フランス葬儀事情#04
世界のお葬式に関する話題をお伝えしています。
※2011年にフランスの葬儀業界を視察した際の内容を業界誌で「フランス葬儀業界探訪記」として特集して頂いた内容の抜粋となります。記載されている数値は当時のものになります。
オートルリープ社訪問「彼岸という名の葬儀社」
オートルリーブ(Autre Rive)社はパリ市内の中小規模の民間葬儀社です。
お店の前に付くと。
葬儀社が5社並んでいます。
しかも隣はホスピスです。10年前の法改正で葬儀の自由化になった際に5社できたそうです。
ちなみに5社のうち一番オートルリーブ社がホスピスに近いので来店者が多いとのこと。
店内に入ると素敵なインテリアです。小さなスーパーを改装して造ったそうで、葬儀社らしくないデザインを心がけてはいりやすさを重視しているそうです。
お客様との打ち合わせ用のテーブルは、あえて円形のものを使用してコミュニケーションがとりやすいように配慮がされています。
店内で目に付くのは、たくさんの骨壷です。
骨壷とは思えないようなデザインのものがたくさん並んでいます。
オートルリーブ社では、オリジナル性の高い骨壷の提案に力を入れていて、故人の愛用品を改造した骨壷などを提案しているそうです。(3L以上入って、蓋ができれば改造できるそうです。)
塩でできていて海で溶けるものや、砂でできているもの、木を育てることができるものなどエコな骨壷も展示されています。
店内には子供向けの「死」とはどういう事なのかを説明する絵本が置かれています。
急勾配な階段を下って地下に行くと、棺のカットモデルが一面に並んでいます。フランスでは、法律で街頭から見える場所に棺を置くことが禁じられています。そのため、地下や壁で区切られた内側への展示が主流だということです。
美しい木目の棺ばかりの中、一際目を引くカラフルな棺がありました。ご家族が自分たちで色を塗ることができるお棺だそうです。やはり埋葬が主流なためか、棺へのこだわりは強い人が多いようです。
地下のショールームで経営者であるフランク氏のお話を聞くことができました。フランク氏はソフトウェア会社の営業職に就いていた数年前に、オートルリーブの創立者である前経営者に誘われる形で葬儀業界に入ったそうです。
実際に葬儀業界に身を置いてみると、閉鎖的な業界と身にしみて感じるので、新しいアイディアを発信することで業界全体を明るくしたい、と話してくれました。(どこの国も変わりませんね。)
実際オートルリーブ社はオリジナリティ溢れる葬儀を行う会社として有名で、劇場をレンタルしたり、サイドカー付きのバイク型霊柩車を使用したり、と従来にないサービスを提供しているそうです。
自身の経験もあってか、葬儀業の経験者より異業種からの人の方が、新しいアイディアを出すことが出来るので、今後の求人も異業種経験者を重用するそうです。
急な階段を今度は上って、2階に入ります。以前この建物がスーパーだった頃には、住居として使用されていたスペースです。
お客様がリラックスできるように、家のような雰囲気の応接室でした。
壁面の棚にはセンスを感じるオブジェがずらり。基本的には創立者の方が選んできたものだそうです。
オートルリーブ社は、自社で安置施設を持たず、公営や民営の施設を利用しています。自社の施設は私たちが訪問したオフィスのみで、施設面では10年前の法改正後設立した中小の葬儀社の典型とも言えると思います。
情報発信の強化や「オリジナリティある葬儀」という自社の特色を強く打ち出すことで葬儀社として成長を目指しているところに、シンパシーを感じました。
フランス葬儀事情#05に続きます。
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