「痩せゆく男」スティーブン・キング氏（読書感想文）（＊ネタばれ注意）

スティーブン・キングは
毎度のことながら、
呪いをかける方の言い分も
かけられる方の言い分も納得。

主人公・ハリックは良しとしよう。
許せないのは、妻のハディ。
自分の罪から逃れようとして
心底、人間悪を感じる。

かわいそうなのが、ジネリ。
ハリックの友人で、一生懸命
ジプシーをやっつけようとしたのに
殺されてしまった。

ハリックは自分の娘リンダの
ことばっかりで、ジネリの死に
ついては、あまりコメントしてない。

で、ジプシーの、タドゥツ・レムキの
気持ちもわかる。
ハリックにひき殺されたの老女が
彼の妻ではなく、娘という点がミソ。

妻ならばともかく、娘のことは
許せない男親の気持ち、よくわかる。

で、呪いを封じこめたアップルパイを
ハイディに食べさせようとしたのに
リンダも食べてしまう。

最後にハリックもやけを起こして
食べておしまい。
三人はどうなったのかな。

訳者は、誰にでも楽しめてしまうのが
玉にキズと書いてたけど、
贅沢なことだわ。