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「少年十字軍」皆川博子さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)

いやー、また2013年出版、
83才の作!

やっぱ、ちょっと、
美少年とか好きね。

エティエンヌという、
ヒーラーの少年と仲間たちが
エルサレムを目指す。

主人公「私」。
で、記憶喪失の30半ば~40才の男。
ガブリエルと名づけられて
いるけど、時々、青い蝶の悪魔、
サルガタナスを見かけるが、
実は、それは、過去の自分自身だと
気が付く。

少年時代、十字軍に駆り出され、
戻ってみると、父は亡く、
おじと母がデキていて、
おじに牢獄に入れられる。
 
鍵が開いているチャンスに
おじと母を殺し、素っ裸のまま飛び出して
記憶を失う。
 
最後、行き場を失った少年たちに、
自分はかつて、領主だったから
城に来い、と。
 
神を否定しつつ、認めている
ストーリー。

エティエンヌは、単に
心やさしいヒーラーで、
パタリロの「FLY ME TO THE MOON」
みたいに自分の命を削って、
人々に与えているだけで、
本人も、それを自覚していた。
 
読みやすい冒険モノで、
皆川さんは40年以上前に、
子供劇団用に作っていたらしい。

素晴らしい!!



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