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可愛い子には旅をさせる話 その2

私の旅の原体験の話の続きです。もし昨日のエントリーをお読みでなければこちらからお読みください!

机上旅行クラブで脳内旅行トレーニングを積んでいた小学生の私。両親に連れられて家族旅行することはあっても流石に一人で旅することはありません。机上旅行では自分の行きたいところに自分のテーマで、自分の決めたルートで、自分の決めた時間で旅行できるのですから家族で行く団体旅行にはさほど興奮はしていませんでした。いつか本当に一人で旅行してみたいなぁと憧れる日々でした。

話は変わります。私の父も母も四国徳島県の出身です。お見合いで結婚しそれぞれの実家は20キロと離れていません。当時私たち家族は父の仕事で名古屋に住んでいましたが私の父は大学の教員でしたので春、夏、冬休みともたっぷりあったこともあり長期の休みの場合はほぼ休みの全期間を里帰りに使っていました。そのため物心ついた時から休みは徳島に行くことが当たり前になっていました。

この実家べったり家族にわたしが小学三年生の時、大きな変化が起きます。名古屋の近くに香嵐渓という紅葉の名所があります。そこから遠くない山奥に古民家を買ったのです。今はこの古民家The Ninja Mansionという宿泊施設というか結婚式場というか多目的施設になっているのですが当時は屋根も床も抜けているボロボロの廃屋でした。両親はこの廃屋をDIYでリノベして別荘にするという壮大な計画を立てたのです。このリノベプロジェクトで最も影響を受けたのは私たち子供のQOL (Quality of Life)でした。

今まで長期の休みになるとほぼ例外なく両親の実家に戻り優しく迎えてくれる親戚から接待されるお客様だった私。両親がこの廃屋を買ったことによりお客様から強制収容所の捕虜となりました。屋根を直し、床を張り、外構を整える作業の楽しさはこの歳になった今でこそ理解できますが当時の私にとって苦痛でしかありません。廃屋に向かう車の中で憂鬱になったものです。最悪だったのは長期の休みだけでなく週末と休日もこの活動に充てられたことでした。休みになると徴用され作業着を着用し土木作業に従事する小学生の誕生でした。今でも一輪車(ネコ)を見るとあの頃の記憶がトラウマとして蘇ります😁

本当にこの作業がしんどくて嫌だったのですが小学生の子供に選択権はありません。当然のようにリノベプロジェクトは進み、休みごとの土木作業に慣れ始めてきた3年後の冬休み。なんと私は一人旅行のお誘いを受けることになるのです。

明日に続く。

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