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【仕事】面接でカミングアウトしたら音信不通になった話

先日、とある求人メディアでスカウトされた。

「経歴を見て、是非一度お話ししたいです。」

僕は、素直に声をかけてもらえて嬉しかった。
その会社は台湾で今後事業展開を考えていて、僕がやってきた経験がまさに活かせる事業内容だ。

先方は、その会社の社長となる人で、同世代の男性。
その日はZoomを利用した遠隔でのカジュアルな面談となった。

簡単な自己紹介をして、僕の台湾での経歴、先方のビジネスモデル、ポジションに就いたら求めること等々、ざっくばらんに話ができた。

先方としては、台湾での経験がそこまでないので、是非一緒に働きたいと言った「ニュアンス」を言葉の端々に出していた。
むしろ僕の方が過去と同事業することに関して迷いを見せていたが、先方は色々とその事業をするメリット推してくれ、まさに「スカウト」してくれていた。

2時間くらい話していただろうか。なかなか長丁場だが、会話は弾んだ。

「では、この週末明けまでに条件提示するようにしますね。」

もう採用方向で、条件面の調整フェーズなのだと思った。

もう面談を終えようかというところで、
僕は先方にもう少しだけ時間があるか確認をし、切り出した。

「少しお互いのキャラクターを知りたいのですが、趣味とかありますか。」
当たり障りのないフレーズから、老闆(社長)がどんな人か探りをいれることにした。事業には共感できたし、一緒に働けるのではと思ったからだ。

先方は、自身の趣味を色々話した。

そして、僕は切り出した。

「実は僕、LGBTの人間でYoutubeで動画発信したりしています。」

「・・・」
一瞬、先方のリアクションが固まった。

気まずくなるのは嫌なので、僕はフォローを続けた。
「あ、Youtubeのリンク送りますね!暇なときにみてください笑」

その後、先方はリンクを見るためと、Zoomのビデオ機能をOFFにし、
こちらからは表情が見れない状態になった。

続けて先方は、言葉を発した。
「僕、全然偏見とかないので気にしないですよ!」
明らかに話し方が、それまでとは異なり、
意表を突かれたからか、少しオドオドした様子になった。

「そりゃ、いきなりのカミングアウトは対処がわからないのも仕方ないよなー。」
僕はそう思ったので、軽い感じで話すように努めた。

「あー、まだまだ社員数も少ない会社だと、後にわかって気まずいとかもあるかもなので、最初に言っておきたかったです。」僕は続けた。

「いやいや、僕新宿2丁目に連れて行ってもらったこともあるし、理解はありますよ!気にしません。」先方は答えた。

僕は、少しホッとした。が、突然カミングアウトし驚かせたので申し訳なくも思った。

一通りゲイエピソードを交わした後、面談は終盤を迎えた。

「よかったら、LINE教えてもらえますか?今後のやりとりとかあるので」
先方から打診されたので、何の迷いもなくLINE登録した。

面談を終え、話してよかったし、新しい仕事にもワクワクする気持ちがあった。


約束の週末明け。連絡は来なかった。

「きっと多忙なんだろうから、焦らず待とう。」と更に1週間待った。

何の連絡もこなかったので、流石にと思ってLINEしてみた。
「その後進捗はいかがでしょうかー。」

ここまで読んでいただいた方なら、もう大方予想ができると思うが、
その後連絡は、音信不通となった。

LINEは既読もつかず、当初声をかけられたメディア上でも返事がこなくなった。

このご時世だ。もしかしたらコロナにかかったとか、過労で倒れたのかもしれない。音信不通となった理由はわからない。

だがしかし、僕の頭の中では、面談後半で変わった「あの空気」と「先方の声のトーンの変化」が残っている。
HSP気味の「気にしすぎ」な悪いところが出ているだけなのかもしれない。

少し後味の悪い、気持ち悪い結果となった。

しかし、僕は今後もお仕事をする上で、近しい関係になるであろう人には事前にLGBTであることを伝えるつもりだ。今後も敢えて伝えていく。

なぜか。不利になるかもしれない、仕事と関係ない情報を、
わざわざ言う必要があるのか。

「こうするべき。」なんて答えは僕の中にはない。

しかしなぜだろう、僕にとって自分がゲイであることは非常に大事なアイデンティティで、距離が近い相手には知っていてほしいという欲がある。

別に気を使ってほしいわけではないし、何かは求めない。

強いていうなら、知っていてほしい。

僕がゲイであることを知って、「なんか嫌だ」と感じる人もいるだろう。
それはそれでいい。相手がどう思うかは相手の判断。
変えようなんて思わないし、めんどくさい。

大学生の時寮に住んでいて、寮父に言われた話に今でも共感している。
「人が君たちのことをどう思うかは、2:6:2の法則だ。2割は好きで、6割はどっちでもない。残りの2割にはどう転んでも嫌われる。」

僕は、6割のどっちでもない人達を上手くかわし、好いてくれる2割の人を探す旅に出る。それでいい。

探すためには、発信が必要だ。
「ゲイの僕はここにいるぜ!でもゲイとかひっくるめた個性の僕を好きになってくれる人!出会いましょう!僕もあなたを好きになります!」

こんな感じで生きていこうと思う。


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