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記憶の記録

映画「トータルリコール」

のように人の記憶をまるで録音するように保存したり、逆に再現したりすることが未来ではできるようになっているのでしょうか?


アマゾンプライムビデオで「ベータス」見てたらこんな時間に。汗。しかもところどころうつらうつらしていたのでストーリーが記憶できていない。もう一度見直さなきゃ。映画館で見るときは「よっしゃ、元とったろ!」と気合が入りますが、おうちでアマゾンプライムビデオだとまあ、どうせ無料だしいつでも何度でも見れるしと緊張感がなくなってしまいます。

夏が終わり、鈴虫の音が聴こえる季節となりました。皆さんはお盆をどう過ごされたでしょうか? 離別を考えるとき死という絶対的な別れだけではなく、親しかったはずの人と遠く離れてしまったり、会えなくなってしまったりと様々な状況や理由があるかと思います。

私も一年前の夏、一人の妹を亡くしました。私ぐらいの年齢になるとこういう話が多くなってきます。

つい最近の話です。静岡で農業を営む知人を偶然ネットで見つけ、記された電話番号にかけてみるとやはりあいつでした。久々の再会?に興奮する私に彼が伝えたのは私がこの八千代でアクティビティを開始し始めた頃、ご近所なこともあり、個人的に大変お世話になっていた一人の写真家の訃報です。

写真家 植村正春さんその人です。

この写真表現というサイト(現在閉鎖:Facebookでのみ一部を公開:
https://www.facebook.com/shasinhyougen)は彼が晩年に「自身の持てる写真の技術や思いを写真を愛する万人に無償で提供したい」という願いから立ち上げたものです。NTTコミュニケーションズの仕事、富士フィルムの新製品のテストパイロットを務めるなど第一線の実力を持ちながらも、地元を愛し、写真とそれに関わる人々を愛した彼の最後の挑戦でした。このサイトにおそらく完成はなく、彼がもし生きていれば少しづつ書き加えられより完成に近いものとなったことでしょう。

このサイトが立ち上がるより前、あの東北での大震災ののち2年目くらいであったでしょうか?彼から不意に電話をもらいました。

「山本君、今東北を見に行かないか?君と僕のような華奢な腕をしたアーティスト肌の輩(やから)は災害が起こったからといって闇雲に出かけてもかえって邪魔になるだけだ(注: 個人の見解です)。僕がネットワークを駆使して色々尋ねてみたら(彼はスマホやツイッターなど当時は使っていなかったと思うので、どうやったんだろう?) どうやら今がいいようだ。瓦礫が一日も早く撤去されるのは僕も切に願うばかりだが、あの土地で暮していたはずの人々の営みを、今ならあるがままに記憶の記録として残しておけるはずだ。いこうよ。」

当初気の弱い私は正直気が乗らなかったのですが、この「記憶の記録」という言葉にやられて思い切って乗ってみました。それは私が千葉県八千代市でのアクティビティを始めたFBやインスタや、Noteがなかった頃、動機となったライブドキュメント(人々の日々のくらしの記録)そのものだったからです。

一台のワゴン車に機材を積み車中泊。仙台は石巻から始まり、女川、気仙沼、大船渡、釜石、大槌、吉里吉里、宮古、田老、久慈のあたりまで次々と北を目指す強行軍。運転は全て彼でした。頭の中にスケジュールが全て詰まっていて、車を降りるとすぐにグイグイ速足で現場に入っていきました。

私は追いつくのに必死で前が見えない程うずたかく積まれた瓦礫の中をスルスル潜り抜けて前へ進むマサさんを見失わぬよう必死に後をついていきました。彼が撮影したポイントを目で覚えて、彼が外したらその場所へ駆け寄りガラケーのシャッターを切っていきました。

突然「わあああ」とマサさんの声がして、その姿が下の方にすっと消えました。私が慌てて「マサさん!」と思わず大声を出して駆け寄ると、さほど高くない瓦礫の崖の下でまるで子供のように、それでいてずるそうな山猫のようにニヤニヤしてるマサさんがいました。やられた、と思いました。

さて、せんだってご自宅にお邪魔し、喪主の奥様と位牌の前で彼の写真を見ながらそんな話をしていました。あまりの突然の死にお疲れのはずの彼女はすっと背筋を伸ばして私に言いました。

「山本君さぁ、私ね、マサはまだきっとどこかそこらへんにいるような気がするんだよね。ニヤっとひょっこり現れそうな...」
「 ... そうですね。はい、僕もなんだか不思議とそんな気がします。」

記憶の記録ムービー 

第一部:https://drive.google.com/file/d/1xJ5ayWK-_T19QmprokPPs0ZAUdZCGAWx/view?usp=sharing

第二部:https://drive.google.com/file/d/1m0vQOJI8H1xeH66rqJkX1G3oDZbFrXPQ/view?usp=sharing

第三部:https://drive.google.com/file/d/1tc_C9DZvo7wdDxDuMJDE10xrALVa3t9M/view?usp=sharing


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