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Asanaの社食は日本の30年先、ベイエリアの10年先を行っていると思う

GoogleにせよDropboxにせよ、豪華な食事、美味しい食事を社員にタダで食べさせる会社がベイエリアに数多あるのは皆さんご存知かと思います。しかし、これらのテック企業を差し置いて、Asanaの社食はかなり先を行っていると思うんです。
私がそう思うポイントを以下まとめてみました!

めちゃくちゃヘルシーである

「会社が食事を出すのであれば、社員の健康によい食事を出す義務がある」という強めの思想のもと、極端なまでにヘルシーな食事が提供されます。一例ですが、本来生クリームを使うレシピで代わりにカリフラワーをすって入れることでクリーミーさを再現したり、本来パスタを使うレシピで代わりにズッキーニを麺状に細く切ったもの使ったりと、あの手この手でカロリーと糖質をカットしてきます。

他にも、ケール、キノア、チアシードなど、日本だと佐々木希しか食べていないような健康食材が頻繁に使われます。特にケールについては半端じゃない頻度で使われていて、Asanaはケール農園でも開こうとしているんじゃないかと心配しています。

このあたりはまだヌルい方で、私がAsanaに4年在籍していてもなお完全には理解できない、非常に高度な取り組みもあります。以下の写真をご覧ください。

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 <図1>生ビールのサーバーみたいな装置

社食にはこのような生ビールのサーバーのような装置があるのですが、ここから出てくるのはビールではなく、コンブチャと呼ばれる意識の高い飲み物です。日本語だと紅茶キノコとも呼ばれるらしいのですが、Wikipediaによると「紅茶、もしくは緑茶に砂糖を加え、そこに培地で栽培されたキノコにも見えるゲル状の塊を12日から14日ほど漬け込む事で発酵させる」ものとのこと。説明を読んだ後の方が謎が深まるあたり、意識の高さを痛感します。

少し極端なまでにヘルシーなこともあり、一部の社員がついて来れないこともあります。私が入社する以前の話ですが、とある優秀なインフラエンジニアが入社したときのこと、彼の食の嗜好がジャンキーで、ダイエットコーラを常備してくれとAsana調理部にお願いしたことがあったそうです。しかし、優秀なエンジニアの要望にも関わらず、先述の強い思想に従い調理部はその要求を拒否。最終的には休戦協定が結ばれ、9階のすみっこの冷蔵庫の中のみ反乱軍の自治が認められました。

9階の隅っこの冷蔵庫の中だけは、コーラにアイスクリームにケーキと罪深い世界が広がっていますが、その外は今日もヘルシー嗜好の秩序が支配しています。

インクルーシブである

私はここでインクルーシブという言葉を、食に関する様々な嗜好、思想、体質を持った人がみんな同じくAsanaの一員であるように感じられる、というような意味で使っています。

例えば、Asanaでは平日は毎日三食出るのですが、毎回各メインディッシュについて一般用の他に、ヴィーガンの人(完全菜食主義者)用にもほぼ同じメニューが提供されます。ヴィーガンへの配慮があるのはアメリカではよくある話ですが、一般のメインディッシュと見た目が変わらない物が一貫してヴィーガン仕様でも提供されているのは、中々レアだと思います。

食事の他にも、毎週金曜日のランチの後はデザートが振る舞われるのですが、そのデザートは昔はヴィーガン仕様のものがなかったそうです。これについて、私の大学時代のルームメイトでヴィーガンの友人(卒業後一緒にAsanaに就職しました)がインターン時代に「これってヴィーガン用にも作れたりする?」と調理スタッフに聞いたところ、翌週から普通のデザートと、同じものがヴィーガン仕様で振る舞われるようになりました。インターン一人の声でオペレーションをここまで変えるというのは、インクルーシブであることへの強いコミットを示しているように思います。

<図2>ウソみたいだろ。ヴィーガンなんだぜ。これで。

また、3階にはバリスタ付きのコーヒースタンドがあるのですが、ここでラテを注文するとミルクの種類を聞かれます。ここで不用意に「どんな種類があるの?」などと聞いてしまうと、種類が多すぎて午後が潰れます。私の知る範囲だけでも2%牛乳、1%牛乳、低脂肪乳、豆乳、アーモンドミルク、ヘンプミルク、オートミルクなどの存在が確認されています。

それぞれ、牛乳が飲めない人、大豆アレルギーの人などを考慮して用意されているようです。何も考えずいつも牛乳でラテを作ってもらう身としては考えたこともありませんでしたが、そうではない人にとっては、こうした細かい気配りこそ、会社への愛が深まるポイントなんだろうなと思います。

楽しむことを忘れない

ヘルシーのくだりでおかたいイメージを持たせてしまったかもしれませんが、Asanaの調理部の面々は、食を楽しむことを忘れません。

旧正月に中華が出たり、メキシコの独立記念日にメキシカンが出たり、世界カメの日にカメパンが出たりと、仕事に勤しむAsana社員をねぎらい、楽しませてくれます。

<図4>逆に聞くけどみんなは世界カメの日毎年何食べてるの?

また2ヶ月に一回テイスティングディナーと言われる催しがあります。10名程の社員が1階の厨房の中に招かれ、調理スタッフが今後出そうと思っている実験段階のメニューだけでフルコースを振る舞ってくれます。私も一回だけ参加したことがありますが、どれも絶品でした。今は社員が700名に膨れ上がってしまっていて、これに呼ばれるには相当待たなければいけなくなっているのが残念なところです。

<図5>テイスティングディナー。こういう風に厨房で食べる。

米国本社では屋内退避命令が続いており、当然社食も閉まったままですが、調理部の面々は引き続きチームAsanaの正社員として、Asana社員をサポートしてくれています。一例ですが、Zoomで定期的にお料理教室をやってくれていて、朝7時にテレカンが入っていてギョッとして中身を見ると、アメリカ時間で実施されている「自宅で簡単に作れるショートケーキ講座!」みたいな内容でほっこりしたりしています(朝が苦手なので出ていませんが)。

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以上、Asanaの社食がイケてるなーと思うところをピックアップしてみました!日本、ベイエリア問わず世の中には色んな社食があるものと思うので、「いやいや、うちのはもっと先を行っている!」みたいなことがあれば是非教えてください!


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