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新潟・妙高でワーケーションしてみた

まほら
「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の日本の古語。「まほろ」「まほろば」「まほらば」「まほらま」ともいう。楽園。理想郷。



私の最近の旅行はほぼ"建築探訪"だが、たまにはそれ以外の旅行もしてみようか? スケジュール詰め込みではなく、特に目的もないユルい旅行を。
そう、"バケーション"というやつだ。

とはいえ、バケーションは良いけど、具体的にどこに行こう?
都会のちょっと高級なシティホテル? それは悪くない。でも日常に近過ぎる。ココはやはり都会から離れた方が良い!


ということでやってきたのは新潟県は妙高山の山麓。周辺には稲刈りを終えた長閑な里山の風景が広がっている。


拠点となるのは妙高市にあるMAHORA西野谷
今回は縁あって、こちらに数日間滞在させて頂いた。

防風林の中にその建物が見え隠れしている。


MAHORA西野谷は明治時代に建てられた築120年以上の古民家をリノベーションした一棟貸しの宿だ。


北陸新幹線の上越妙高駅から車で20分、上信越自動車道の新井スマートICからだと5分。アクセスは悪くない。



探検する

宿に着いてすることはまず建物内の探検。

こちらは土間玄関。

天井には昔からこの家を支えている大きな丸太の柱や梁が見える。


囲炉裏を中心としたリビングは落ち着いた空間。現代的な照明がオシャレだ。


寝室となる和室は3室ある。


コミュニティスペースも兼ねるダイニングキッチンは元は牛小屋だった。


耽読庵と名付けられた小さな図書室もある。


この他に厨房には最新のシステムキッチンや食器も揃っているので、食材を持ち込んでの料理も出来る。



くつろぐ

特に何をするでもない。お茶でも飲みながら本でも読んだりおしゃべりしたり…。ただゆっくり時が過ぎていく。


夕暮れになると、薄暗さの中で部屋が浮かび上がる。



すき焼きを堪能する

食事は自炊も可能だが、オプションで地元や集落の旬の食材を準備してもらうこともできる。今夜は新潟牛のすき焼きを用意してもらった。

photo by Natsumi Kinugasa


もちろん囲炉裏に炭に焚べて調理するのだけど、火を付けるのに1時間も要してしまった。(野外生活向いてないな)


しかし苦労?した甲斐あって、すき焼きはお肉もお野菜も超美味しい。

photo by Natsumi Kinugasa


ご飯のお供はこれまた新潟県のお酒。
鳩徳利を囲炉裏の灰に埋めて熱燗を作り、

photo by Natsumi Kinugasa

お猪口で少しずつ味わう。至福!

photo by Natsumi Kinugasa



星空を眺める

食後は囲炉裏の残火を外に持ち出して焚火。

photo by Natsumi Kinugasa
photo by Natsumi Kinugasa


見上げれば今にも星が降り出さんばかりの満天の空。

夜は更けていく。

photo by Natsumi Kinugasa



寝る

寝るのは布団。だが普通の布団ではない。見よ! このフワッとした布団!
マットレスも絶妙な柔らかさで、その寝心地を体感する前にあっという間に眠りに落ちた。



目覚める

翌朝。まだ静かなMAHORA西野谷。一人早起きする。鳥の声以外物音はしない。


周辺を散歩する。

朝日を浴びた山並みが美しい。



朝ごはんを食べる

新潟と言えばお米。実はこの宿のご主人は米農家でもある。朝食はそのお米を自分たちで炊く。

photo by Natsumi Kinugasa

土鍋で炊くご飯は「最高」という言葉以外思い浮かばない。

photo by Natsumi Kinugasa


おかずは予め調理されたものがセットで用意されている。

photo by Natsumi Kinugasa


普段はあまり朝ごはんは食べないのだけど、あまりの美味しさにおかわりなどしてしまった。

photo by Natsumi Kinugasa



珈琲を飲む

「珈琲なんてどこで淹れてもどこで飲んでも同じだろ?」

photo by Natsumi Kinugasa

ハイ、その通りです。でも休暇先で飲む珈琲はまた格別なのです。

photo by Natsumi Kinugasa



仕事する

悲しいかな現代人。休暇中でも完全には仕事から離れられない。
休暇をリゾート地で過ごしながら仕事(主にリモートワークになるが)をすることをワーケーション Workcationというらしい。


他に邪魔する要素が少ないので、集中すれば意外に捗る。

photo by Natsumi Kinugasa



サイクリングする

仕事に疲れたら外に出る。そこには雄大な自然が広がっている。気分転換にもなるし、心の休息にもなるというものだ。

photo by Natsumi Kinugasa


宿にある電動自転車で、砂防ダムまでサイクリング。

photo by Natsumi Kinugasa


近くを流れる万内川は「新潟県砂防発祥の地」とされている。

photo by Natsumi Kinugasa


砂防ダムは古くは大正時代に造られ、現在は18基の砂防ダムが連なっている。そのうち11基は登録有形文化財に登録されている。

photo by Natsumi Kinugasa


急斜面にニホンカモシカ見つけた!



滝を見に行く

妙高といえばウィンタースポーツ。豪雪地帯だし、実際周辺にはスキー場もたくさんあるが、それ以外の季節でも楽しめる。

例えば車を30分程走らせると、長野県との県境に苗名の滝がある。

落差55mで水量は豊富。柱状節理も見事。
中学生の頃にハイキングで訪れたことがあり、その時以来の訪問だった。少し懐かしく、少し嬉しかった。


ところで観光地で食べるソフトクリームって、なんで美味しんだろうね?

photo by Natsumi Kinugasa



雨が降る

滞在中には雨が降ることもあった。

photo by Natsumi Kinugasa


しかし水墨画のような風景もまた美しかった。

photo by Natsumi Kinugasa




今回はたった3日間の短い、しかも仕事もしながらのバケーションではあったけど、充実した3日間でもあった。星空も囲炉裏も食事も都会では体験できないことばかりだったし、日常環境にいるとどうしても入り込んでくる様々なノイズを遮断して、ノンビリ過ごしたことは良いリフレッシュにもなった。
このnoteでは【建築】をテーマにしているのであまり書いていないけど、実は私は【自然】や【里山】も結構好きなのだ。


MAHORA西野谷。
それは妙高の里山とも相まって、その言葉通り「素晴らしい場所」だった。




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