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手紙 第六話「娘のこと」(仮想現実)

こんにちは、高木南です。

前回は、娘のことを書きかけて
終わっているみたいですね。

あの子は、少し変わった子で、
霊が見えるだの、と、
神経質なところがあって、
大人まで成長したとき、
ホッとしました。

でも、始まりは、ここから。

夜に見る幽霊は、
朝には消えている希望があるけど、
昼に見る幽霊は、
夜、ますます力を増すように、
大人になった娘は、
ますます強烈に
回りを苦しめるようになっていました。

娘の魂が、違うものに入れ替わったのは
20代前後から。
それから30年近く、おかしな状態が
続き、そして、娘は自死しました。

20年育てた娘が、
その後、30年、違う人間だったのです。

正直、どちらが本当の娘か、
わからなくなっていきました。

母親の心理として、冷たいのは
分かっています。
でも、本当に、別人なのです。

30年、その別人に乗っ取られた
娘の本当の魂はどこへ
行ったのでしょうか。

どうすればよかったのか、
今でもわかりません。

でも、現実はそんなものかもしれませんね。


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