QOLを取り戻せ! 痔との戦い〜プロローグ

ヒトしか罹ることがないと言われる疾患、その名を「」という。
非常にポピュラーな疾患であるらしいのだが、何故か周囲ではあまり表立ってこのQOLを爆下げする病について口にする人は少ない。
骨折や交通事故よりも生涯で罹患する確率は高いのではないかと思うくらいなのだが、極めて不思議。

今回、不幸にも(?)20年来(もしくはもっと)の長き戦いに終止符を打つべく7日間の戦いに臨んできた。これはその記録。


やつはいつも突然やってくる

それは暮れも差し迫った2023年の12月半ばのことだった。
長年の不摂生と運動不足で増えすぎた体重を削るべく、日々90分の有酸素運動と食事見直しによる減量に取り組んでいた矢先のこと。

なんだか・・・尻に違和感が・・・

野菜は多めにしていたし、水分もそれなりに取っていたのだが、折からの寒波の影響かはわからないが、やつが数年ぶりにやってきた・・・。
そう「いぼ痔」だ。ちなみに親類の「切れ痔」も大体セットで来るのでタチが悪い。今回もそうだった。

なんか・・・今回は違う?

発症に気がついてから数日後、一向に症状が軽快しないことに不信感を抱き、専門医の扉を初めて叩くことにした。
医師の診断はこうだった。

2箇所ほどイボがありますね。痛覚のある場所にできていて、刺激されやすいからすごく痛いのだと思います。薬を処方するので保存療法で様子を見てください。

なるほど。まあこちらとしても切りたくはないし、薬でどうにかなるならそのほうが助かるのは事実。

この日は処方された薬を薬局で購入し、その後数日は薬のお陰で症状も快方に向かっているように思われた。
しかし・・・問屋はそうは卸してくれなかった。

年始早々風邪を引く

痔の治療が終わらないうちに、年始早々風邪を引いてしまった。
2〜3日寝込んでしまい、この間痔の治療はストップ。
厄介なことに、発汗による水分不足で痔の症状が悪化。思えばこのあと風邪が治った時点で再度医師に診てもらうべきだったのかもしれないが、今となってはあとの祭りでしかない。

市販薬で様子を見続けるも…

風邪が治ったあともイマイチ状況は変わらず。そのまま3ヶ月4ヶ月と時間だけが経過。この間、市販の注入軟膏を使い続けたがまったくダメ。

これまでは暖かくなると血行が良くなって快癒していたのに、今回はまったく変化がない。毎日用を足すのが苦痛で仕方なく、痛みがキツイ時は仕事すら手につかず、QOLはダダ下がりだった。

諦めて再び専門医の診察を

3月末の健康診断と5月のCLS高知も無事に終わり、身辺が一段落ついた6月中旬、諦めて再び前回と同じ専門医にかかることにした。

前回のカルテがあるので話はスムーズだったのだが…。ここでひとつ罠が待っていた。

院長の無慈悲なゴールデンフィンガー

この日診察してくれたのは…年配の院長先生。
ベテランといえばベテランなのだが…。

指が太くてゴツい

そう。指が太くてゴツいのだ…。
ただでさえ痔で痛いところに太い指や器具で押し広げて診察されるわけだから…痛い!仕方ないのだが!必要なことなのだが!むちゃんこ痛い!いくら潤滑剤をつけてても裂ける裂ける裂ける!
そして診察後に院長はこう告げる。

うん、慢性の裂肛(切れ痔)と見張りイボとポリープできてるね。 
どうする?保存療法でもう少し様子見る?

いや…もう無理。もうスパッと切ってください。これ以上は我慢できないです。

じゃあ〜入院ね。7日間かな。仕事の都合つけられる?

ハイ、なんとかします。なんとかなります。
だから早くなんとかしてください。これから忙しくなりそうなんで、今のうちに治さないとヤバいんです。

そして・・・入院日がやってきた

この日は症状を緩和する薬を10日分処方され、いったん帰宅。
薬がなくなる頃に入院と手術日ということになった。

しかしこのときはまだ、術後があんなに辛いとは予想だにしていなかったのだった…。

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