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「認知と決定プロセス〜購買行動モデルの変化〜」葬儀業に関係する先行研究#3

あまり知られていないお葬式の業界について経営学の視点からお伝えしています。葬儀業に関係する研究をいくつか紹介します。

購買行動モデルの変化に関する研究

 従来のマーケティングにおける消費行動の連鎖については、AIDMAモデルがあるが、インターネットの普及により、AISASモデルに変わったとされている。また、高齢者の行動モデルとして新たにACIDMA(斎藤.2014)がある。それぞれの説明は以下の通りである。

①AIDMA
 認知から決定に至るプロセスに関して「AIDMAの法則」がある。これは、1920年代にアメリカ合衆国で販売・広告の実務書の著作者であったサミュエル・ローランド・ホールが『Retail Advertising and Selling(小売りにおける宣伝と販売)』([1])の中で「広告宣伝に対する消費者の心理的なプロセス」として発表した。
 AIDMAとは、Attention(注目)、Interest(関心)、Desire(欲望)、Memory(記憶)、 Action(行動)の頭文字で、消費者がある商品を知って購入に至るまでに図3-2のような段階があるとされる。

図3-2 AIDMAの法則
(出所)電通総研の記述から筆者作成

②AISAS([1])
 2004年に広告代理店の電通等により提唱された「AISASの法則」は、インターネットやSNSの普及によって変化した消費行動に対応したものである。AISASとは、Attention(注目)、Interest(関心)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)の頭文字を並べたものである。インターネットでの購買行動の行動モデルとしてAIDMAと比べられる。図3-3のような段階がある。

図3-3 AISASの法則
(出所)電通総研の記述から筆者作成

③ACIDMA
 AIDMA、AISASに対して、高齢者特有の購買行動に関する行動モデルとして斎藤[2014]([1])は「ACIDMA(アシドマ)の法則」があるとしている。高齢者にはマスメディア広告が効きにくく、SNSなどの拡散効果は限定的なため、「AISAS」とは異なったモデルが必要としている。ACIDMAとは、Attention(注目)、Convince(得心、納得) 、Interest(関心)、Desire(欲望)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字を並べたものである。「高齢者コミュニケ―ションは複雑である。そこで、高齢者特有の購買モデルをここでは、ACIDMA(アシドマ)と名付けたい。つまり、AIDMAの行動のA(attention)とI(interest)の間に、得心、納得のC(convince)という新たなひと手間が入るのである。このひと手間が重要だ・納得というハードルを通過しない限り、高齢者は物を買ってくれないし、有望な顧客にもなってくれない。一方、このひと手間には創意工夫の余地が多く残されており、それ自体が新たなマーケティング戦略の可能性を秘めている。」としている。図3-4のような段階がある。

 図3-4 ACIDMAの法則
(出所)斎藤徹『超高齢社会マーケティング』より筆者作成

([1]) S. Roland Hall,“Retail Advertising and Selling”, Taylor & Francis, 1985年([2]) AISASは電通の登録商標
([3])斎藤徹『超高齢社会マーケティング』ダイヤモンド社,2014年

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