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建築家 廣部剛司 言葉と音楽と建築と

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建築家の廣部剛司が思い立ったときに書いていくnoteを作成しました。
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2020年3月の記事一覧

今できること

今できること

先日、現場の帰りに車の中でスタッフと駒沢公園の話になりました。

自分の師匠、芦原義信先生の名作ですが、二人は訪れたことがないという。そこで、そのまま足を伸ばして駒沢公園に寄りました。

自分にとって忘れがたい接点は、大学2年生の時に図書館で借りた「外部空間の設計」。例えば、この駒沢に建っている塔が、階段を進むことによってその見え方を変化させていく。この本にはシーケンシャルな動きによって変化してい

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「At terrace」

「At terrace」

袋小路に面する敷地には、古い平屋の住宅が建っていた。現在、建築学科に通うクライアントの娘さんは、その家を詳細に実測して図面を起こしていた。かつての曾祖父の家を記憶に刷り込むかのように。
永らく空き家となっていたこの家を解体して、新しい建築をつくる。当初は、近隣の工務店に相談されていたが、家族で話し合ううちに、何か意味のある建設行為にしたいと思い至ったそうだ。そこで、創造系不動産さんに相談をされ、娘

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「U・T」

「U・T」

いつも、建築が竣工するときに一文を書くようにしている。これは土曜日にお披露目を行う個人住宅について書いたものです。

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時間の流れかたは、その環境によって変化していく。
何かに熱中している時間は短く感じるし、無為に過ぎゆく時間を待つのは長く感じるもの。
行為と環境が結びつく場が建築なのだとすれば、設計でコントロールできる時の流れもあるのではないだろうか。
この住宅を設計しながら強く意

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三鷹市の「U・T」内覧会のこと

三鷹市の「U・T」内覧会のこと

弊社設計で手掛けております三鷹市の住宅「U・T」。

3/14 (※3/15は中止) に内覧会を行います。

内覧会は、基本的に設計依頼を検討されているかた、建築関係者、弊社設計に共感を感じて下さっているかた向けに限定公開で行っております。

個人住宅の内覧会ですので、クライアントのためにもセキュリティーには留意する必要があります。しかし、実際に空間を感じて頂くことでしか読み取っていただけない部分

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