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こうでもしなければ…… 【世界旅行記000】

2012年7月10日(火) 東京

まだだとわかっていながらも、毎日、インドビザの申請状況をチェックしている。先週木曜に申請したので、ほかの人と同様に考えれば、ちょうど1週間後の明日にはできるはず。そう踏んで、金曜の大阪発釜山行きフェリーを予約してしまった。電話で確認したところ、金曜の便であれば明日午前には振り込みが必要とのこと。ふらっと旅に出たいと言っても、現実的には難しいものである。

最初の目的地を釜山に決めたのは、日本から一番近そうな外国だったから。飛行機ではなく、フェリーで行けるというのも、なんとなく大陸間の距離感がわかりそうでよい。 ただそれだけの理由だから、釜山になにがあるのか知らない。そのあとのこともわからない。ただ、先走って決めてしまった。こうでもしなければ、いつまで経っても旅立てない。

2024年7月10日(水)のつぶやき
12年前の5月25日、わたしは勤めていたコンサルティング会社を退職した。29歳。それから旅に出るまでのあいだ、「よし、人生で初めてレールを外れたぞ」という妙な達成感と、これから訪れる誰も何も待っていない日々への不安が、交互に入り混じる毎日を過ごしていた。わたしはいつになったら出発するのだろうか。どこから旅を始めるのだろうか。本当に旅立ちたいのだろうか。いったいどこへ?

12年後のいま、わたしはふたたび東京に住み、8歳になる子どもを持ち、なぜだかわからないがクリエイティブエージェンシーを経営している。そんな未来は、当時の自分は想像もしていなかった。明日のことさえ、見えなかったのだから。

12年前の旅行記を振り返りながら、いまのありのままの自分を、ゆっくりと綴っていきたい。

→ 次の旅日記:出発、さよなら中目黒


Travelife Log 2012-2013
世界一周の旅に出てから12年。十二支ひとまわりの節目を迎えた今年、当時の冒険や感動をみなさんに共有したいという思いから、過去のブログを再発信することにしました。12年前の今日、わたしはどんな場所にいて、何を感じていたのか? リアルタイムで今日のつぶやきを記しながら、タイムレスな旅の一コマをお届けします。

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