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7日目〜北海道ツーリング2022

強風や夜間の降雨もなく、夜露にテントとタープが濡らされただけで済んだ朝を迎えた。夜露程度は致し方ないのでさっさと撤収しよう。

朝虹が見えた

撤収作業をしていると、朝虹が見えた。これは雨が降る予兆かもしれない。多少用心したほうが良さそうだ。

7日目のルート

今日は北上する。天気予報では明日は晴れるらしいので、知床あたりをまわるのに最適だろう。

7日目のルート

朝霧とハルニレの木

晩成温泉から豊頃町方面に向かっていると、「ハルニレの木」という場所がある。豊頃町の観光スポットらしい。距離的にも丁度よいので休憩ついでによってみた。

ハルニレの木
たぶん奥の方?

大きな木がそうだと言われても…二本ありますがと…。多分奥のほうがそうなのだろう。

まだ朝霧があたりに残る時間帯、霧と雲の動きを観察しつつ休憩を取り、北上を続けることにした。

螺湾蕗とオンネトー

足寄町から阿寒湖方面に向かって走っていくと、「螺湾」という地名がある。
足寄町の道の駅が営業している時間帯であれば色々と予習できるのだが、要はこの地域の蕗は

やたらデカイ

のだ。
そもそも北海道の至るところに生えている蕗は「秋田蕗」という一般的な蕗の変種だ。秋田県以北に分布しているらしい。
秋田蕗そのものが普通の蕗より大型に育つため、江戸時代には秋田蕗を巡ってひと悶着あったとかなんとか。「超高速!参勤交代」のような時代劇コメディにできそうなネタだ。

さてこの螺湾蕗、かつては2mや3mを超すものがあったとかなかったとか。
あしょろ銀河ホールには松山千春さんが螺湾蕗と並んで撮った写真が展示されているのでぜひ。

螺湾蕗圃場を見学

と言ってもなにか特別な手続きや費用がかかるものではない。
道路脇にハイどうぞとあるだけだ。
(もちろん見学は良識を持って。蕗を痛めつけたり採取してはいけない)

道路脇にある圃場
わかりにくいが…デカイ

比較するものがないので大きさが伝わりにくいかもしれないが、普通に人間の背丈程はある。
ファンタジー作品で登場人物が傘に使う植物のようだ。

この螺湾蕗、食用にしても美味しいらしい。
土産物に加工されて、物産として売られているらしいが、道内の道端に生えているものをこっそり刈ってアク抜きして食べようとは今の所思ったことはない。

道道なのにダート

螺湾蕗の圃場から先に進むと、道は突然にダートになる。ツーリングマップルにもきちんと記載されているダートで、こうなることはわかっていた。

いきなりダートになる道道

この道を抜けるとオンネトー湖につながっている。
オンロードバイクならば引き返して野中温泉側から湖にアプローチするだろうが、オフロードバイクにとってはこんなものはただの道に過ぎない。
朝練のつもりで突き進む。

オンネトー湖

ヘルメット越しの空気に硫黄臭がしはじめる頃、路面はダートから舗装路に変化し、オンネトー湖がみえてきた。

季節や天候によって湖面の色が7色に変化するらしいが、この日はよく見る湖の色だった。

阿寒湖とカムイコタン

オンネトー湖の先にあるといえば、「阿寒湖」だ。超がつく道内でもメジャーな観光地・温泉地だが、まっすぐ向かうのは面白くない。

旧国道ダートを探検

ツーリングマップルを見ていると、国道241号線が240号線と交わる交差点あたりから阿寒湖温泉へと続くダートがあるようだ。

6.3kmくらいらしい

国道付近をよく見ていると、確かにダートの入り口が見える。よし、行ってみよう。

旧国道のダート

あまりこの道を通る人もいないのか、路面は多少荒れている。とはいえ走行できないレベルではまったくない。むしろある程度奥まで行くと舗装路並みの速度を出して爆走できる。
阿寒湖温泉方面に向かって転進するところに巨大な水溜りがあって少し焦ったが、かなり走れるダートだった。

カムイコタンで昼食を

阿寒湖温泉といえば隣接するカムイコタンだ。
白老町のウポポイができるずっと前からあるアイヌ文化の紹介や民芸品の販売を行う区画で、いつもムックリの音がBGMで流れている。

時間は11時過ぎ。
ここから摩周方面の峠を越えるには少々腹が減っていたので、アイヌコタン内で早めの昼食を取ることにした。

コタン丼

観光地、特に昨今の情勢を踏まえると致し方無いかもしれない。口に合わないわけではないが、どうせならもう少しアイヌ色を出してもよいのではなかろうか(自分が頼んだものが良くなかっただけかもしれないが)。

道の駅 摩周温泉に感謝!

