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【Vividirでやってみた Vol.3】KARTEの事業成長をシミュレート

こんにちは、プロフィナンスの井上です。
もう10月も終わりですね。2023年の目標に体脂肪率15%を掲げましたが、現状18%です。
もう少しのような、程遠いような気がしています。

あれ、そういえば1月時点で18%だったっけな。
全く改善しとらんやないかい。
残りの2ヶ月で追い込んで参ります。


今回のシミュレート

さて第3回となりました事業シミュレートですが、今回は株式会社プレイドの「KARTE」を取り上げます。

IT業界で働く人に「BtoB SaaSといえば?」と尋ねると5本の指に入ってくるサービス、企業様ですが、今回はIRに記載されている情報を元に事業構造の仮説を立て、今後の成長予想を行います。

僕自身も利用経験のあるプロダクトなので予想が楽しみですが、できるだけ丁寧に事実を基に分析していきたいと思います。

※本記事で紹介する事業予測は、記事公開時点の公開情報をもとに当社プロダクト「Vividirビビディア」を用いて作成しています。事業成長予測に責任を負うものではございません。悪しからずご了承ください。
※なお、本noteは事業シミュレートツール「Vividirビビディア」のプロモーション記事です。

「KARTE」について

KARTEは、ウェブサイトやアプリにおける来訪者の行動や感情をリアルタイムで解析・可視化し、それに基づいて個別の顧客対応を可能にする顧客体験(Customer Experience, CX)プラットフォームです​​。このプラットフォームは、企業が顧客の購入やサービス利用に関連する一連の体験を理解し、それに基づいて接客施策を計画・実行できるよう支援します​。

主な特徴を整理してみると、以下の点が挙げられます:

  1. 感情の理解: KARTEは、ユーザーの感情を把握し、適切なアクションを提供する能力を持っています​​。

  2. リアルタイム分析と可視化: 顧客のサイト訪問状況をリアルタイムで捉え、可視化することができ、これにより熱量の高いタイミングで商品やサービスの提案が可能になります​。

  3. マルチチャネルアプローチ: 複数のチャネルを通じて顧客にアプローチすることが可能であり、外部連携機能を利用してデータを集約することもできます​。

  4. 操作性: KARTEは操作性に優れており、視覚的に顧客行動データを把握できるので、専門的な知識がなくても容易に扱うことができます​。

KARTEは2015年3月にサービスがリリースされ、金融、人材、小売、不動産など多様な業界の企業に導入されているようです。

参照:
dejamブログ: KARTEってどんなツール?主要な機能5つや企業に導入する例を紹介
karte.io: CX(顧客体験)プラットフォーム​
EC Work: KARTEとは?ユーザーの感情を汲み取る人気のWeb接客ツールを紹介
KARTEサポートサイト: KARTEの仕組み | スタートガイド / KARTE基礎知識・仕様 / KARTEとは

「KARTE」の成長シナリオを予測してみよう

サービス紹介もできたので、早速、事業KPIを予想しながら、Vividirに入力していきます。

例の如く、マーケティングファネルの分類と分解→セールスプロセスの分解→企業セグメントによる売上構造の分解→コスト構造の分解という手順で進めていきます。

マーケティングファネルの分類と分解

KARTEのトップページを確認してみると、コンテンツマーケティングに力を入れており、特に事例集が充実していることがわかります

KARTE サービスサイトより
  • 事例

    • 導入業界

    • 導入インタビュー

    • 施策事例

  • セミナー

  • 資料一覧

    • お役立ち資料

    • KARTEプロダクト概要資料

採用ポジションも一応見ておきましょう。
2023/10/16時点で、以下のポジションがオープンのようです。

Marketingから引用

仕事内容を見てみると、イベント集客やセミナー運用、マーケティングオートメーション施策の運用、コンテンツ作成、広告運用などが記載されています。

よって、商談リード獲得のチャネルは
・オンライン広告
・セミナーや展示会などのイベント
・事例やホワイトペーパーを中心としたコンテンツ
・既存リードのナーチャリング
・オーガニック問い合わせ
と整理して良さそうです。

あとは各チャネルからどの程度のリードが獲得できているかが重要なので、ここで販管費や人員数が予測できるデータを探してみます。

2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料より抜粋
2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料より抜粋

人件費と広告宣伝費を合わせて販管費として表示しているようです。
なので、これだけでは予想が難しいですね。

一方で、KARTE単体ではなくプレイド社全体にはなりますが、ビジネス職が175名であるようです。
ただKARTEのプレイド社内の売上比率は約95.5%であるため(2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料を参考)、ビジネス職の多くはKARTE事業に従事していると考えることができそうです。
新規事業でリソース投下をしていることを踏まえて、ここでは約85%の150名がKARTEに在籍していることとしましょう。

ビジネス職はマーケター、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの4組織だと仮定し、150名を1:3:3:3で按分してみます。

僕の経験から、おそらく各部署このぐらいの人数ではないかと予想してみます

セミナーページを見てみると週に1~2件のセミナーが開催されている様子。セミナーあたりの集客数を40名と仮定してファネルを計算してみます。

サイト訪問からの問い合わせに関しては、KARTEサービスサイトのPV数を見てみましょう。

2023/10/17 撮影 52万PV/月

流入数は非常に多く、ここからどのくらいのリード獲得につながっているのでしょうか。
ちなみにSimilar webによると、広告経由の流入は全体の約8%、オーガニック流入は約23%のようです。

