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CLS道東で発表した「CLS高知の設計」について

先日、「CLS道東2024極寒編」に参加してきました。冬の北海道です。

CLSは高知が発祥なのですが、道東・三島らへん(三島周辺)と他の地域でも開催(予定)されています。今回はそれぞれの運営から1名ずつ登壇し「地域でコミュニティを創る - CLS運営に聞く、熱量の育て方」というテーマでのセッションがありました。

私はそれにCLS高知運営として参加させていただきました。CLS高知は過去12回開催しており、みんなでやってきたことが参考になればと思い、ここでもアウトプットをさせていただきます。(高知の部分中心です)


1、セッションについて

https://clsdoto2024-excold.peatix.com/ より引用

「地域でコミュニティを創る - CLS運営に聞く、熱量の育て方」
CLSのことを知らない方にはピンとこないかもしれませんが、CLSは「コミュニティを手段として地域課題解決につながるムーブメント(つながり、行動連鎖)を起こす」ものだと言えます。

今回のイベントでは道東で地域課題解決に向けてアクションをしたい方が集まっていたので、「CLS」からエッセンスを持ち帰ってもらおうという趣旨でした。

さらに、
・CLS高知:過去12回開催し、長期継続・拡大をしている立場
・CLS道東:開催4回目、運営メンバーがかわろうとしている過渡期の立場
・CLS三島らへん:これから立ち上げをする立場

と、それぞれの立場から話が聞けるという布陣でした。

当日は中継もされていたので、他のセッションや高知以外のことも知りたい!という方はこちらもご参照ください!

2、CLS高知の「OWWH」

「OWWH」とは、コミュニティの設計になる重要なもの。小島さんのスライドを引用させていただきます。目的・勝利条件(ゴール)をきめ、それから誰に、何を、どのように届けるのかを考えるということです。

https://speakerdeck.com/hideki_ojima/20240201-clsmishima0?slide=53 より引用

CLS高知の「Objective(目的)」

CLS高知の「Objective(目的)」

CLS高知のObjectiveはこのようになります。目指しているのは地域課題解決につながるムーブメントを起こす、ということです。実際に高知で新しくコミュニティが立ち上がったり、参加者同士のコラボが生まれて高知での活動が加速しているような事例も発生しています。

2018年から始まり、カツオの旬の時期に合わせて年2回開催してきました。参加回数も参加者も増えて、もう集合写真が載せられないくらいです。

CLS高知 開催履歴

CLS高知の「WHO(誰に)」

CLS高知の「WHO(誰に)」

CLS高知では来てほしい層を定義(言語化)しています。イベントに来て、ただ楽しい、高知の食やお酒を楽しみにくる、というのではなく、どういう場にするのかも大事にしています。そのため、参加者もこのように定義しています。

この方達が混ざり合うことで、相談したりコラボしたりが生まれたりするようなことを目指しています。

CLS高知の「WHAT(何を)」「HOW(どうやって)」

CLS高知の「WHAT(何を)」「HOW(どうやって)」

イベントの中心は、土曜日の本編です。参加される皆さんにとって意味のある場にするために、毎回テーマを決めて、参加者にどうなってほしい/何を持って帰ってほしいか、そのためにどんなセッション(話・ワークショップなど)があり、どんな登壇者だと良いのか、などを決めています

これは毎回運営でしっかり議論をしていて、毎回違うので、気になる方はぜひ過去のCLS申込ページなどを見てみてください!(ここでは長くなるので、運営の方に直接聞いてみてほしいです)

そして、その本編の前後に、関連するイベントがあります。

・ワーケーション(水曜〜金曜)
・前夜祭(金曜夜)
・本編(土曜日午後)
・後夜祭、2次会以降(土曜日夜)
・おとなの遠足(日曜)

それぞれのWHAT、HOWは細かくなっちゃうのですが、こんな感じでそれぞれのイベントに意味をもたせ、イベント全体で、参加者の熱量が連鎖していくような仕掛けにしています。

各イベントの意味

ちょっと長いですが、説明するとこんな感じです。

まず、前乗りできる人で「ワーケーション」をし、高知の課題や魅力に触れて高知のファンになり、多くの体験や時間を共有するのでとても仲良くなります(プレヒートと高知のファン化)。

