「キッドナップ・ツアー」角田光代さん(読書感想文)(*ネタばれ注意)
めちゃおもしろかった。
読みやすいのに、深くて、
娘の父へ対する愛情が、
(怒りや哀れみも)
とてもうまく伝わってきた。
主人公ハルが、
実のお父さんに誘拐される。
ハルは、母親とその妹二人、
おばあちゃん、と女系家族の中で
楽しく?暮らしていたはずが
まぬけで素っ頓狂なお父さんと
誘拐の旅を通して、
今まで自分になかった面を
見つけていく。
お父さんのマヌケっぷりと、
それをアホかと思いながら
同情していまう娘の心理、
とてもよくわかる。
結局、お父さんの、
「お母さんとの取引」は
わからないまま成立して、
母の元に帰るハル。
帰りたくないって思っているハル。
角田さんの心理描写、
ピカイチ。
くどくない。
ぐっと刺さる。
すばらしい1967年
(ナナロクじゃないや、ロクナナ?)
生まれ。あっぱれ。
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