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ピッチャーの話


高校まで部活は野球部でした。

以前
「フルスイングするのは意外と難しいんですよ」
の記事を書いていますが、今日はピッチャー編です。

こんにちは、サラリーマンOBの谷です。

生身の人間が出すスピード

野球でピッチャーといえば主役です。

しかも
生身の腕だけで150Km/hのスピードを出す、他に類をみないスポーツです。

テニスはサーブで200Km/h出していますが、ラケットを使っていますよね。メジャーリーガーの大谷選手の打球スピードが180Km/h以上出ていますが、これもバットを使っています。
ラケットやバットの長さ分を遠心力として使えるからスピードが出ます。

何かしら道具を使ってスピードが出ているのです。

投球動作はしなり


投球動作は全身を使います。
まず体を捻ります。
そしてバッターの方へ踏み出し、その足を軸にして捻った体を解放します。
足、腰、胸、肩、肘手首、指先

下から上に動作が伝わって、一番最後は指です。
この一連の流れで「しなり」を作り出します。

そうすることでスピードが出る様になります。

リリースする瞬間に全てのパワーを伝え、ボールがキャッチャーに向かって飛んで行きます。

投手への負担は?

腕の血が指先に集まります。
しかも一挙に肩から指先に向かってドッと押し寄せるので毛細血管が膨らみます。
さらに、肩は関節が抜ける方向に動かしているので、関節周りの筋肉が痛めつけられます。

その行為を100回繰り返すとどうなるでしょうか?

腕の支点となっている肩の血管はボロボロに痛み、
筋肉も炎症を起こします。

なので登板が終わったらすぐにアイシングします。
よく見ますよね、モッコリとした形で肩と肘を包んでいる姿。

この投球で受けたダメージ回復に必要な日数を加味して登板間隔が決まっているので中4日や中5日と言われています。

あとは変化球を投げるときの腕の捻りで肘に負担がかかります。

こうして何年も続けると故障する可能性が高くなるのでメジャーリーグではピッチャーの肩は消耗品と捉え、投球制限を儲けて投げる数を管理していますし、日本でもその考え方は浸透してきています。

どうですか?
ピッチャーは主役ですが野手と違った消耗があるのです。

なぜか打ちにくいピッチャー


それほどスピーとやパワーも無いピッチャーでも活躍していますよね。
何が違うんでしょうか?

・ボールの出所が見えにくい
これは腕が体に隠れて見えにくく、バッターは腕が見えたと思ったらリリースされボールが向かってくる感じです。
なのでタイミングが取りづらい、準備がしにくい、だから打ちにくい。

・ストレートと変化球の投球フォームと腕の動きが同じ
エッ?
一緒でしょ、普通。
とツッコみたくなるのはわかります。

これはピッチャーのくせでもありますが、肩の回し方や腕の振りがビミョーに違います。
プロの選手は何度も対戦し、レコーディングして見極めようとしていますので盗塁の時にピッチャーの癖を読むことと同じですね。

逆に投手は癖を潰し、寸分違わぬモーションで投げる練習を重ねています。

ただ最後のリリースする瞬間の手首の向きを見切れたら、ストレートと変化球の見極めがある程度できます。

でも、時すでに遅しといった感じでタイミングを合わせられないことが多いのです。
だから尚更その前に情報を取り込むことで、打てる様に準備しようとしています。

だから、いくらスピードが早くてもボールの出どころがはっきり見えてしまうピッチャーは打たれます。
それはタイミングを取る動作をバッターに提供している事になるからです。

・初速と終速の差が少ない(バックスピン量が多い)
これはピッチャーの手元を離れた瞬間のスピードが初速
ホームベース上に到着したときのスピードが終速です。
この差が少ないとバッターの感覚が追い付かず、振り遅れたりします。
これはボールの回転数によってボールに浮力が発生し、通常の軌道より落ちてこないため打ちにくくなります。

いかがでしたか?

なぜか打たれにくいピッチャーが存在します。

ただいつも同じ様にできないのが生身の人間、好不調があるのでいつもというわけにはいきません。

そんなところも観戦の楽しみです。

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