[きょうの映画紹介] 砂上の法廷(2016)

 砂上の法廷(2016)

出演:キアヌ・リーブス、レネー・ゼルウィガー、ググ・バサ=ロー他

個人的おすすめ度:★★★☆



 暴君を殺ったのは誰か系法廷サスペンス映画。GYAOにて視聴。

Wikipedia
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 弁護士である主人公は、下品で暴力的な父親殺しの容疑をかけられた少年の弁護を担当することになる。しかし、その少年は勾留中から法廷内に至るまであらゆる場所相手に対して口をつぐんでおり、担当弁護士とすら一言も口をきこうとしない。

 その少年がある時に突然、自ら「証言台に立つ」と言い出した。さすがに「一言も口をきこうともしない、証言内容の相談もない君の証言など許可することが出来るか!」「このままでも勝率は五分五分だ」として主人公は突っぱねようとするが、担当の解雇を持ち出されやむなく許可することに。

 果たして彼は証言台で何を話すつもりなのか



 …みたいな話で、ほぼずっと「法廷シーン⇔拠点や法廷周辺、または回想」の往復で話が進んでいく。

 ほとんどが1vs1会話の駆け引きで、話がどう転がっていくのかすごく気になる。90分ちょっとの尺なので、テンポがやや早いのもあって気づいたら観終わっちゃってた。



 容疑者らしい容疑者は「2人(母親と息子)+1(それ以外)」という、規模としては決して大きくない話で、色んな人が証言をするけどほとんどが証言よりも「陪審員への印象操作」の為に呼ばれている感じで、一言も話さない被告をなんとか守り通す為に周り(陪審員や傍聴者)を印象操作で抱き込みにいくような、主人公が苦心して練った法廷戦略が見て取れた。

 単に真実や嘘の綺麗事だけじゃないんだなっていう。



 容疑者が少なく規模も小さいので、観ていて推理の当たりを付けやすいんだけど、でもこれは「自分の推理力を試す場ではなくただの一本の映画」なわけだから、まずは単純に映画として観て楽しんでほしい。



 被告の少年と長年の面識がある弁護士役にキアヌ・リーブス、何者かに殺害された男(父親)の妻(母親)役にレネー・ゼルウィガー、人力嘘発見器と揶揄されるほど人の嘘の看破に長けた助手役にググ・バサ=ロー

 以前に観た別の映画で一目惚れしたググ・バサ=ローが重要な役で出ていたのが嬉しかった。顔とか表情がすごい好みなんだよね。

 レネー・ゼルウィガーが母親役でずっと出ていたのに途中まで全く気づかなかった。レネーと言えばムチムチふっくらですごく血色の良いイメージ(モロにブリジット・ジョーンズの印象)だったんだけど、この映画では夫に逆らうことは絶対にしないような、乱暴な夫に虐待され続けて心身ともに疲れ果てた五十女って感じで、かなり痩せた細身だし血色も良くないし弱々しく覇気も無い。ただ「うーん…オレこの人たぶん知ってると思うんやけどなぁ…こんなキレイな人ってそうはおらんしなぁ、誰やろう…うーん」ってずっとモヤモヤしてた。まさかレネーだったとは思いもしなかったな。



 難しい話ではないし、出演者も多くなく、尺も短く、すごく観やすい映画だと思うので気になった方は是非。





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