流入後のリード獲得チャネルについて、コンテンツは事例集掲載などが多く非常にリッチであるため、ここからの新規リード獲得が最も多いと予想されます。

Web施策はセミナーやコンテンツによるリード獲得率を支援する動きをしていると予想されるので、直接的なリード獲得は行なっていないと想定してみましょう。

ここまで整理した情報をVividirに入力していきます。

マーケティングファネルの入力画面

月の商談数が300商談前後と計算できました。
ビジネス職の人材は合計で150名(IS/FS/CSそれぞれ45名ずつ、マーケ15名)と計算していたので、FSは月に8新規商談の計算になるでしょうか。
ちょっと少なく見えますが、大手エンプラ営業は1社に複数の担当が付くケースもあるかと思うので、今回はこのまま計算を進めてみます。

セールスプロセスの分解と企業セグメントごとの売上分類

セールスプロセスの分解をするにあたって、公開資料を確認すると、以下の参考資料が見つかりました。

2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料より抜粋

顧客セグメントを予想するにあたり、以下のように情報を整理し、分析してみます。

【事実】
・マネタイズは「初期費用やコンサル費用といったフロー売上」と「月額課金」の2種類
・全体顧客企業数:620社
・全体顧客企業単価:932,000円
【仮説】
・契約プランは上位プランと通常プランの2つ
・上位プラン(大手企業)の契約単価のレンジは150~300万
・通常プラン(中堅・SMB)企業の契約単価のレンジは50~150万
・大手企業と中堅・SMB企業の売上構成比率:3:7
・上位プランの商談to成約率は15%
・通常プランの商談to成約率は20%
・ビジネス職の人材は合計で150名(IS/FS/CSそれぞれ45名ずつ)

この情報をChat GPTに読み込ませ、顧客企業数や契約プランの平均単価を割り出してみます。

一応、検算を依頼します。

再計算を依頼してみます。

これも計算が合わない

埒が開かないので、自分で計算します。
大手企業と中堅・SMB企業の売上構成比率:3:7の与件から大手企業を186社、中堅・SMB企業を434社としてみましょう。

# 顧客企業数、顧客平均単価を定数として設定
a = 186
b = 434
average = 932000

results = []

# x, yの範囲とステップ数を設定
for x in range(1500000, 3000001, 10000):
    for y in range(500000, 1500001, 10000):
        value = (186 * x + 434 * y) / 620
        gross = (186 * x + 434 * y)
        if value == average:
            results.append((x, y, value,gross))

# 結果の表示
print("a =", a, " b =", b)
print("|     x     |     y     |   average   |    gross    |")
print("|-----------|-----------|-------------|-------------|")
for x, y, value,gross in results:
    print(f"| {x:9} | {y:9} | {value:11} | {gross:11} |")


|     x     |     y     |   average   |    gross    |
|-----------|-----------|-------------|-------------|
|   1520000 |    680000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1590000 |    650000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1660000 |    620000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1730000 |    590000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1800000 |    560000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1870000 |    530000 |    932000.0 |   577840000 |
|   1940000 |    500000 |    932000.0 |   577840000 |

計算してみると、何パターンかありますね。
大手企業の契約単価を180万、中堅・SMB企業の契約単価を56万円とする組み合わせが最も良さそうに見えるので、今回はこの数字を用いたいと思います。

ここまでの数字をVividirビビディアに入力してみます。

セールスプロセス数字を入力した後のPL

毎月の売上が6~7億とIRに記載されている数字がおおよそ実現できました。

コスト構造の分解

ここまでの分析で売上のシミュレーションが完了しました。
あとはコスト構造を整理して、今後の利益シミュレートを行います。

コストの観点では主に売上原価 + 販管費 + 地代家賃が大きいので、この3つを見ていきます。

まず販管費ですが、プレイド社全体のものになりますが、公開資料にあります。

2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料より抜粋

また、人件費については配賦後の数字が資料にあるので、ここが参考にできそうです。

2023年9⽉期 第3四半期 決算説明資料より抜粋

プレイド社はGINZA SIXにオフィスを構えており、地代家賃についても調べてみると、少し前の情報ですが存在していました。
2017年の情報なので値上がりしている可能性もありますが、今回はこの数字を使ってみたいと思います。

報道によれば、GINZA SIXのオフィス賃料(坪当たり・月額)は4万5,000円である。

「GINZA SIX」が促す銀座のオフィス化

売上原価についての情報が探しても見つかりませんが、SaaS事業を展開している会社なので、今回はサーバー代として2000万円を毎月計上しておくことにします。
本来であればプロダクト開発に関わる人件費も売上原価として計上することが多いですが、今回は販管費に入れてみます。
また、IT系企業は従業員のツール代が高額になりがちなので、今回は1人あたり月5万円で計算します。

ここまでの数字をVividirに入力してみます。

プレイド社の営業利益は赤字ですが、Vividir上でシミュレートしたKARTE単体の数字では、営業利益が黒字になっています。
新規事業への投資や間接部門の人件費を計上していないので、大きく外れていない数字なのかもしれません。

まとめ

今回はプレイド社のKARTE事業の事業計画を勝手にトレースしてみました。
最後に、このシミュレート上だとどのようにKARTEが成長していくのか、見てみましょう。

このままの成長曲線を描いていくと、2027年には年商140億近くまで到達しそうです。現在の倍ですね。
新規事業にも多く投資を行なっているフェーズですので、会社全体で見てみると、ますます今後が楽しみな企業の一つだと思います。

さて、Vividirでやってみたシリーズ第3回ですが、株式会社プレイドの「KARTE」を勝手にシミュレートしてみました。
井上もKARTEは前職で使っていたりと非常にお世話になっておりましたので、調査とシミュレーションが楽しかったです。

そんなプレイド社の採用情報はこちらです。
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ではまた!

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