マネージャーが必死にワイヤー書いてたら給料泥棒だと自覚した
色々自覚したおかげで、1ヶ月目は平和に過ごせるようになりました。
過去、悪い意味でのプレイングマネージャーをやっていて、カレンダーはびっしりでお昼も食べられず、そのくせバカみたいに1on1を維持して体を壊しかけるようなことをやりがちでした。今の会社でも1週目はソレをやってしまって、かつ案件も炎上していたので死ぬかと思ったのを思い出します。(詳しくは下記記事参照)
そんなことがあって早1年、4月から開発&CSの兼務でマネージャー職をやることになりました。もちろん、今までのやり方ではまた死んでしまうのため、まずは「今期はプレイヤーやらない」と宣言しました。
そもそも今回、個人的にこれまでと比較して大きな違いがありました。それは、アプリ開発やCSなど、実際に自分がプレイヤーになったことがない領域がそれなりにあったことです。さらにハードウェアエンジニアとの連携もどかっと乗ってくるので、プレイヤーやりたかろうが到底無理。
単純にプレイヤー純減なのでじゃあどうするのかとなった時、今後複数ラインでサービスを作っていく上でも人を増やしたり育成したりする仕組みにコミットするのが一番効率が良さそうに思ったので、手始めにその辺りを始めました。自分が死んでも回る組織をどうするか。
人を増やすと言えば採用活動。集客ノウハウが注目されがちですが、実際採用プロセスにも結構課題が埋もれていました。一般的に面接から内定までの時間は内定者へ熱意を伝える意味でも短ければ短いほどいいと思っていますが、振り返ってみると「提示給与」あたりがいつも詰まっていました。
大きめの会社の場合、社員のスキルに対してグレードが割り振られていて、そこからおおよその給与レンジが当てはめられることが多いと思います。しかし内製組織ができて1年ちょいの社内にはその辺りの仕組みが特になく、結果的に毎回給与議論が長引きがちでした。かつ、取り交わされる「シニア」「ジュニア」の定義も曖昧。
給与は前職準拠で決めると言う人もいるかもしれませんが、社内にいる優秀なシニア層より現職給与の高い新しく入ってくるジュニア層の方が給与が高くなるような逆転現象が起こるためイマイチです。採用だけでなく既存社員の育成・モチベーションにも影響してきます。
そんなわけで、過去所属した会社の記憶や知人のエンジニア、デザイナーなどのスキルを思い出しつつ、手始めに既存社員のスキルと今必要なスキルをマッピングして、簡単なグレードを作ることになりました。これがあると、採用エージェントとの会話もよりクリアになるはず。
給与の決め方を考えているつもりが、メンバーに目指して欲しいスキルセットとか育成プランに繋がっていく。考えてみれば何ができるひとが必要なのかが言語化できていなければ当然採用できないはずが、今まで何となくうまくいってしまっていたため課題として認識されていなかったのです。(むしろそういうフェーズになってきたのか、という楽しさはあります。)
こんなことをやりつつメンバーの後方支援と引き継ぎを受けていたら1ヶ月あっという間に過ぎたので、プレイヤーとして何かをやっている余裕は当然ありませんでした。ほんのちょっとlambda向けのjsを書いたくらい。
この状況、メンバーにとってはいわゆる「あのマネージャー何もしないしいる意味あるの???」状態だったのかなと思います。
あと、マネージャーが「こいつプレイヤーとして全然動けないし格下だな(意訳)」と思われると、現場のリーダー陣が「俺がなんとかしないと」という雰囲気になり、自立した動きが増えてきたことも面白く思えました。でも自分がその領域ができるわけではないので、もちろん自分にプライドもない。なので変に専門領域に突っ込みを入れていくことはせず、あくまで目的・目標に沿っているかの話だけしていました。
結果的に、プロジェクトに入れ込んでいるプレイヤーと、ちょっと引いて冷静に相談に乗れるマネージャーという関係ができたように思います。目の前の木を切り倒している人と、足場が不安定なのを指摘できる人が組んでいるのは強い関係性を生み出せます。
実際、マネージャーがプレイヤーとして深入りしすぎ&多忙すぎてつかまらないボトルネックになっている方が問題です。本人はよかれと思って関わっているけれど、全体の生産性という意味では1ですらないですし、仕組みの改善もなく短期消耗戦にしかならないのは、チームとして長期的な成長も望めません。
自分がこれをやって成果出す、と言うフェーズから、やるのは自分でも誰でもいいから制約条件を外して結果的に全体として成果出すと言うフェーズに変わったのがこの1ヶ月だったと思います。
内製チームのキャパがなければ自分を投入するのではなく外部パートナーとの連携を模索する、工数に対するリソースがアンバランスなら問題提起して是正しにいく、頑張りすぎてる人がいたら維持しうるバランスに調整する。自分がプレイヤーとして入り込みすぎると見えない部分です。そもそも入れないですし。
個人個人が優秀でも、それを活かす仕組みや場がないと結果的に成果にレバレッジはかからないもの。それは採用育成でもいいし、事例の横展開や適正アサインでもいいです。
マネージャーが「俺が俺が」と必死にワイヤー書いてる暇があるなら、組織が小さいうちに再現性の組織の仕組みPDCAをやっていた方がいい投資だと思います。でないと、自分のスキル・目線がトップラインの組織になってしまいますし、それはショボいですからね。会社としてもおそらくそこに給料は支払ってません。
3ヶ月目にこのことを自分でどう評価しているのか楽しみですが、とりあえず業務メモとして残しました。
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