[きょうの映画紹介] ホワイト・バレット(2016)

 ホワイト・バレット(2016)

出演:ルイス・クー、ヴィッキー・チャオ、ウォレス・チョン他

個人的おすすめ度:★★★



 刑事と強盗と脳外科医が三つ巴系サイコサスペンス映画。GYAOにて視聴。

Filmarks



 ある強盗一味の構成員である男刑事に追われている際に頭を拳銃で撃たれ救急病院の若い女性脳外科医の元に運ばれてくる。本来ならすぐに頭を切開し銃弾を取り出さなければ命に関わるのだが、その強盗の男はなぜか頑なに手術を拒み続ける

 一味の他の構成員たちはまだ捕まっておらず、何ならこの間にも宝石店を襲いニュースになっていた。その一味の情報を男から聞き出す為刑事は手段を選ばずあの手この手で男を追い詰め口を割らせようとする



 …みたいな話。なんだけど、やや難解なんだよね。

 単によくある刑事と強盗の駆け引きドラマってわけじゃなくて、むしろその舞台の脳外科で起きる人間ドラマの一部として刑事と強盗のものもあるって感じで。



 本当は刑事と強盗がストーリーのメインであろうはずなのに、この事件とは直接無関係な他の患者の手術シーンや術前術後も連続ドラマのとある一話のようにみっちり描写されてたりして、「ん~これ誰の、何の映画??」ってなっちゃったり。

 全体の尺が80分ちょっとでただでさえ短いので、「刑事と強盗だけじゃ話が持たんな~脳外科のモブの分も追加して混ぜといたるか」って編集で足されたような感じだった。



 その強盗のすぐ周りのベッドに、手術した結果下半身不随になった若い男とか、精神的にアレでずっとひとり騒いでる人がいたりして、「頭のケガ(銃槍)を手術で治さずに放置してたら自分もいずれどうにかなってしまうのか」みたいな恐怖を煽ることには成功してると思うんだけど、それでも強盗の男は手術には踏み切らず、危険だといくら説得されても最後まで頑なに突っぱねていた。

 そういう、やたらとメンタルの強い、良くも悪くも人間の芯や軸がめちゃくちゃガッチリしたキャラって、こういう香港系の映画にはたまに出てくるよね。潔いというか、太く短く生きる!って決めつけて譲らないような。

 「男ってそういうモンだろ!」みたいな美学が監督にあるのかしらね。



 とにかくこの凶悪な強盗の口を割らせたい刑事役にルイス・クー、頭に銃弾をブチ込まれても何のそのな強盗役にウォレス・チョン、若く優秀だが生真面目すぎる脳外科医役にヴィッキー・チャオ

 他にも、こういった香港系の作品でしょっちゅう見かけるラム・シュー、チョン・シウファイ、マイケル・ツェーらも出演。「またコイツ出てる!」って見かける度に思うけど、実際安定してるんだよなあ。



 そうだ、終盤に謎のスローモーションなシーンがあるんだけど、そこまでストーリー的にかなり重たい流れが続いてたのにそこで思いっきり笑っちゃったんだよね。開始から70分ぐらいの地点。

 あのシーンをなぜあぁいう描写にしたかったのか、なぜあの流れにあの音楽なのか、なぜ宙を舞っている患者が何人もいるのか、もう色々ツッコみどころが多くて耐えきれなかった。

 それ目当てにでもどうぞ一度観てみてください。そして思った感想を僕に教えてください。




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