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九九のできなかった私に母がしたこと(エッセイ)

一昔前の小学校は
結構、残酷だった。

九九のできる子の名前を
黒板の右に、
できない子の名前を
黒板の左に書いていた。

左に残っているのは
私ともう一人だけ。

授業参観の時、その黒板を
見た母は、気が狂ったように怒り、
私に九九の計算ツール?を与えると
できるまで夕ご飯を
食べさせてくれなかった。

私は泣く泣く、母と妹が
ご飯を食べている横で
九九を覚えた。

・・・っつーか、
今でも母に言いたい。

なんで、みんなができることを
自分の子供ができないからと言って
あんなに激怒するのか。
お前の子供でしょ?

子供にとって、
親が与えるご飯は、
唯一口にできるものである。
(買い食いなどできる年齢ではない)

それをできるまで与えないとは
どういうことか。
覚えられるものも、
覚えられない。

そして
その頃の母よりずっと年を取って
私は思う。
あんな風に育てるくらいなら
生まないでほしかった。

これを、今よく聞く
アダルト・チルドレンというやつだろうか。

まだ、小学生の自分が
どこかにいて、泣いている。

できないから、母に愛されないの?
人と違うから、ご飯ももらえないの?

社会に出ても、そんなことが
気になり、自己肯定ができない。

一言。

二度と、あの母の子供として
生まれたくない。
友達くらいならいいけどね。




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