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細田径秋 水墨画作品集「紫縁一華 」刊行!

繊細かつ端整な筆致で、嫋やかな作品世界をうみだす水墨画家・細田径秋ほそだ けいしゅうさんの作品集「紫縁一華しえんいっか」が刊行されました。

紫式部ゆかりの古刹に収蔵された、悠久へ誘う水墨画の数々

繊細かつ端整な筆致で、嫋やかな作品世界をうみだす水墨画家・細田径秋。
その画業の白眉は、京都の古刹・引接寺の収蔵作品11点。寛仁元年(1017年)創建の同寺に在る、紫式部を祀る供養塔(重要文化財)や室町幕府三代将軍・足利義満が観桜したという普賢象桜などを、静謐でアルカイックな水墨画世界に昇華した作品の数々は、悠久の歴史への郷愁を呼び覚まします。 
その他、万葉集などの古典文学や四季の野花を題材に描いた折々の代表作も含め、主要な制作約40点を一冊にまとめた初の作品集です。

出版社より

細田径秋ほそだ けいしゅう
1952年岩手県盛岡市生まれ。東野光生画伯に師事。森上美術館賞、青岸渡寺龍壽賞、トルコ大使館賞など受賞多数。トルコ大使館迎賓館に作品『白華秋宴』収蔵。京都・引接寺に作品11点収蔵。

今回、造本、装幀を担当いたしました。
その仕様をご紹介します。

無線綴じ  A4判/64頁
誌面フルカラー
本体価格 3,500円+税
裏面
帯を外すと表裏に作品の一部が現れます
表紙:2色刷
UVオフセット印刷 職人さんによる手刷なんです
印刷の立会へ 
濃度を調節しながら1枚1枚刷っています
経験豊富でありつつ、こちらの希望にも柔軟に応えていただけました
試し刷(黒)
この後、乾かしてから落款の赤を刷ります

帯(カバー)の表裏には2つの華曼荼羅作品の一部をモノクロ1色で使用
(作品集にも掲載)
帯:アラベールホワイト
表紙、裏表紙にGAファイルの厚手紙を使用
そこに見返紙も付けています
製本は無線綴じですが、アクセントとして外から紫色の見返し紙が見えるよう、
表紙、裏表紙の短辺サイズを短くしています
背・見返し:TANT N-72
差し色として紫色が効いてます
紫色は細田さんのお好みの色のひとつなのです
本文:上質紙/フルカラー印刷
紫縁一華
右は紫式部の供養塔(京都 引接寺)
引接寺 大広間
婉華えんか
左:紫式部供養塔を彩る満開の普賢象桜  右:光明真言
左:祈念  右:華曼荼羅「野辺のささやき」
花流し、夢流し
万葉集(五十六 春日蔵首老)
うたかたの縁
伊勢物語 八十二段「渚の院」
六曲屏風 狐秋こしゅう
左:森の妖精  右:道草散歩(各6作品)

細田さんご本人と引接寺でお会いし、作品を生で拝見。水墨画作品ですので全体的には落ち着いた雰囲気になるかと考え、作品集として、本としての佇まいを美しくするために敢えて背(見返し)の色をアクセントとして外に見せる仕様を提案。またそのために帯(カバー)の高さを短くし、タイトル等は表紙に印刷、バーコードも裏面に直接印刷する事にしました。

また本文64ページですので、あまり束が出ない分、作品集として手にとった時の重厚感、存在感を持たすために厚手の紙(表裏GAファイル)を使用。これには紙が剃る、印刷が難しい、帯を巻く際に厚紙の角が紙に当り傷つくのでは等、少し不安もありましたが、印刷現場の方々のお陰で難なくクリアできました。ほんまに丁寧に事を運んでいただいた印刷会社&現場の方々のお陰です。印刷担当していただいたアサヒ精版株式会社様、プリンティングディレクター建一郎さん&手刷りオフセット印刷の職人さん&多くの工場の方々、ありがとうございました!(*^^*)

今回制作のご縁をいただけました写真家の山畑俊樹様、そして出版社の株式会社芸術新聞社の下川様、最善の形で皆さんを繋いでくださり感謝しております。ありがとうございました!!
ひとりでも多くの方々に細田さんの素朴で嫋やかな世界観を楽しんでいただければ嬉しいです。

〈Special Thanks : 後藤さん、ご縁に感謝(*^^*)〉





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