パレスチナ、サッカー、1枚の写真

中国で行われているアジア大会、見てないのですが、サッカーの日本対パレスチナ戦があったとネットで知りました。
その時、ある1枚の写真の記憶が、よみがえってきました。

数年前にNPOの活動で、パレスチナのヘブロン地区にある村を訪れました。 砂漠地帯にあるその村は、土木工事をするための重機の使用がイスラエルから禁じられているとのことでした。

私たちは、自動車がやっと通れるほどの細い道路をつくる手伝いをしました。 大量の砂利をバケツリレーの手作業で、道路の端から端まで敷きつめる作業。
8月の炎天下、日陰もない中で、村の人たち、子ども達と一緒に作業して、最後自動車がその道路を走った時はみんなで喜びました。

その後は屋内でみんな歌ったり、色々な話を聞いたりしました。その部屋の壁には、とても興味深い写真が飾られていました。

それは雪景色の中、サッカーゴールの前に、パレスチナの子ども達が並んでいる集合写真でした。

村の人に写真のことを聞くと、パレスチナにも雪が降ることがあると、 そして子ども達はサッカーが大好きだと。
さらに、その写真に写っているのは、この村の子ども達だけではなく、スシヤという地域の子どももいて、一緒に練習した時の写真だと。

“スシヤには、別の年に行ったことがありました。 ヘブロンの村と同じような砂漠地帯、水道も電気も引くことができない本当に厳しい場所でした。住む人も減っていく中、少ない人たちが土地を守るために、パレスチナの旗を立てて必死に住んでいました。

そこにいた3歳位の子どもが、手や口のまわりを汚しながら、チョコレートを食べていました。私を見ると食べていたチョコレート数粒を小さな手で、私に分けてくれました。私の顔を見上げた目が、とてもキラキラしていました。”


そんなスシヤとヘブロンの子ども達が、一緒にサッカーの練習をすると聞いてちょっと驚きました。
大変な日々の中で、大人が子どもたちを連れて来てくれるのでしょう。そして子ども達は雪の中でも、集まってサッカーできることが、とても嬉しかったでしょう。

日本対パレスチナの試合は、1対0で日本が勝ったようですね。双方に退場者が出るような試合だったようですが、、

この試合に出た選手の中に、私が見た写真に写っていた子がいるかもしれない。 きっとパレスチナの選手たちは集まって練習したり遠征するのも、色々簡単ではないのだろうなと思います。 彼らがパレスチナ代表として遠い国で試合できることは、きっと計り知れない色々な思いがあるのだと思います。

いつも何かの大会があると単純に日本を応援してしまいますが、相手の国はどんな環境なのか、そこの子ども達はどんな日常を送っているのか、そんなことにも思いを馳せてみたら、きっと勝ち負けよりもっと豊かなものを見つけられると思いました。

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