自治体✖︎NFTを考える。地方創生にもNFTを活用!人口800人の限界集落が錦鯉のアートを販売
現在、電力業界において、トークン事業を検討しているのですが、自治体を絡めての事業を検討しています。というのが、私が所属している企業は発電所を建設することも行うので、その際には発電所を建設する自治体の地域に少なからず環境負荷をかけることになるわけです。従って、我々の事業は地域の環境負荷の上に成り立っているものであり、何かしらの還元をその地域、自治体に行って行く必要があるからです。
自治体からも還元を求められることが多いものです。
その”還元”の形で一番わかりやすいものは、発電所の収益に対する税金がその自治体に落ちることですが、現在検討しているのはそれだけではなく、地域にある発電所を中心に、地元に経済的、環境的に還元できるような仕組みをブロックチェーン技術を使って実現したいと考えています。
トークンの法的な分類は色々とありますが、超えるべきハードルを鑑みるといきなり暗号資産を発行するのは現実的ではないのかなと感じています。なので、ハードルが比較的低いポイントから始めて、トークンの取り扱いのノウハウを貯めつつ、将来的には暗号資産を発行も視野に入れる形を考えています。
一方で、最近流行しているNFTについては、現状規制の対象から外れていて、直近から取り組むハードルが低そうだ、ということがわかってきたので、ポイント事業に加えて、何かしらNFTも絡めたいなと考えています。
NFTと自治体の掛け合わせで先行事例が何かないかと調査してみると、面白い事例がありました。
山古志村という自治体が、特産品である錦鯉をNFTアートとして、販売する、さらにそのNFTは電子住民票も兼ねているということでした。
山古志村というのは聞いたことはありましたが、村という規模でNFTを発行、販売に至っていたということに衝撃を受けました。
また、電子住民票の役割も担っており、エストニアの電子国民プログラムのイメージに近いものということです。
ここで注目したのが、人口の減りゆく日本市場ではなく、世界に目を向けているという点でした。
NFTの購入ページに行くと、Metamaskを接続できるようになっており、接続するとOpenseaのサイトに飛び、そこでNFTを購入できるようになっていました。つまり、Openseaというグローバル市場に向けて錦鯉NFTを売り出しているということです。
上で書いてあるとおり、日本国内のみをターゲットにするとふるさと納税のように小さいパイの奪い合いになってしまうので、グローバルに目を向けるというのは今後の地方創生の鍵になるのではないかと思いました。
今後こういった取り組みは今回の事例を起点に増えていきそうですが、そこで大事になりそうなのが、何をNFTにするか、(ストーリー作り含め)どのようにNFTを販売していくか、という点になるのかと思います。
ストーリーで言うと今回の事例はおそらく日本で初と思いますので、それだけで注目されると言う側面もありますが、後続のプロジェクトではより何をNFTにしてその背景にどういったストーリーがあるか、と言う点がよりみられるのではと思います。
どのようにという点に関しては、PRもそうですし、海外に売って行くとなるとOpenSea等のプラットフォームを活用して行く形になると思うので、NFTを発行する際は、LINEブロックチェーン等の日本国内の独自チェーンでしか発行できないようなものではなく、EthereumやPolygonで発行するという選択肢になって行くかと思います。
もちろん、まずはやってみるという観点から国内での知名度抜群であるLINEブロックチェーンから始めてみるというのは一つの手かとは思います。
ウォレットを作成して、それを自分で管理するというのは一般ユーザーからするとハードルとなるので、LINEブロックチェーンはウォレットの管理を行う必要がないようなので、ユーザー目線でも優しいのかなと思います。
いずれにしても、今回のような取り組みはどの自治体も課題となっている資金調達に直接的につながる話であるので、興味を持ってもらえそうなテーマかと思いますので、引き続きウォッチしていきたいと思います。
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