見出し画像

社会の進化と人間の組織

現在世界中で拡がっているコロナ禍は人間社会を進化させる為の導きの一つ、『節』なのではないかという気がします。働き方や食事の仕方、移動の目的、意義などを見直す事ができました。この禍をポジティブに捉えて、こうして導かれた新しい世界に気付き順応していく事が私達に与えられた使命ではないかと思います。

人間性は段階を踏んで進化します。人間の社会は伸び続ける木と違い、芋虫が蛹になって蝶になるように、オタマジャクシがカエルになるように、ある処で突然の変容によって大きく進化します。今私達が経験しているコロナ禍は人類全体が正にそのような変化の時を迎えている『節』なのではないでしょうか。

私達はある場合は不足していたものを見てまた別の場合はこうなってほしいという希望を見るなど、注目している場所は異なりますが同じ山を見ているような気がします。時には異なる方法で分解・再編していても起こっている変化の現象に変わりはありません。

新たな発展段階への意識が起こる度に人類は全く新しい環境に導かれてきました。社会は家族から種族へ、そして帝国から国民国家へ、経済は狩猟・採集から農業・牧畜そして工業へ、それから何回かの産業革命を経験しました。また権力構造や宗教・教育の役割など、あらゆるものが変化してきました。

ところがこの『節』には、まだそれ程注目されていない特徴があります。今ある段階の問題点はそこに暮らしている人々には認識されていますが、人類の意識が新しい段階に入ると、人々の協力体制に大変革が起こり、新たな組織モデルが生まれてきます。

私達が今日知っている組織は私達の今までの世界観、あるいは今の発達段階を表現しているにすぎません。歴史的に見ると過去にも現在とは異なる様々なタイプの社会があり、今後は更に新しい多くのタイプが現れてくるでしょう。今は多くの会社や役所が属しているのは『達成型』と呼ばれる組織に括られています。そこにはイノベーション、エネルギー、や創造性、を高める余地があります。

この『達成型』組織の場合、リーダーシップは組織を機械に見立てて経営を工学的な視点から眺めようとします。リーダーは大抵目標重視型で、目に見える課題を解決する事に集中し、人間関係よりも業務遂行を優先させます。ここに落とし穴があります。

公平無私な合理性に価値を置き、感情に流されないように用心し、業務の意味や目的を疑問視する事に馴染めないのでしょう。ISO9000に惑わされた経営者は大抵この落とし穴にはまったのでしょう。そこには流行に乗って 自分を賢く見せたいという見栄も働いていたと思います。

その辺に罠があった事に気づいて、組織を再構築する事でコロナ後の社会に合った『進化する会社』を作る事が出来るでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?