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「J.Y. Park氏の脅威のフィードバック術」から学ぶ人材育成

フィードバックを通じて自己理解を深める!

ダイヤモンド・オンライン「相手がぐんぐん成長する!J.Y. Park氏の脅威のフィードバック術」(著者:青田 努)を読んで感じた、自分の仕事における人材育成、日ごろのコミュニケーション改善に向けた気づき。

まず、フィードバックで大切な6つの要素について述べられており、それぞれについて大事にしたいポイントや注意すべきことを考える。

(1)誰が伝えるか
(2)誰に伝えるか
(3)何を伝えるか
(4)どう伝えるか
(5)いつ伝えるか
(6)どこで伝えるか

(1)誰が伝えるか

「(1)誰が伝えるか」について考えておきべきは、受け取る側、聞く側にとって、尊敬すべき人物か、信頼関係ができているか。日頃、良好なコミュニケーションがとれていない関係や受け取り手の尊敬、信頼リストに入ってない場合、効果的なフィードバックは難しい。フィードバックによる人材育成や気づきを与えるためにも、日頃のコミュニケーション、信頼関係の構築は不可欠だ。即席OneToOne(隣席に座り仕事の進捗や悩みを聞く)やミーティングでのやりとり、メールやビジネスチャットでのコミュニケ―ション、休憩中の雑談など、全ての接点が信頼関係に通じる。そのことを肝に銘じておかないといけない。

(2)誰に伝えるか

「みなさん、同じように特別です」とJ.Y.Park氏は語る。その言い方は素晴らしい。マネージャーからみたチームメンバーは1対Nかもしれないが、チームメンバーからすると1対1の関係とも言える。接する時間や距離感の違いは多少の差があれど、みんなが、同じように、特別であるという意識はとても大事。1対Nのコミュニケーションは、時間も神経も使い、非効率な面もあるが、これをさぼると何もできない。(1)に通じるところでもあるが、1人1人と向き合って、コミュニケーションすることを、一生懸命楽しみたい。

(3)何を伝えるか

フィードバックの目的は主に、「技術向上」、「意欲向上」、「新たな気づき」とのこと。仕事におけるフィードバックにおいて、その目的は、業務の振り返り(目標に対する進捗や創出した価値等)や評価、次期目標設定(ベクトル合わせとモチベート)などであり、伝えるべきことを整理して、取り組んできたが、改めて、目的を「技術」「意欲」「気づき」と定義するアプローチが面白い。項目ごとに伝える内容を考えると、相手にとってもわかりやすく、伝える側の整理にも役立つ。

「技術向上」: スポーツトレーナーのように、精神論だけに偏らず、理論や構造・メカニズムに基づいて具体的に伝える。
⇒技術的な裏付けや知識が必要
「意欲向上」: 期待を伝える。1人1人の資質や持ち味がどこにあるか考え、1人1人の資質に期待し、日常的な練習を大切にするよう伝える。
⇒相手のことをどこまで考えているかが問われる
「新たな気づき」: 自分では無自覚だった魅力や改善点について気づかせてあげる。本人の魅力について自身で認識することが自信へつながり、自分自身の才能を発揮しやすくなる。また、自分の改善点について自覚することは自分自身の成長課題を理解する上で有効。
⇒弱点探しではなく魅力探し。改善点を伝える場合もネガティブに伝えるのではなく、前向きに!

(4)どう伝えるか

「事実に基づいて、主観を交えて伝える。」
事実に基づいた指摘でないと、改善につながらず、またフィードバックのベースとして必要な相互の信頼関係が構築できなくなる。よって、事実に基づくことは大切で、かつ主観を交えて、相手をリスペクする気持ちや、期待する思いを重ねて、しっかり伝えることが大切。

「言葉を選び、伝わりやすい構成で」
どのような言葉を選ぶのかにより、伝わり方は大きく異なる。J.Y. Park氏は相手がうれしくなるような表現を使ってほめるケースが多い。またネガティブな内容でも、「少し立ち止まってしまった印象です」など、相手の心が折れないように考え尽くされた言葉で伝えているとのこと。

この言葉選びはとても難しいが、マネージャー、リーダーの大切なスキルであり、努力しないといけないポイントだ。感謝の言葉を100個、ほめる言葉を100個など、表現力を鍛え、言葉のバリエーションを整理する取り組みを行い、かつ、ネガティブな内容をうまく伝える表現力を身に着ける必要がある。

「Goodが先、Mottoが後」
良い点を先に伝え、改善点、次に向けた期待を伝えるほうが、より効果的ではないか。

悪い点を先に伝え、良い点を後にすることで、後味を良くするという考えもあるようだが、私は良い点が先が良いと考える。良いところをしっかり見ていることを伝え、そこで共感できてからこと、改善点に対する指摘も素直に聞いたり、受け入れたりするのではないか。

フィードバックの構成と言葉選びをJ.Y. Park氏はアドリブ、即興でやっているのであれば、彼は本当に素晴らしい。フィードバックの型を自分なりに固めることで、即興でも、相手に伝わるフィードバックができるよう努力していきたい。

(5)いつ伝えるか

できるだけタイムリーが良い。タイムリーなフィードバックにより素早い改善行動と、改善へのチャレンジが成長を促進する。

(6)どこで伝えるか

OneToOneで話しやすい環境で。職場でもいいし、会議室でも良い。また最近だと、WEB会議を使っても良い。双方が周囲な遠慮なく、意見交換できる環境を選んで伝えよう。

最後に

フィードバックを少し工夫したり、配慮したりするだけでも、相手の成長は大きく変わる。そして「厳しいことを伝えれば相手はやる気を出す」というのは多くの場合、上司の勝手な幻想でしかない。そしてややもするとこれは、フィードバックをする側の怠慢とも受け取られかねない。単に厳しく言うのではなく、相手をしっかりと観察して、どのような言葉を選んで、どんな構成で伝えていくのか。きっとJ.Y. Park氏の言葉は、私たちのフィードバックスキルの向上に役立つはずだ。

リーダー、マネージャの仕事の大きなウェイトは、チームビルディングと、チームメンバーの活躍と成長を支援することと捉え、これまでチームメンバーに向き合ってきた。そのメンバーとの向き合い方において、フィードバックは不可欠であり、このJ.Y.Park氏の言葉や構成は大きな気づきとなった。

ベースとなる信頼関係を日頃からしっかり構築し、「技術向上」、「意欲向上」、「新たな気づき」を、「事実に基づいて」「伝わりやすい言葉、構成」でフィードバックすることを、これからしっかり意識していきたい。そして、自らのフィードバックスキルを大きく向上さえていきたい。

引用:ダイヤモンド・オンライン「相手がぐんぐん成長する!J.Y. Park氏の脅威のフィードバック術」(著者:青田 努)

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