スタジオマン時代の話〜研修生〜 

前回の投稿からかなりの時間が過ぎてしまいました。
久々に開いたら忘れていた書きかけのnoteがあったので書き進めようと思います。

今日はスタジオマン時代について話そうと思います。

これからスタジオ勤務したいと思う人に向けて参考になればと思います。

私がいたスタジオは都内の白ホリ(ホリゾント)スタジオでした。

スタジオに入ると年功序列ではなく、入社時期で先輩後輩が決まります。私は当時23歳(22歳かな?)一番近い先輩は21歳。
一番上のチーフはまさかの20歳、2番目の先輩は26歳。全体的に20ー26歳(卒業するまで)が多いです。もちろん下っ端なので全員に呼び捨てされますしコキも使われます。


ただ、先輩後輩の関係は変わりませんが、
スタジオで評価されれば後輩でも先輩をセカンドに付けてスタジオも回すことができます。自分には関西でのアシスタント経験があったのでムカつく先輩をこき使うことを目標に耐え抜きました笑


話を戻します

なぜ年齢がバラバラになるかというと。

前回お話しした通り私は関西で大学を出てから勤務。
若い方は専門学校2年で卒業して勤務。
年上の方は社会人を経験してから勤務。

写真学校を出た人、美大卒、元車の設計者、元美容師、元バンドマン、元DJ

いろんな人達がいました。

割と厳しいで有名なスタジオ(現在は時代の流れもありそうでもない)でした。

スタジオに入ると最初はなにも出来ないので教育期間です。

約3ヶ月かけて機材名を覚えて、ストロボや専門用語の基本や使い方、様々なライトの組み方、安全面を教わりテストしてもらいます。

とはいえスタジオは稼働しているので終わったあとに先輩を自ら捕まえて
時間外で教わる仕組みでした。

時間外なので先輩は帰りたいし、それでも教えるのだからしっかり覚えてないと厳しくあたられました。先輩もそうやって学んできたわけです。
だから苦労して先輩を捕まえてきた元先輩を捕まえるのは大変苦労したし
文句言いながら毎回教育時間をくれる比較的優しい先輩もいました。


そんな研修期間で同期は自分以外全員厳しさから辞めていきました。
マネージャーも先輩もあまり気にしない。

理由は簡単、いつものことだから

僕はなんとか研修を無事終え迎えてもらいました。

研修中も1ヶ月ほど経つとようやくスタジオにサードとして入れてもらえました。ここでようやくプロのカメラマンの仕事が間近で見れるわけです。
(スタジオマンにはメインアシスタント、セカンドアシスタント、新人などはサードアシスタントがいます。)

そう思ったら甘かった。。

サードに入ると、スタジオの中の誰でもできる仕事をこなします。電気のつけ消し、コーヒーの準備、必要な機材の運搬、使った消耗品のゴミ集め、スタジオ内の整理整頓、ライト類のコードの整理、ストロボの発光確認、立ち位置の汚れ拭き。

最初は余裕がなくて、機材一つ名前が合ってるかわからず、どこにあるかもメモを見ながら取りに行く始末。カメラマンを見るどころかストロボの発光を見続ける、撮影の合間には電気をつけに行き、コーヒーが切れていないか確認しに行く。

撮影が終わるとお客様を見送り
先輩にその日の説教を受けながら、質問する
それが終わるとスタジオの清掃
機材をばらして、整理整頓、備品の補充、ホリゾントが汚れていたらペンキ塗り
研修の間は全スタジオが終了するまで各スタジオに片付けをして回る

そしてヘトヘトになりながら研修の講習やテストをお願いする
もちろん先輩は例のごく簡単には教えてくれない
今だとハラスメントになるようなことだらけ
その上どれだけ働いても基本給のみ(研修が明けると残業代が出る)

正直ブラック。やはり昔の名残や職人の世界が反映されている
(それから15年、今では時代が変わりかなり改善されてきてるように感じます)

でも、自分はこの環境に身を置いたこと
同期が辞めていく中自分だけ続けたこと
先輩に理不尽な扱いをされても『いつか追い越してやる』精神で培ったもの
がたくさんあるので今になっては良かったと思う。

少なくても忍耐力は今時の子には負ける気がしないし
楽して得たものではないので体に染み付いている技術
先輩が怖いから頑張れたこともあったし
年下の先輩に頭を下げて教えを乞うことも将来の営業の際に役立つのです。

それで辞めていく人が多いけど、そういう覚悟がない人はいずれ辞める
辞めるなら早い方がいい。本人のためにも。

スタジオにとっても教育に時間を割いて給料を払ってどうせ辞めてしまうなら
辞める子は早めに辞めてくれたほうがいいわけです。
そして、履歴書が束になってマネージャーの元にあるわけで
他に候補は沢山いるので問題もないのです。

取り止めもない文章になりましたが、こんな感じで研修を含めた最初の半年間は
サードと雑用係として、辞めていった同期の分も背負ってコキを使われ
負けん気の強さから可愛がられるわけもなく常に生意気だと言われ
家に帰ることも少なくスタジオに寝泊まりして学ぶ毎日でした。

早い人で半年するとメインでスタジオを回す先輩の意見や、マネージャーの判断で
一番小さいスタジオを一人でメインスタジオマンとして回すチャンスがやってきます。次回はこの辺りを書いていきたいと思います。

長々と有難うございました。




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