不安や恐れを手放すために(5)~不安がもたらしているもの
不安は、人を不安定にします。
例えば、親が、常に子どものことを心配し、「何か悪いことが起きるのではないか」と不安に思っていると、子どもは敏感にその感情を察知します。
そして、親を不安にさせている自分を肯定的に見られず、自分を許せなくなってしまいます。
「自分はダメなんだ」というネガティブな思い込み、ブロックができてしまうのです。
親の不安は、子どもにとっては毒と言ってもいいぐらいの悪影響を与えます。
そして、子どもは大人になっても自己否定・卑下の感情が消えず、同じように自分の子どもに不安を抱くようになります。
また、不安は猜疑心をもたらします。
「あいつに奪われるんじゃないか」「あいつに独り占めされるんじゃないか」
奪われないためには、自分が奪い、独り占めしようとします。
さらに、自分が奪ったら、奪ったものを奪われる不安に怯え、苛まれ、もっと独り占めに走ります。
ですから、本来はみんなで分け合い、共有し合えば、十分に行き渡って足りるものであっても、弱い者、貧しい者は得ることができずに不足し、苦しむことになります。
不安というネガティブ思考は、現実社会、世界にこうした不平等をもたらしてしまっています。
個人的に自己否定・卑下から抜け出すために、また社会的に不平等を減らしていくために、余計な不安をどんどん手放していきましょう。
どうやったら手放せるか。そのやり方は次回、ご紹介します。
(続く)