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手紙 第三話「遺言書」(仮想現実)

先日、また遺言書を
書き直しました。

遺言書なんて、と
思われるかも知れませんが、
この年になると当然のこと、
あとで残った人たちが
困らなようにしておくのが
終活の最も大切なことです。

実際、私の父も、
遺言書らしきものがないまま
亡くなってしまい、
当時は大混乱しましたよ。

まぁ、異母末娘の私になんて
なにも回ってきませんでしたが、
それはそれで昔の話。

兄弟姉妹は、私より
年上ばかりだったので、
もうおりません。

その子供や孫にも、
お恥ずかしながら殆ど
面識がありません。

そこで、わずかな自分の遺産を
誰に託そうかと悩んだものです。

最初は人生を冒険して
生活に困っている若い友人一人に
譲ろうと思いました。

でも、わずかとはいえ、
全部を受け取る彼女も
気が重いことでしょう。

なので、自分の力でがんばっている
数人の女友達に残すことにしました。

人生の半分ほど生きているのに、
未だ、独身で、一人暮らしで、
そして自分の面倒は自分で
見切ると覚悟している人たちへの
ささやかなプレセントに
なればと思います。

南ばあさんは人を
あてにしているような女性は
嫌いなのです。

自分の力で人生をやり遂げよう
としている人を応援したいのです。

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