双湖台と峠区間のある国道241号線を抜け、道の駅 摩周温泉にやってきた。
朝早く晩成温泉を出発した頃は少々肌寒かったので、ヒートテックを真夏なのに着込んでいたのだが、この時間になるともはや暑くてたまらない。
トイレに駆け込んで素早くヒートテックを脱いだ。

ゴミを捨てるのに苦労する北海道

今に始まった話ではないのだが、北海道で毎回難儀するのはゴミ捨てだ。

  • 空き缶とペットボトル(飲料だけでなくガスも)

  • キャンプのゴミ(大抵は生ゴミや燃えるゴミ)

こういったものがどうしても発生する。
高規格キャンプ場で場内にゴミステーションがあるところを選んで利用すれば苦労はしないのだろうが、毎回そうとも限らないのが悩ましいところ。
不法投棄などの迷惑行為がご法度なのは言うまでもないので、受け入れてくれる施設に巡り会うまでゴミを捨てられないまま移動を続けることが多々ある。
この日も少々ゴミを溜め込んでしまっていたのだが、ここの道の駅では売店で販売しているゴミ袋(50円)を買えばそれに入る可燃ゴミは引き取ってくれるという素晴らしいサービスが提供されていた。
缶や瓶などは分別すれば無料回収してくれるようなので、こちらも利用させてもらう。

本当に…道の駅 摩周温泉のサービスには感謝の気持ちしかない。

夏のツーリングといえば…

暑い夏はどうしても冷たいものが欲しくなる。この欲求を否定できる人は少ないはすだ。
昼食後小1時間ほど経過したし、急に暑くなってきたこともあり、定番の冷たいやつが欲しくなってきた。

いちごソフトクリーム

「もう今日は運転しない!」という状況ならば、キンキンに冷えたビールを所望するが、まだその状況ではない。
そういうわけで、ここはやはりソフトクリームだ。北海道のソフトクリームは美味い。やはり牛乳の質の差だろうか。道の駅で売られているソフトクリームのレベルが内地より確実に高い。

ヤバい、雨が追ってきた!

天気予報を見ていると、そろそろ崩れてくる模様だった。
ここから小清水町方面に向かうつもりなのだが、のんびりしていると降られてしまうかもしれない。
幸なことに予報曰く雨は一時的なもののようなので、サウナにでも入ってやり過ごす作戦を思いついた。ルートの途中に小清水町のふれあいセンターがあり、サウナもあるらしい。

小清水温泉ふれあいセンター

にわかに風が強まり雨の匂いがしはじめる頃、小清水温泉ふれあいセンターに到着した。

小清水温泉ふれあいセンター

町営ということもあり、毎日入れる価格帯。
雨にヘルメットが濡れると嫌なので、フロントにお願いして預かってもらった。これで心置きなく長湯ができる。

この小清水温泉ふれあいセンター、町営の銭湯にも関わらず源泉かけ流しであるらしい。

町営銭湯で源泉かけ流しだと…!

循環式が悪いと言うつもりはなく、源泉かけ流しができる噴出量と温度である、というのが素晴らしいなと思うのだ。なぜ今まで立ち寄らなかったのだろう。

さて、お目当てはサウナと水風呂。
サウナはさほど広くはないが、浴室全体からすると十分な広さ。水風呂もわりと冷たいが痺れるほどではない。
外気浴は露天風呂がないので当然無し。浴室内にあるベンチなどで休憩するが、これはこれで悪くない。

今夜は網走で宿泊

小清水温泉ふれあいセンターを出る前に雨雲レーダーや天気予報をひと通り確認していた。
雨と風が少し心配だったので、今夜は網走市内で宿を取ることにした。

小清水町から網走市内まではさほど遠くはないので、日没までに余裕を持って到着できた。
明日は晴れ予報なので、今夜は英気を養うとしよう。

今夜は少し奮発

網走といえば冬の流氷や海鮮だ。
道路脇の焼肉屋にも惹かれたが、今日は海鮮だ。

網走駅から市街地へ歩いていくと、「中鮨」という寿司屋がある。
街を歩いていて目に入ったので入らせてもらった。

お疲れさまでしたっ

とりあえずビール。今日はもうバイクに乗らないので気にしない。
おひとりさまなのでアレコレ大量に頼むわけにいかないが、お品書きを見ているとおでんがある。酒の肴に実によい。

おでんの盛り合わせと「あたごのまつ 彗星」に舌鼓をうつ。堪らん。
そしてやはり寿司屋にきたのだから寿司を頼まねば。

オホーツク近海握り

旨い。やはり寿司は良い魚介がとれるところで食すに限る。
久々に回らない寿司と旨いおでんに日本酒を堪能し、いい気持ちでホテルに戻って深い眠りに落ちたのだった。

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