「前夜祭」はスペシャルな宴会。他の方が前乗りしてきた時に、ワーケーション組も一緒に飲み会に加わりさらに熱量を伝播します。こんなところ行った、こんなもの食べた、やばかった!サウナ良かった!など会話が生まれ、さらに交流が生まれます(参加者交流と高知の食を深く知る)。

前夜祭でテンションが上がった状態で「本編」へ。そして「後夜祭」「2次会以降」へ。本編での学びを共有したり、関心軸が似ている方と繋がったり、さらに話したい方を誘ったり、偶然席が近かったから一緒に飲みに行ったりと、交流と高知の食の楽しみは続きます。2次会はヤリキル。

ヤリキルの後はしっかり起きて「大人の遠足」に。本編や飲み会では交流できなかった方と話をしたり、さらに高知のディープスポットを一緒に訪れることで、参加者同士・または高知のファンになります。鰹や桂浜だけじゃない、次も来たい!という気持ちになります。

大事だと思うこと

これは、CLS高知の目的を達成しやすいなと感じている形式ですので、他の地域や他のイベントだと変わってくると思います。このフォーマットをそのままやってもCLS高知と同じ効果が出る正解パターンでもないです。「仏作って魂入れず」にならないように、イベント全体を通して設計をすることが大事ですね。(目的達成のためにやめたこと、新しく始めたこと、改善したことはCLS高知でもたくさんあります)

また、高知では食や地域での体験など、とてもプレミアムなものが作れるなと感じています。だからこそ、本編に参加せずに「観光に来た」「飲み会に来た」という人(=コンテキストが合わない人)が出ないように工夫もしています。

3、熱量の育て方

「熱量を育てる」というと、「熱量ない人をどうやる気にさせるか?」みたいなイメージかもしれないですが、CLS高知ではどうやって熱量を大きくしているか、保っているか、の方が近いかもしれないです。

全然オシャレなスライドではないのですが笑、焚き火に似てこんな感じだと思っています。

焚き火だと

火を燃やす前の薪って大事ですよね。適切な大きさに切ったり、乾燥させたりして「燃えやすい薪」を作ります。そして、それに火をつけさらに薪をくべていくことで炎が大きくなります。湿った木では燃えにくいですよね。つまり、火をつける前の薪の準備が重要なのです

CLS高知だと

コミュニティのイベントをやる前に、来てほしい人を定義し、絶対に来てほしい方には個別に声をかけます。イベント参加して熱量が上がりそうな人、アクションを起こしそうな人、つまり、燃えやすい人を呼ぶのです。薪の準備と一緒です。

さらに、その人たちにとって意味のある場にする(=初参加の方にはLT登壇してもらってみんなに認知してもらう、運営で紹介をするなど)ことも重要です。イベントで他の人に相談できたり、コラボが生まれたり、その人の活動が前に進むようなことが起こると、その人は次回別の方を連れてきてくれます。

そうすることで、参加者がさらに他の方を連れてきてくれます。CLS高知はリピーターや誘われてくる方が多いです。さらに、熱量の高くなった参加者の中から声をかけて、運営にジョインしてもらうこともあります。

10回目を過ぎたあたりくらいから、こんな感じで参加者も運営(県外・県内)も増えてきたように思います。さらに、イベントの間の期間でも、SNSなどを使って熱量を「保温」する仕掛けも、2024年からは強化しています。

最後に

CLS高知は7年目を迎えますが、私は最初の2年目くらいから運営に関わらせていただいています。運営のノウハウをやりながら学べた状態なので、とてもありがたい環境にいると思います。

今回、CLS道東に登壇をさせていただくことで、改めてCLS高知の設計や背景を言語化できました。まだ表現できてないところもあるかと思いますが、これからコミュニティを使って何かを成し遂げたい方の参考になれば幸いです。

また、ワーケーションを一番最初に実施した時の設計の背景ブログも残っていました。こちらも熱量を高める仕組みを自分なりに書いていますので、よろしければご覧ください。

CLS道東の運営の皆様へ感謝!

このような機会をいただき、ありがとうございました!また三島らへんもあるので、いろんな地域で一緒にノウハウを共有しあって、各地を盛り上げていければ嬉しいです!

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