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元人事から就活を始める学生へ(2)ESの書き方

就活を始める学生さんへ、

メーカーの元新卒採用担当の備忘録として、

質問されたことなどをまとめていこうと思います。

今回はES(エントリーシート)について。


「受かるESの書き方を教えてください」

企業によって違うので、正解はありません。

企業によって採用基準が違います。ほとんどの企業には「求める人物像」が定められていますので、それに近しい書類が通過すると思います。


では、どのようなESを書くべきか、私の考えをまとめます。

ESは書類選考するためのものでもありますが、面接の資料でもあります。

採用面接は初対面の人同士が、たったの30分~1時間で、人を見極めるという、言わば「化かし合い」です。

面接官は、面接にどんな学生が来るのかわかりません。唯一の情報は事前に提出されたESです。よってESに基づいて質問するしかないのです。

ESには「志望動機」「自分自身の強み」「学生時代にがんばったこと」等の質問があります。それらの質問は、面接でさらに詳しく聞かれます。

要するに、ESとは面接のレジュメになり得るということです。

「ESにはいろいろな事を書いた方が良いですか?」

いろいろお話できることがあるなら書きましょう。書いたことは面接官に聞かれます。一番面接で話たいことを書いておきましょう。ろくに話せないことは書かない方が良いです。

面接では「この他にはありませんか?」と質問されることもありますので、全て書く必要はありません。一番聞かれたいこと、得意分野を書いておきましょう。エピソードは1つ2つで十分です。面接の時間は長くありませんから。

また、1つのことについて全て書いてしまうと、話すことがなくなってしまいます。面接官が質問しやすいように誘導するのも、ESを書くテクニックの一つですね。

例えば、前回の学生A君がPC周辺機器メーカーB社にESを提出する場合に、以下のように書きます。

・志望動機を書いてください。

私は人に「便利さを伝えること」にやりがいを感じます。貴社の製品はまさに、顧客志向を体現していて、人々に便利さを提供しています。貴社の製品をもっとたくさんの方に伝えたいと思い、志望させて頂きました。

・学生時代に頑張ったことを書いてください。

私はボランティアサークルに所属し、サークル活動に注力しました。特に、子供や高齢者の方にパソコン教室を実施するボランティアが自身を成長させてくれました。

面接官の気持ちになってみてください。面接官は以下のような質問をすることが想定されます。

面接官「どうして便利さを伝えることにやりがいを感じるのですか? 何か具体的なエピソードがあるのですか?」

面接官「そのボランティアではどのような部分が成長したと感じたのですか?」

面接官「ボランティア以外に頑張ったことはありますか?」

いかがでしょうか。面接官はESに書いてあることしか質問ができませんよね。


志望動機の部分を見てみましょう。メーカーB社は、顧客志向を企業理念の一つに掲げている企業です。こういった企業理念などは企業のHPを確認しておけばわかります。この志望動機を読んで、面接官は以下のように感じます。

・当社の企業研究もしていて、志望度は高そうだな。企業理念を理解し、企業理念に合った仕事を楽しんでやってもらえるかもしれない。長く働けるかもしれない。 → 本当に「便利さを伝えること」を楽しめるのだろうか?

このように質問をしていきます。

面接官としても、会社に合った人材に入社してほしいのです。入社したら、辞めてほしくありません。なるべく長く勤めてもらい、活躍してもらいたいのです。


ESは面接のレジュメにもなります。

自分自身はどういう学生なのか。

なぜその企業に入社したいのか。

なぜその企業が自分自身にあっているのか。

これらの点を、自己紹介と志望動機で伝えられると良いですね。

私は採用する際に、当社で楽しく働ける人材かどうかを大切にしていました。楽しく働ければ、長く働ける。長く働くと経験が積めて、活躍ができる。

人生の大半の時間を費やす仕事です。楽しい方が良いですよね。

「仕事が楽しいと、人生が楽しい。」

読んで頂きありがとうございました。
今後は合同説明会や企業の見方や面接についても書いていこうと思います。

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