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ACL(前十字靭帯)損傷のリハビリプロトコル

こんにちは!!ひろむたです。前回は足関節捻挫についての資料を共有させて頂きましたが、今回はACL(前十字靭帯)損傷のリハビリプロトコルのご紹介をさせて頂きます。

ACL(前十字靭帯)損傷とは?

まずACL損傷とは何かというご紹介をさせて頂きます。
ACL(前十字靭帯)は膝の靭帯の一つで、膝の安定性に関わるとても重要な靭帯の一つです。ACLがない場合どうなるかというと、大腿骨に対して脛骨が脱臼(脛骨が前方に出る)現象が発生します。

ACLが損傷しているまま生活やスポーツを続けていると、常に膝崩れ(膝が抜ける・ガクガクする)現象が起こるだけでなく、関節軟骨・半月板といった組織に傷をつけてしまうため、将来的には歩けないもしくは人工関節となってしまいます。

またACLには血流が少ないため、損傷した靭帯が自然に修復することは殆どありません。

今回はあくまでも「リハビリプロトコル 」の共有ですので、詳しい傷害の説明はこの程度にさせて頂きます。

傷害についての詳しい内容は、以下の参考(順天堂医院のホームページ)やGoogle検索で探してもらえればと思います。

順天堂医院 膝前十字靭帯損傷 整形外科

リハビリプロトコルとは?

さて今回のお題でもあるACL損傷のリハビリプロトコルの前に、まず「リハビリプロトコルとは何ぞや?」という方にこちらも簡単なご説明をさせてもらいます。

リハビリプロトコルとは、傷害の全治を踏まえて、患部状態を考慮し段階的に運動強度を高め日常生活あるいはスポーツへ復帰するための基礎となる手段をまとめたもの、いわゆる日常生活やスポーツ復帰のための「道すじ」といったものです。

今回掲載するリハビリプロトコルはスポーツ選手を基本に作成したものになりますが、日常生活への復帰が目標であれば全てのプログラムを実施することはありません。

しかしスポーツ選手においては、各競技の運動レベルに応じて必要な運動強度まで段階的にリハビリを行っていく必要があります。

そのリハビリを患部治癒の経過や日頃の評価を元に安全に実施していく上でこの「リハビリプロトコル」がとても重要となります。

リハビリプロトコルの概要

リハビリは大きく3つの期に分けられます。以下に例を示し、簡単な説明を付け加えていきます。

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(※表はあくまでも一例ですので、実際のACLリハビリプロトコルの内容とは異なります。)

①保護期(週の赤文字の部分)
この時期は怪我をした患部の治療、または患部外のリハビリがメインとなります。この期では、患部の安静・組織修復がメインとなるため患部への負荷を欠けてはいけません。行うとしても患部の可動域回復までとイメージしてください。

②訓練前期(週の黄色の部分)
この期から少しずつ患部への負荷をかけていく段階に入ります。患部への負荷が高まるため、リスク管理のためにドクターとの連携や日々の評価でリハビリメニューを変更する必要があります。
競技動作に近い運動を行えない時期のため、選手によってはこの時期が辛すぎて、よく泣き言をいう人が多い時期でもあります。

③訓練後期(週の緑の部分)
この時期は競技復帰に向けた動作などを徐々に開始する時期です。例えばスキル練習などが含まれます。この期では競技練習に近い動作も増えてくるため、選手によってはやり過ぎる傾向になりがちで、怪我の再発も多い時期です。

④復帰期(週の青の部分)
復帰期は競技練習に部分合流し、最終的には競技の試合に出場する段階のことです。ここでは患部状態を確認しつつ、段階的に競技練習のレベルをどんどん増やしていきます。この期を問題なくクリアすれば、リハビリ卒業となります。

ACLリハビリプロトコルフォーマットのご紹介

前置きが長くなりましたが、今回作成しました ACLリハビリフォーマットのご紹介です。
内容としては球技系と格闘技系で分けましたが、基本的な中身は同じです。

ただどんな動作・動きを「いつから」始めるかを明確にしています。

もちろんACLのリハビリは病院の主治医の指示に従って頂き、このフォーマットを参考に段階的に安全なスポーツ復帰を目指してもらえればと思います。

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