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映画:岸辺露伴ルーヴルへ行く

ひろいぬはジョジョが大好きです。

過去に実写化した「ダイヤモンドは砕けない 第一章」も観にいき、数年前に始まったこの岸辺露伴の実写版もバッチリ追っています。

ドラマの岸辺露伴シリーズについては、実写化にも関わらず世界観を壊さずに原作に沿ったストーリーが描かれていて脚本の方や監督の腕のよさを感じていました。

そして今回の映画、岸辺露伴、ルーヴルへ行く。

原作大好き人間でもはっきり言えるのは原作は話が基本テーマに沿ったストーリーをあの画力と勢いで描いていくところが美徳だと思ってはいる。

今回のこの実写映画はそんな原作に対して、良く言えば補足的、悪く言うと蛇足的に追加している。もちろん尺的な理由やストーリー上、あまりジョジョを知らない人でもわかるように作ったためでもあると思う。

個人的にはどちらかという補足的な感覚が強く、原作のお話をより丁寧に鑑賞者に届けているように感じた。

原作では唐突に現れ、そして未亡人という姿かたちのていを成すために電話を持っていたり少し疑問の残るような描写があるのだが、映画においてはそこはしっかりと書き分けがされている。

そして、本題でもある最も黒い絵について、原作とは少し趣の違う描き方がされており、おそらくそうであったのだろうと読者が想像していた箇所を見事に映像化している、そしてその過去ストーリーまでも丁寧に描かれていた。

総じて、ドラマと同様にストーリーについてはうまくまとめられ、それでいてかつ今回の目玉でもあるルーヴル美術館の美しさたるや、そしてモナリザと並ぶ高橋一生の構図のなんと画になるのかという。個人的にもう少しルーヴルの映像が観たかったがそうなると映画の軸からぶれてしまうのでそれは直接行って観に行くしかないですね。

あと個人的に原作にあった速筆サインのシーンを残してくれたのはすごい素敵。あのシーン大好きなので。

全体を通して、良い映画であったのだけれども、ちょっと懸念点として映像が全体的に地味な感覚があった。記載した通り、ルーヴルの映像はとても美しかったのだが、地下に入ってからどこかで良くみる石造りの地下映像に変わり、奇妙な惨劇が起こっていくのだが、なんだか「地味」。

岸辺露伴は基本的に戦わない。そもそも動かない、が今回わざわざルーヴルにいったくらいだ。決して派手さを求めているわけでもないのだが、どうにもそのあたりでテレビスペシャルでもよかったのではと少し感じてしまったのも事実。

もう一ついうならば、露伴の青年期の時の役者の演技がなんとも言えないこと。

原作の岸辺露伴とも、高橋一生の岸辺露伴とも思えない、岸辺露伴の格好をした子供という感覚が拭えなかった。演技もさることながら立ち振る舞いはせめて一貫して高橋一生の演じる岸辺に寄せてもよかったのではないかなと。(そもそも顔の作りからしてまるっきり違うので配役…?となったが

とはいえ、十分楽しめたのでルーヴルの美しさや奇妙な世界観を味わいに劇場に行くのはとてもおすすめできます。

残念なのはパンフレットが売り切れだったこと…。

無事に地方の友達に購入してもらってあとでじっくり読もうと思います。

今年の年末もまた岸辺露伴の新作が観れるとよいなぁと楽しみにしながら。

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