【注意】”やりがい搾取”されても誰も助けてはくれない
“やりがい搾取”という言葉があります。雇用主などが従業員や部下に、「やりがいがあるから」という理由で、低賃金などの不当な条件で働かせることを言います。
近年ではWikipediaに載るくらい社会的な問題として認知されてきています。良い傾向だと思いますが、基本的な認識として、
「”やりがい搾取”されても誰も助けてはくれない」
という認識を持ち、自分で状況を打破する必要があるようです。以下に述べていきます。
●“やりがい搾取”はバイアス
どうやら、”やりがい搾取”は、人間が皆持っている「認知の歪み」、つまりバイアスのようです。
オクラホマ州立大学などの研究によると、以下のことが分かっています。
・仕事に対して情熱を持っている人ほど、無給で働かされたり、本来の業務とは関係のない仕事をさせられたりする傾向がある
・不利な条件で働かされるなどの”搾取”をされている人ほど、周りから「あの人は情熱があるのだろう」と思われる
つまり、
「やる気があるのだから、これくらいやって当然だ」
「なんだか色々やらされてるけど、好きでやってるんだろうから」
ということを、人間は自然に思ってしまう、ということですね。
●“やりがい搾取”は誰も助けてはくれない
“やりがい搾取”は、本当に至る所で見かけます。
私は学生時代、塾でアルバイトをしていました。やる気をアピールした事もあります。すると社員の講師が
「自分は自ら進んで先輩講師が授業した後の教室の掃除をしていたのだから、君もやれ」
などのようなことを平気で言ってきます。しかもまだ30歳にもなっていない、若い社員でした。”やりがい搾取”は人間に備わっているバイアスなので、年齢とか関係ないんですよね。
しかも、「なんか色々やらされてるけど、好きでやってるんだろうから」と周りは思いやすいので、決して上に抗議したりなどの救いの手を差し伸べたりはしないのです。
●自分で行動しよう
上記のように、”やりがい搾取”をされても、周りが助けてくれることはありません。もし状況を変えたいのであれば、自分で行動をする必要があります。
“やりがい搾取”は至る所に見られますが、幸いにも社会的な認知度も高くなってきました。ハラスメント系の問題同様に、もしこのご時世に公になれば企業のブランドイメージ低下にも繋がりかねない問題です。
上層部に訴えるなど適切な対策をとれば改善しやすいかもしれません。
参考文献:
Jae Yun Kim, Troy H Campbell, Steven Shepherd, Aaron C Kay(2019) Understanding contemporary forms of exploitation: Attributions of passion serve to legitimize the poor treatment of workers
Love Your Job? Someone May be Taking Advantage of You - DUKE FUQUA SCHOOL OF BISINESS
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