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あがり症で人見知りの男が、ファッション科の先生を始められた話

もうnoteではめちゃくちゃご無沙汰してしまいました。遡ってみたら8月以来でした。。

別に体調が悪かったとか異空間に飛ばされてた(今ハマってるアメドラ「マニフェスト」に影響されてる)とかではなく、出張だとか新しい仕事の準備とかでまとまった時間が取れなかっただけの話です。どうもnoteはどっしり構えて書かなきゃという固定概念がありまして。もっと気楽に書いていこう、と前も書いた気がするけど。

この間に大阪の阪神梅田本店さまでスタイリングのイベントをさせて頂いたりしたのですが(また来年初春にやるかも)、個人的に大きなトピックとしては専門学校の先生業がスタートしたことです。

茨城県唯一の専門学校、文化デザイナー学院さまのファッションビジネス科にて、SNSビジネスの講義を仰せつかりました。とうとう業界を目指す学生たちに教えることになったのか、とちょっと感慨深く思ったりもしています。

というのも僕がそういう専門とか出てない”たたき上げ”ですからね。どういう内容やテンションがいいのか、そもそも新設のSNSビジネスコマで何を教えるのか、完全に手探りな感じでスタートしているのですが。でもみんなが歩いた道より開拓してく方が面白いですからね。そこは楽しみながらやらせて頂いています。

もうひとつ(勝手に)感慨深いなと思うのは、この上がり症の人見知りな男が学校の先生をやっているということです。

昔役者をやっていたことを知っている人からは「そんなわけない」「人見知りに見えない」「無駄に声が大きい」などと言われますが、舞台に上がると逆に落ち着くんですよね。役者以外でもそういう経験ある人いないだろうか?

たぶん「役柄」というフィルターを纏えば大丈夫なんだろうと思っているのだけど。素の状態で聴衆の前に上がるというのがダメなんですよね。フィルターがないから。もう心臓はバクバク、顔面は蒼白、ラップみたくなったけどとにかく平常心ではいられませんでした。

苦い思い出

以前、フランス大使館でファッションを絡めたセミナーに登壇させて頂いたことがあるのですが、自分ではあがりながらも精一杯頑張ったつもりだったけど、今振り返ってみると”もっと上手くできたな”と、ちょっと悔しい思いをしたことがありました。

その時、参加者の中に知り合いの方がいたのですが、開口一番、

「ぜんっっっぜん神崎くんらしくなかった!もっと面白く出来るでしょ!」

と言われたんですよ。

当時は、あくまでその瞬間は、正直「どついたろか」と思いました。終わったばっかだぞ、ちょっとは頑張ったねとかさ。やんなきゃよかったかと落ち込みました。

でも冷静になって考えてみると、その通りなんです。
普段の会話ではもうちょっと面白く話せてるはず。じゃあセミナーとかでも発揮できる可能性はあるんじゃないかなって。そこから「自分らしい登壇」についての研究が始まります。

じゃあどうしたらいいかを考えていたときに頂いたのが、芸人養成所である「タイタンの学校」での講師のお話でした。

もう身に余るようなオファーで本当に嬉しかったし、これは個人的に「自分らしい登壇」へのリベンジだな、と思ったんです。特にお笑い大好きだったし、ちょっと内容や言葉遣いをおもしろに振っても許してもらえそうですし。

そこで90分の授業を担当させていただいて、受講生からの評判も良かったということで今年も継続させていただいたことは自信になりました。そして次は専門学校の先生をさせていただくことになったわけですが。

何が変わったのか?

