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ニンジャの話 その24 秋田de美人

新しいクリニックの名前はAdeB(アーデベー)となりました。「秋田に来て美人になってもらおう」というコンセプトから生まれました。秋田美人ではなく秋田“で“美人だからAkita de Bijinなのです。これを省略してAdeBとなりました。ここには人口減に悩む秋田に来てもらいたいという観光の理念が含まれています。自分たちでできる課題解決への提案をブランドで表現をしたのでした。

クリニックのデザインは広島のマツダスタジアムや東京辰巳国際スイミングアリーナを作られた建築家の仙田満先生にお願いをしました。秋田から東京の事務所まで出て行って直接お会いし、社長である奥様とも面談を経てご理解をいただき実現することができました。秋田杉をふんだんに使った美しいデザインでクリニックの中央にコクーン(繭)をイメージした部屋が用意されています。この繭の中で美しく生まれ変わることをイメージしています。また繭の上は子供たちが遊べるジム件図書室になっており施術を受けている間まてている子供たちの遊び場にもなっていました。

建築家と一緒にアイデアを形にする作業はとても面白く、建築未経験の私にとって新鮮な勉強になりした。そのあと東京駅前に作った関係案内所Travel Hub MixやThe Ninja Mansionでも役に立ちました。建設のスケジュールの調整も大変でしたが作業は楽しく瞬く間に時間がすぎました。プロジェクトの開始から8ヶ月。コンセプト、場所探し、市との交渉、資金調達、建築家との契約、施工業者との契約などてんこ盛りを駆け抜けて「美子スキンクリニック」は「AdeBクリニック」となり2015年の2月が終わろうとしていた頃引き渡しを受けました。

このプロジェクトを通じて私にも大きな変化がありました。観光って面白いなと思うようになっていました。アイデアをわかりやすいサービスや施設という形にし、理解していただいて初めて人は動きます。旅行は物理的に動くことですが、物理的に動くその前にその人の心を動かさなければいけません。美容皮膚クリニックは美しくなるというプロセス、テーマをどのようにしてコンテンツとして変化させて人に来院する動機を与えるということにおいて観光と同根であると理解しました。観光とはコンテンツになんだなと腹落ちしたのです。そして観光は人を動かすという意味でとても汎用なビジネスで懐が深く、柔軟だなと感じたのでした。

人口減に苦しむ秋田は、将来人口減に直面する日本の未来の姿です。秋田に人がいなくても外から人が来てくれれば地域は潤います。同じように日本に多くの外国人が来れば日本は人口減の局面でも潤うはずです。

国道にパラソル持って立つおばあさんがコンテンツの「ババヘラ」、秋田美人のコンセプトを美容皮膚科クリニックというコンテンツに昇華させた美容皮膚科クリニック。いずれも私の感じていた「長くなった人生をどうする?」と「少子化、高齢化、人口減をどうする」という課題に明かりを灯してくれたのでした。

楽しく創っていたクリニックの完成も間近に迫っていた頃、再びロンから連絡が入ります。「ヒロ、BookingのGMまだ決まってないんだ。一度インタビュー受けてみないか?」

続きます

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