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表情と姿勢

半年間の入院の後半に少しでもまともに歩けるようにとの病院のプログラムでリハビリに力を入れていました。リハビリ室で先生に指導してもらう以外に、毎日自主トレで円筒状になった病院の建物の廊下をぐるぐると歩き回っていました。気分転換の目的もあって、最初は車椅子に乗って、次に歩行器、杖とレベルが上がっていき、最後は補助器具なしで歩きました。

円筒構造の建物の廊下ですから一周するとまた同じ人と顔を合わせます。そのほとんどの人がレンタルのパジャマを着た入院患者です。もちろんどこかが悪くて入院しているのですから明るい表情の人は少なかった。どちらかというと暗い顔のおっさんに対しても優しく笑顔で接する看護婦さんたちの表情を見て、それを見ているこちらまで大変癒されました。そこで自分だけでももっといい表情で人と接するようにしようと心がけました。

表情とは

自分が思っている『笑顔』と客観的にそれを見ている人が感じる『笑顔』の物差しは極めて違います。自分で思い込んでいる表情は客観的には意外と中途半端なものです。自分では『しているつもり』でも相手にはちゃんと伝わっていない事が多いものです。そこで『自分が笑顔と思っている状態にプラス30%の力を入れる』を心掛けるといいと思います。

国内でカメラアクセサリーの小売店を始めてから暫く経った時に、女性社員の愛想があまり良くないと店を訪れた外部の人から指摘を受けたので、朝礼の場でそれを言ったところほとんどの人が自分にはできていると思っていたそうです。

不思議な事に意識して表情を動かしていると思考にもポジティブのスイッチが入ります。『プラス30%』にして笑顔を出すと気分も上がってきて声が力強くなり、自分自身が味方になってくれます。更にそれを見ている人達へも笑顔は伝染します。

表情は言葉で伝えたい事を代弁できるプレゼンツールです。会話の内容が明るければ口角を引き上げて更に30%アップでキープします。もし会話の内容がシビアな物であれば表情もそれに合わせます。そういう時には唇を軽く閉じてやや眩しそうな表情をする事で眼差しを力強くしてみましょう。

表情は感情のままに動くとも言われていますが、その逆に表情の動きから感情が作られてくるという説もあるくらいです。『作る』というとわざとらしく聞こえるかも知れませんが相手とのコミュニケーションでは表情が明快で分かり易い方が信頼してもらえる可能性はぐんと上がります。いつも難しく神妙な顔つきをしていては相手が困惑してしまいます。そんな人の周りにはまず人は集まりません。

病院の屋上にて

姿勢が示す事

姿勢は肉体的機能の印象を左右します。リハビリの時、まだ腰が痛かった私は気を緩めると痛い所を庇って、つい前かがみになって歩いていました。退院後もよく散歩しますが、出会う人の中で歩く姿勢が不健康そうな老人が目に付きます。そういう人達を見ていると、今からでも若々しく健康的でエネルギーを感じるような、歩き方をしたいものだと思います。

歩き方で気を付けているポイントは、まず両足のかかとを地面に付けて、足と背中をまっすぐに伸ばします。そして肩を開いて顔を上げる。次に顎を正面より1~2cm内側に入れて指先を自然に伸ばします。姿勢が変わるだけでおおらかさ、知性、経済力、ポテンシャル等の印象レベルが上昇して見えます。

しかも姿勢をよくする事で、臓器が正常な位置にきて、血流が良くなり、生き生きした印象になります。また空気の通りがスムーズになるので、発声にも利点があります。そして姿勢をまっすぐにして前を見ていると思考も前向きになります。前を向いている事で視界が広がるので情報量に差が出ます。

それらの情報をうまく活用できれば、仕事のアイデアや時間の使い方などに影響が出ます。猫背やうつむく姿勢とはさよならしましょう。表情や姿勢は運気を左右するバロメーターです。明るい表情で、歩く時も座っている時も姿勢を良くして、運気を上げていきましょう。

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