別にあがり症や人見知りが治ったとかいうわけじゃないんです。何かカウンセリングとか受けたりしたこともないし。

ただ分かったのは

「自分の好きなこと・自信を持って言えることならあがらない」

ということです。

僕ならファッションについてのこと、〇〇については△△で間違いない、と思える事柄についてはいくらでも話せます。特に緊張することもありませんし、むしろ楽しく、熱くなってくる。

以前も基本ファッション絡みでのセミナーをやっていたはずなんですが、決定的に違うのは「自分の意見に確信が持てるようになった」ということが大きいのかなと。

きっと以前は、なんとなくそれらしいネタを集めて、こんな感じがオススメです、みたいなそれっぽいまとめをしていたんだと思います。自分の確信的な意見が欠けていたんじゃないかなと。

そういうのが上手な人もいて、さも他人の意見を自分の意見のように説得力を持って話せてしまう。ある意味羨ましいけど、やっぱり僕は自分の見解を確信を持って話せないとダメだし、それしか出来ないんですね。

この数年間で色々な経験をさせてもらったし、自分の発信で確信めいたことを伝えていくスタイルを応援してくれる人も増えたし、これでいいのかな、という感覚が掴めてきたんですよね。

ただ事例を紹介するだけだったら別に僕がやらなくていいわけだし、かといって「こうしろ」という押し付けはよくない。紹介した上で「僕はこう思うけど、選ぶのは自由だよ」というのがいいんじゃないかなと。この人にこそ任せたいという部分はそこにこそあるし、それがまさに”自分らしい登壇”にも繋がるんじゃないかなと感じたんです。押し付けない、というのはスタイリングでも大事にしていることでもあるし。

変にあがっていたときは、自信の欠けていた部分を補おうと、もっと大きな事例やフワッとした話を持ってきて”煙に巻こう”としていた。無自覚でもそう感じていたから自分を守ろうと緊張したし、結果面白くなかったんだと思う。

もちろん、僕はエンタメ講演家じゃないので何千人の前でやるとか著名人と並んでとかあったら緊張はすると思うけど、もうフワッとした自信のなさが見えるような内容にはならないはず。それだけは言える。

元々聴衆の前でバンバン笑いとって引き込んでみたいなタイプではないけれど、僕だから言える内容や求められていることだったら、ちゃんと説得力を持って伝えられると思えるようにはなりました。

緊張の原因と、もうひとつの可能性

結局、緊張するというのは「自信がないから」というケース、多いんじゃないかな。

例えば修行中の料理人が急に板前を代われ、と言われたら緊張するでしょう。技術的に未熟だから当然です。さっき僕もそういう感覚だったという話をしましたが、実はもうひとつの可能性もあるなと思っていて。

それは「自信を持って良かったのに持てなかっただけ」ということです。

要は”自信を持てるきっかけ”が欲しかったというか。
自分の場合は発信に賛同してくれる人が増えたり、認めて起用してもらえたりだったわけですが、”確信に至る素材”は既に持ってたわけです。

だから”自信がない”と言ってオファーを断ったり、自信がないまま登壇したりするのは勿体ないと思う。オファーをしてくる時点で「この人なら大丈夫だろう」と思って振ってきてるわけだから、自信を持って堂々とやればいいんです。その方がみんなの期待に応えられる。

ちなみに、これはファッションも同じこと。
着こなす自信がないとか私がスタイリングなんてというのは機会損失で勿体ない。着せてる時点で「大丈夫」と思って着せてるし、スタイリングが必要なさそうならオススメしません。着たいと思うなら着ればいいし、受けたいと思うなら受ければいいのです。自信はその先にある。
 

本当、タイムマシンがあれば以前の自分に聞かせてやりたいけど、色々な方のおかげで”必要な自信”は持てるようになりました。感謝です。

専門学校は下手したら子供という年齢の子たちですが、逆にこちらが学ばされることも多くて新鮮で、いい子たちばかりで楽しく担当しています。

ブランド立ち上げとかスタイリストを目指してたり、もちろん販売も。業界の未来を担っていくであろう人材たちに、何かヒントになる、使えるネタを提供できたらなと願いつつ。

しかしzoom授業は慣れが必要な案件です。ふと聴衆ゼロの選挙演説みたいな気分になって不安になります。。

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個人の方や企業様より、ファッションスタイリングを含めた見せ方やブランディングのご相談を日々承っています。何かお手伝い出来ることがあるかも知れません。「タイタンの学校(校長・太田光代)」でのファッション講師などスピーカーとしての活動や専門家としてのコメントや執筆なども。まずはフォームからご相談、お問い合わせ頂ければ幸いです。

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オーダーメイドスタイリスト 神崎裕介



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