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ベトナム・ハノイ~タイ・チェンマイ旅行記(出発前)

今回から8回にわたってベトナム・ハノイからタイ・チェンマイ旅を日記で書きたいと思います。

2023年3月にベトナムとタイ旅行をしようと2月に計画を始めた矢先、父の体調があまりよくなくどうしようかと迷っていた。
ベトナムには今まで2回ホーチミンに訪れていた。ほぼタイに行くための乗り継ぎで立ち寄ったのだが、グルメに関してはタイ料理より好きである。
辛い物が苦手なため、フォーや春巻き関連が好きだしバインミー(サンドイッチ)も好きなのでとにかく食べ歩きのことばかり考えていた。

父は4年ほど前から肺の病気により家で療養生活を送っていた。自分で外出できない状態ではないが、興奮したり長時間外出すると息があがって苦しさを訴えていた。難病指定され医者からもあと5年くらいだろうと余命宣告もされていた。

2022年の8月、私がタイ旅行中に父は新型コロナに感染して救急搬送されたことがある。一命はとりとめたが私も海外にいて気が気でない状況だった。
父は2022年10月には退院したもの呼吸器が手放せない状況だった。
医師からはいつなくなってもおかしくないから、覚悟してくれとも言われていた。

そのような状態でもさほど苦しみを訴えることがなかったため3月16日発のチケットを購入、ベトナム航空の成田~ハノイ~バンコクの往復チケットを約7万円で購入。ハノイには行きに3泊する予定を組んだ。
ところがそのチケット、予定変更ができないもので行きにいけなければほぼ全行程がキャンセルしても返金できない条件であった。

3月2日。前日まで普通に過ごしていた父が朝起きた際に苦しみを訴え、担当医師を急きょ呼ぶことになった。痛み止めの注射をうって少し楽にはなったが、先生からはもう2,3日かと思う。お父様が会いたい人に会わせてあげてほしいと言われてしまう。私のベトナム旅は返金できないがもうそれどころではない。旅立った後に海外で訃報を聞くとかは絶対に避けなければいけなかった。

その日の夕方、父は帰らぬ人となった。その瞬間からしばらくの間、長男で喪主の私は葬式や父の契約関係の解約や手続きのやりとり、病院や銀行、役所に何度も訪れて忙しくなってしまう。
父の葬儀が終わりひと段落した状況で母が聞いてきた。

「あなた、海外旅行はどうするの?」

返金できないと思ってキャンセル処理もしていない。わずかに行こうかなと考えていたのもあったが、父の保険や遺産関連もありそれを片付けなければそれどころではないと思っていた。ただ母は私が父の世話などでかなりストレスがたまっていたのも感じていたようだ。

「あと何を片づければいいの?」

父の保険の手続きと年金停止さえできれば、残りは後回しでもよかった。
四十九日の手配はタイ・ベトナムからもできるし、周りの皆さんからいただいたお香典の返しも海外旅行中にできるなと判断。四十九日法要の日に確実に日本に帰国していれば何の問題もないと母や妹から言われ、お言葉に甘えてベトナムとタイに行かせてもらうことにした。

本来喪中に行うことではないかもしれないが、父もベトナム話を楽しみにいていたので、勝手ながら行かせてもらうことになった。

第1話おわり

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