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『哲学を知ったら、生きやすくなった』小川仁志 ➀ 「保留する力」「孤独」

今まで、本一冊を最後まで読み切ったのは
小学校3年生の時に学校の図書館で借りた『イワンのばか』のみ

そんな私が
最近の隠遁生活で読んだ本

他人は生きていくうえで
どんな考えやことばを支えにしているのか
深く知りたいけれど難しい「哲学」
そんなとき
図書館で出合った。


著者は、
Eテレ『ロッチと子羊』に出演されていた山口大学の小川仁志教授。
番組では、寄せられた悩みに対して
小川氏が有名哲学者の考えをもとに
解決策を探っていくというもの。

時代は違っても、人は同じようなことに悩み
その都度、心を立て直す考え方を探ってきた。

小川氏は
難しい哲学を、平易な言葉で、より身近な例に置き換えて解説してくれる。

以下は、現時点の私にとって、響いたことば
解説は、小川氏のことばである。


物事が複雑な状況にあるときは、拙速に答えを出す必要はない。
あえて判断を保留するほうが、人生の可能性が開ける。
     
保留にする能力=「ネガティブ(消極的)ケイパビリティ(受容力)」

キーツ

これは、不確実さや未解決状態のなかにとどまるチカラ
判断を保留する能力のこと
特に、将来などの長期的な物事を考えるときに最も重要になる。
結果を急いでしまう人は、
答えを出すのを強制的にストップして、英気を養う”ひと休み”と考える
水道栓をいったん締めるような「スタンバイ」の時期
可能性を楽しむこと
不確実のまま保留にしたということは、
まだ何者にもなれる可能性があるということ。
そんな自分にワクワクすることで、ネガティブな気持ちも払拭できる。
悩んでも答えが出ない今は、英気を養うスタンバイの時期。
自然に体が動き出すまで、キャリアを保留しよう。
今は「何者にもなれる自分」の可能性を楽しもう。

<せっかちな私は、判断さえも急ぐ。保留が可能性を生み出すという考え方に、気持ちが楽になった>

孤独を愛することは、自由を愛すること。むしろ、自分と向き合うことで、人生はますます楽しくなる。

ショーペンハウアー

孤独を愛していないものは、自由をも愛していない。
精神の豊かな人は、ひとりだけで小世界を作り上げている。
”いい意味での孤独”とは自分と向き合うこと。
それにより、自分は何を考えているのか、何を得たのか、
何をしたいのかが見えてくる。
その結果、
精神が自由で豊かになり、自分の価値が上がっていく。

自分と向き合ってつらくなるのは
「私ってなんだろう?」と自分探しをしているから。
最もいい方法は、自分の心や体が喜ぶことを通して
自分と向き合うこと。

ひとりで映画を見るとき
私たちは映画を通して、自分の内面から出てくる感情や感覚を味わっている
ソロキャンプも
焚火をして星空を独占しながら、自分と対話して向き合っている

「孤独」ではなく「孤得」「個得」である



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