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【スリランカ回想記】「安く買ってくるから、お前らは顔を隠せ」

【本シリーズはマガジン「嗚呼、愛すべきアジア旅」に収録されております。月額100円で他シリーズのコラムも合わせて読める「ONE COIN COLUMN CAFE」もしくは上記マガジンの購読で読むことができます。】

今回はスリランカでのある出来事を綴っていきます。これはスリランカに関わらず色んな国であることだと思います。カンボジアのアンコール遺跡でもありましたね。今回はスリランカの場合において語ります。

実は物を買うとき、2つの値段が存在するんです。

使い分けられる、2つのプライス

さて、スリランカへは私ともう1人、研究室の同期と農業インターンという名目で10日間ほど滞在しました。この間に500kmくらい移動した超ハードスケジュールでしたね、今までの旅で一番過酷でした。

とは言っても、引受人の現地NPOがしっかりしてくれて、食事も宿も移動・運転もすべてガイドにお任せという、生活の面では比較的楽をした旅でした。

今回アテンドしてくれたシャミルというガイド、移動途中に友達を勝手に車に乗せたり知り合いの家に言って私達を紹介したりとなかなかフリーダムな人間でしたが、かなり親切に世話してくれました。農業インターンということもあってなのか、色んな果物や食べ物をお店や露店に寄って買ってくれるんです。

(写真…ドラゴンフルーツ。2tトラックの荷台に山積みにして
路上販売していたドラゴンフルーツ売りより3個購入)


で、ある日シャミルが移動中に私たちに話しかけてきたんです。

「新鮮なドリアンは旨いから、食べさせてやろう」

その時は山に近い地域にいたのでマーケットはほとんどなく、路上販売がほとんどでした。シャミルは路上販売を見かけると車を止め、売人に話しかけるのです。ですが、2軒、3軒まわってもシャミルは渋い顔をして戻ってくる。

そして私たちにこう言い放つのです。

「安く買うために、お前らは車から顔をみえないように隠れろ」

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