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[旅行記] 台湾でたべたもの1 肉粽

台湾では粽(ちまき)が割りとポピュラーと聞いていた。いわゆる中華粽で、甘くはない食べ物。そして、主に北と南でスタイルが違う、ということも。今回、台南に足を運ぶ予定だったので、せっかくなのでこういった地域で異なるものを食べ比べてみよう、と。

まずはじめに台北で食べたのは、王記府城肉粽

チェーン店らしく台北市内にいくつか店舗があった。
チェーン店ということは割とポピュラーでスタンダードな味だと踏んで、まずはここの味を軸にしてみようかと。

サイズは普通のおにぎりと同じサイズかもう少し大きい。ただ、三角錐の形をしているのでおにぎりよりはボリュームがある。2個分弱くらいはあるだろうか。

出てきた瞬間に香る八角フレーバー。自分は問題ないのだけれど、人を選ぶくらい結構強めに香ってくる。もち米っぽいのだが、割とポロポロとした米の中に、大きめの肉に椎茸、栗も入っている。まわりには甘じょっぱい餡がかけられているけれど、甘すぎずしょっぱすぎず。ちょうど良い塩梅。日本だともっと醤油味っぽくなりそう。

ごはんとおやつの中間、という感じがする。でも、間違いなく主食になる味とボリューム。美味しい。結構気に入った。


次は南の高雄にて。肉粽秦 Tai というこじんまりとしたお店。

大きさは同じくらいだが、なるほど確かに違ったスタイル。粽そのものはそこまでは変わらないのだけれど、タレの味と、ピーナッツ粉がたっぷりと振りかけられたところが北との違いらしい。

食べてみると、米が北のようにポロポロではなくモチモチした感じ。これは明らかにもち米な食感。あとは、これは店によるのかもしれないけれども八角の香りはほとんどしない。タレは甘じょっぱいのは同じなのだがかなり味は控えめ。割と素朴な味に感じた。これまた美味しい。


もうひとつ、台南で人気があるらしい再發號百年肉粽にも行ってみた。粽にも幾つか種類があるのだが、ここは一番高い 特製八宝肉粽 をオーダー。なんと他の店の3倍以上もの値段。

運ばれてきた皿を見てまず驚いた。とんでもなく大きい! これまでの粽よりも2まわりくらい大きい。

試しに10円玉と並べてみた

どちらかというと北のスタイルのようにも思えるが、昔からこうらしい。北で食べたものと同じように八角が香る。米はかなりもっちりしていてしっかりとした食事になっている。具材は椎茸や栗、豚肉といったスタンダードな ものに加えて、八宝というだけあって他にも5種類入っていた。が、ここでは詳細は明かさないことにする。何が入っているのか、それを確かめてみるのもこの粽の楽しみのひとつだと思うので。いろいろな具材をどう食べていくのか、考えるのが楽しい。

タレの甘じょっぱさといい、ピーナッツ粉がかかっていないところといい、台南にあれどやはり北のものっぽい印象だった。まちがいなく1個で十分な食べごたえには確かな満足。南部でよく食べられているサバヒーという魚のスープがあるので、この組み合わせが味の組み合わせとしてもベストマッチだった。

虱目魚(サバヒー)のスープはクセの少ないスッキリした味

とりあえずこうやって食べ比べてみて。北と南という違いもあるけれど、やはり店それぞれで味付けが違っていて、どこが好みなのかが人それぞれなんだろうな、と。似ているけれども食べてみると結構違う。台湾では個人店がかなり多くあるので、たくさんの個性が残っている。もっといろいろな店で粽を食べてみたくなった。

また北と南に限らずなのだけど、個人的にはタレは別皿にしてほしかった。食べ進めて崩していくと、どうしてもタレにどっぷり使ってしまって、そこまで濃くないとはいえちょっと強すぎる味になってしまったり。あと、タレが無い方がどっしりとした食べごたえを堪能できるので、自分で適量を付けて食べられるようにしてくれると良いなあ、と。でも、皿が増える=洗い物が増えるので難しそうではある。

日本だとちまきといえば5月に食べる甘いお菓子、といった印象しかなくて、中華粽とどうしてこんなに変わっていったのか、不思議だ。だけど、こうして食べてみると惣菜らしい中華粽は自分にとってかなり好物なんだと気づいた。

基本的に米が主食で、うどんなどの小麦よりも米が好きな自分としては、麺類などよりはこちらの方が好みなのかな、と自己分析。

自分で作るのは難しいので買ってくるばかりになってしまうのが残念だけれど、中華料理の店に行ったときには探してみよう。

粽をくるむ笹の葉はしっかり手入れされていた


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