜか留置場にいて、事情が全く理解できないし、同室の人間にここが新宿警察署ということを聞いてさらに戦慄した。おまけに、逮捕時の手続きの際に私は抵抗したらしく、警官にボコボコにされて起きて鏡を見たら顔も血だらけだし、、😅😅
そんなこんなで始まった留置場生活。新宿という土地柄なのか、個性溢れる面々との共同生活で、頭がおかしい人間もいれば、外国人もいっぱい。同室だったブラジル人が隣で寝ていたのだが、なんかハァハァ言ってんなー、具合でも悪いのかなー、と思ってふと横を見ると、、天井を見つめて虚ろな目で全力でオ◯ニーをしていた🧟言葉が通じないのでとりあえずそいつのチ◯コにかかと落とし。ブラジル人は声にならない声を上げ、悶絶したあと、部屋の隅で震えながら体育座りをしていたのを覚えている。
ほかには、管理売春で捕まったホストくんや、電車内でタイプの女性がいたから我慢できなくなって
その女性に精液をぶっかけたおじさん、当時は歌舞伎町のカラオケ店での射殺事件があったのでその関係者の筋者達もいっぱいいて、治安が悪かったなぁという思い出。

始まる取り調べ

逮捕されて数日して本格的に取り調べが始まった。
現在の取り調べ要領では密室での取り調べは禁止されていて、基本的には録音録画をしなければならない。しかし、実際はほぼ密室。録音録画もされない。捜査を担当したのは深野友希、岡本和磨、捜査主任の引地秀徳の3名だった。主に取り調べを担当したのは深野だったが、とにかく「お前が犯人であることを示す証拠は山ほどある」「早く認めた方が得だ」「我々が把握している事件だけで数十件あるが、数件認めればあとはうまいことやってやる」「否認、黙秘をしてもお前の刑期が長くなるだけ」
「指紋も出ているから実刑は確実」というようなことをつらつらと述べるが、じゃあその証拠を持ってきたら?と言うと、それは出来ない、と。
ではこちらとしても黙秘以外の対応はとれない。
1日に約4時間程度の取り調べがあり、深野が説得して、無視していると引地が出てきて私が座っている椅子を蹴る、机を叩く、怒鳴り散らす、それを深野や岡本がなだめる。「な?こんなん毎日しんどいだろ?認める気になったか?」ってのが毎日。

そうこうしている内に国選弁護士が接見にやってきた。細身で高齢の弁護士、山田信二弁護士だ。
一通り事情を説明すると、「堀口さんの仰ることが事実だとすれば徹底的に争わなければならない。」
不便な環境で辛いだろうが一緒に闘おう、と言ってくれた。しかし、1件目の事件で起訴され、程なくして証拠が開示されると、その中に犯行現場に血液が遺されており、そのDNA型が私のそれと完全に一致したという科捜研からの鑑定結果が出ていた。
私は犯行現場に行ったこともなければ見たこともない。なぜそんなところから私の血液が??他にも、
現場周辺の防犯カメラの映像やらなんやら出てきたが、画像が不鮮明なのでこれは大したことのない証拠だった。問題は、事件発生当時、犯人が犯行に着手する際にガラスを破った時にSECOMが発動するとともに、自動で110番通報され、駆けつけた警官が当該ビルの下でスーツ姿の男性を発見。職務質問したところ、男は素直に応じ健康保険証を提示した。
その時に名乗ったのがホリグチユウキという名前。
わたしは ホリグチヒロキ だ。保険証には氏名にルビがふっていないので、おそらく犯人は私の名前を正しく読めなかったのだと思う。その後、犯人は徒歩で逃走し、タクシーに乗っていずれかに去る。
警察はホリグチユウキという情報をもとに検索をしているうちに私の情報へと行き着いた。実際にどういう思考からどのような判断に至ったのかは判らないが、堀口裕貴が犯人で間違いなくない?って感じになったんだろうな、と思う。
とにかく山田弁護士はDNA鑑定書を見て、これまでの態度とは一転、「この事件で争うことは不可能。申し訳ないが犯人は堀口さんだとしかいいようがい」ということに。私としても、こんな弁護士とはとてもじゃないが一緒にやっていくことは出来ない。しかし、国選弁護士の解任は相応の理由がないと出来ないというルールがある。無い知恵を振り絞って、山田弁護士が所属する弁護士会に対して懲戒請求手続きをすることにした。請求理由は省くが、
山田弁護士からの答弁書は笑うしかない内容だった。要約すると、「私と堀口さんの信頼関係は何ら問題なく、弁護人として誠心誠意堀口さんに寄り添っている。今回懲戒請求されたことは非常に遺憾で、驚きを隠すことができない」としつつ、結果としては体調が悪いからこの事件を最後までやりきる自信がない、という健康上の理由で山田弁護士は自ら弁護人を下りた。

その後は再逮捕再逮捕となり、結果的に3件の建造物侵入、窃盗の罪で起訴。当初は全国第一種指名手配と聞いていたから事件数も数十件、被害総額は1000万は下らないんだろうなぁ、と思っていたが
結局3件の立件、被害総額は約12万という少額窃盗事件だった😅😅当時は少なからず貯蓄もしていたし、被害金約12万を弁済して、示談書を交わしてなおかつ嘆願書まで書いてもらえれば、実刑は免れないとしても未決勾留と刑期を合わせて1年半〜2年で社会復帰できるような事件だったので、正直かなり悩んだ。

【でも、私はなにもやってない。】

母や友達達にもたくさん相談した。
周りからすれば、そりゃもちろん早く帰ってきて欲しい。でも、やっていないのなら正々堂々と裁判で
闘って欲しい、とも。私としても身に覚えのない事件で投獄されることなんて到底承服できない。
無罪を争う裁判なんてやったことないし、いつまでかかるかわからない。少なくとも捜査機関が言うようにやったやってないは別として自白調書を巻いた方が確実に早く帰れる。でも、やるしかない。
だって、やっていないから。

結局、留置場には約130日いて、3件の罪で起訴されたのち、再逮捕の予定は無いと検察官からの意見が出たので東京拘置所に移管されることになった。


歯切れが悪いですが拘置所編は次に書きます🙆

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