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「夏への扉」ロバート・A・ハインライン氏(読書感想文)(*ネタばれ注意)

なんか、最近、映画化されると
聞いて、驚いた。
(邦題:夏への扉ーキミのいる未来へー)
映画観てないけど ^-^;

私がこれを読んだのは、
20年以上前。
その時の感想文。

*********
文句なしに、納得し、
感動した!
私の大好きな時間差攻撃も
バッチリ!!

主人公のダンが冷凍睡眠
(コールドスリープ)を
決心し、やっぱり止め、でも
無理に眠らされ、30年たって
目覚めると、西暦2000年。
途中で断念するハメになった、
彼の発明品の特許は全部、
彼の名前で登録されている。

文化女中器(ハイヤード・ガール)、
万能(フレキシブル)フランク等々、
ネーミングがかわいい。

ダンは、もう一度、タイムワープして
30年前(1970年)に戻り、
30年後に見てきた通りになるように
物事を整え、そして、また
コールドスリープで、2000年に戻る。

そこで起こるタイムパラドックスが、
また、面白い。
ハインラインの運命論がとても
前向きだ。

ダンは、リッキィという少女と
結婚したいと思っていたばかりか、
しなければおかしいとさえ思っていて、
タイムワープの中で、紆余曲折だらけ
だったけど、実現する。
(30年前、大人のダンに対して、
10才の少女だったリッキィが、
コールドスリープの影響で、
年の差が縮まって、ダンが20代後半、
リッキィが21才になっている)

また、いろんな混乱の中で、
「ゴチャゴチャ言っても仕方がない、
自分の取れた道は、これなんだし、
他の可能性は、他の自分に任せとけ」
みたいなところが、よい。

ある信念を以ってひとつのことを
貫き、それでも及ばなかったことや
理解できなかったことからは、
潔く手を引く。
強い意志と深い思慮と、尽きる事のない
努力、そして、満足を知る心と
後悔しない力。
素晴らしいと思った。

そして、もうひとつ。
SFにおける、猫のピートの描写の
温かさが人間味をかき立てている。

もう一度読んで、細かい図を作って
みたくなるような緻密さと
ストーリー性と温かさを持った物語だった。

*写真はピートではなく、
 うちの猫、ファルです。

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