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買い物

彼女が出来ると誕生日やクリスマスの時などプレゼントをするイベントに必ず遭遇します。いったい何を買えば喜んでもらえるのか女兄弟がいない男の自分には相談する相手もいません。そんな事で悩んだ記憶があります。時が経って、これは彼女が妻になった後も年に一度やって来る課題でした。中年になってから見つけた雑誌の記事にその時のアドバイスが紹介されていました。

買い物

彼女と一緒に買い物に行ったとします。買い物に行って何を買った、いくらだったという記憶は男性には残っています。ところが女性は違います。女性はこの男性と一緒に行った買い物が楽しかったか楽しくなかったか、その記憶だけが残ります。モノの記憶は消えています。

楽しかったら安いモノでもいいのです。その買い物はすごく楽しい思い出になります。楽しくなかったら高いモノでも全く価値がありません。だからそれは、その時に一緒にいた人の価値に結びつきます。

金銭的に、経済的に守られているという事を除けば買い物に付き合ってもらえば自分で買っても楽しいのです。ところが多くの男性は違います。『女性は買ってもらえると楽しくて、買ってもらえないと楽しくない』そう思い込んでいます。

そうするとプレゼントは値段が高いモノの方がいいと思って無理をします。でも高いモノを上げたくらいでは女性は喜びません。

プレゼントはその品物が高いか安いかではなくその行為が楽しいか楽しくないかなのです。『買ってあげる』というスタンスに、すでに恩着せがましさがあります。彼女に買い物に誘われたら、買い物を一緒に楽しめばいいのです。楽しむという感情が無いと『一緒に楽しむ』という事が分かりません。このズレが買い物にも食事にも、エッチにも全部出てきます。

彼女は花が好き

聞くところによると、女性は花をもらうと嬉しいそうです。男の僕は自動車やオートバイに興味があるので、乗り物の話をしたりデートに自慢のスポーツカーで行った後も興味がなさそうで『ああ、あの緑色の自動車ね』等と言われると、『自動車の色しか見てなかったのか、言わなければよかった』と思う事がありました。

身体の特徴による男女の経験

女性は一生の中で何回も革命を繰り返します。先ず十代の内に初潮を迎え、最初の革命を経験します。やがて妊娠・出産と、男性には決して真似できない肉体の大波を体験します。更に月々訪れる生理によって体調が大きく変わり、暴風雨と快晴の両方を交互に何度も体験し、その後に閉経を迎えて革命はようやく終わります。

そのサイクルは変化に富み、晴れた日もあれば、台風や津波の時もあり、その度に肉体は根底から変わっていくだけに思考や発想も極めてラジカルで革命的なものになります。

これに比べて男性は生まれた時から死ぬまで一定の風速の偏西風が吹いているようなものです。時に若干の強弱はあっても劇的な変化はありません。台風も地震もこない坦々とした生理では脳も固定化します。

男性生理の平坦さは『ぶれない』という事で、それをメリットととらえることはできますが、それは同時に変化を嫌うというデメリットにもつながります。その為に男性だけの社会では、なにかと過去の慣例に従うのが通例になりがちです。

万事、地位や経験だけにこだわり、官僚的になっていくのは当然です。男性が縛られている概念の多くはその根底に武家社会に通じる『男だけの理想と論理』がたくさん含まれています。

しかし時代は大きく変わりつつあります。それだけに男性が古い概念に浸かり、いくら頑張ってみても、それはもはや報われる事の無い、やり甲斐のない事なのでしょう。

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