見出し画像

鎌倉の小さな文房具屋~2023年12月に読んだ本から

読んだ本を忘れないため、毎月、読んだ本の中から 印象に残った本 を 記事にしている。12月は1冊。(少ないなあ)


1 ツバキ文具店 小川糸

祖母が亡くなり、鎌倉にある文房具屋と代書屋を継ぐことになった鳩子。
代書屋とは、依頼主に代わって手紙を書く仕事。
離婚の報告、絶縁状、借金の断りと、その内容は多岐にわたる。

TVドラマを見て ずっと読みたかった本。なかなかその機会がなかったが、最近3冊目(「椿ノ恋文」)が出たと知り、やっと借りてきた。

小川糸さんの作品らしく、静かで 落ち着いていて そして芯が通っているという印象。

代書屋の鳩子。
文章を熟考するのはもちろんだが、その手紙の内容によって、使用する紙・筆記具、封筒、そして切手にいたるまで吟味するところが心に残る。
たとえば、筆記具は万年筆、ガラスペン、筆、ボールペン、羽ペンなど
字の色も、灰色、セピア色、漆黒と様々。

作成した手紙が、写真で載っている。これがまた素敵。
「やっぱり、字が上手っていいなあ。」なんてことも思ってしまう。

ドラマでは、「厳しかった祖母と鳩子との確執」に かなり重きをおいていた印象。でも原作ではドラマほど強い印象は持たなかった。
それよりも、鎌倉の四季の移り変わり、ご近所さんとのおだやかなふれあいなどが心地よい一冊だった。
 

1月1日、年賀状が届いた。
退職して6年もたつと、年賀状を出す相手は増えず、減っていく一方。多いときの3分の1くらいとなった。ここ数年「年賀状じまい」が届くことも多くなった。

来年から葉書の値段も上がるというニュースを聞き、私も もう年賀状出すのをやめようかという思いがわきあがる。

でも、「ツバキ文具店」を読んで、やっぱり手紙っていいなあと思い直す。数も減って、手間もかなり少なくなったのだから、もうちょっと続けてみようと思う。
 

読んでいただき ありがとうございました。