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身長やスタイルで悩んでいる人へ。人権ない人なんて居ないから。

久々に怒ってます。
何に怒ってるかというと、とあるプロゲーマーの一連の発言。もう「元」になってしまったけど。

もう色々なところで概要がまとめられていますが、要約すると

「身長170ない男性には人権ないので、そう思って生きていってください」
「ちっちゃい男に人権なんてあるわけないだろ」

他にも女性もカップ数によって人権ない、などなど差別的な内容を大量にのたまっておられた。僕も167なので人権なかったー笑

当然直後から炎上したけれど、ご本人はいつもの内輪ノリでごめんなさい〜的な感じでヤバさを感じてなかった様子。結局一転謝罪したものの、所属していたチームから契約解除されてしまう事態になったのです。自業自得の辞書に載るやつだな。

 
別に本人から直接言われたわけじゃないし、完全に自分のせいとは言え築いたポジションを失ってるわけでオーバーキル(HP以上の攻撃力で完膚なきまでに倒す。転じてダメ押しのこと)をしたいとは思いません。

ただ、やっぱり本気で悩んできた身として、身長やスタイルで悩む人たちと接する仕事をする者として許せないことは許せないんですよ。良くないことは良くないことで変わらない。

当初当人や一部の人が「”人権ない”というのはゲーム用語だからw」みたいなことを言ってたのですが、それも軽々しすぎる。確かにゲームで一定の装備や実力がないプレーヤーは参加資格がない、生き残れないという意味で”人権がない”とか言ったりしますが、一般社会では”人権は人権”だから。内輪ノリは通用しません。オーバーキルだってゲーム用語だけど、やっぱり字にすると重いし説明は要るかなと思って。自分もゲーム好きなだけに余計腹が立ちます。

 
いやね、正直世の中を見れば身長が高い、スタイルがいい人が目立ちますよ。そう言う人が優遇される素地が社会にありますよ。それは歴史的にも認めざるを得ない。

でも逆に高身長やスタイルがいいことで悩んだり不利益をこうむったという人もいるわけで。みんなからスタイルいいね!と言われるけど私は目立ちたくなかった、なんて方もいる。みんなそれぞれ悩んでいるんですよ。

だから、体型の悩みやコンプレックスを助長したり、そんな悩みなんてさぁと一蹴するような言動は、本っっっっっっっ当にやめてほしいんですよね。

まぁ最悪思うことは自由なので構わない。
でも口に出したり直接言ったりするのはどうかやめて頂きたい。我々はファッションの力でそれを解消しようとしているのに、それを全て無に帰してしまいます。

 
やっぱり、ポジティブな言葉とネガティブな言葉だと、ネガティブの方が重いんですよ。”かいしんのいちげき”より”つうこんのいちげき”の方が思い出に残りませんか?

僕も立場上気を付けていて。
仮に黒が合ってないとしても「黒似合いません」と言ったらきっとスタイリストの言葉として重く残ってしまうから、「今は黒のイメージじゃないかも知れない」と余白を残してみたりする。実際雰囲気や気分で急に似合うようになることなんてザラなので、可能性を閉ざしてはいけないと思っているんです。

そして、今回の話で言えば身長が高くないから似合うバランスというのもあります。

例えばマキシスカートは身長高くないとと思われるかも知れないけど、高身長の人が履くとドレスみたいに広がって目立ちすぎる場合もある。でも小柄さんなら広がりすぎず可愛いバランスで着れたり、きっちりジャケットも小柄さんの方が威圧感なくコーディネート出来たりします。男性も日本だと僕くらいのサイズ感(170前後・Mサイズ)が一番のボリュームゾーンなので、選べるアイテムやブランドが多いのも利点です。

スタイリングは身長の高低よりも全体のバランスが大事、というのが持論なので。コーディネートでどうにでもなりますから。そこは全然問題ないと思って頂いていい。

 
僕は「タイタンの学校」というところでファッションコーディネートの講師をさせてもらっていますが、ある男性の生徒さんがこんなことを相談してきました。

「僕は身長も高くないしスタイルも良くないと思っているけど、、とにかく舐められたくないんです!」

気持ちがすごくよく伝わってきた。
僕もそういう時期が長かったし、今でもたまに背格好で舐められてるかもと思うときがあるから。

だから着るものの素材や色味をパリッとさせてみたりはどう?とアドバイスしたのですが、翌月の授業では着るものだけなく髪型まで変えてきて気合が入っていた。まだちょっと新しい自分に半信半疑だったようだけど、顔付きが変わっていたしどこか気持ちも高揚しているように見えました。そこには清々しい笑顔があった。

きっと彼は変わっていくでしょう。
僕もそれを促してあげたいと思う。

でも繰り返しになりますが、冒頭のような発言は直接でなくてもそういう意欲を奪ってしまう可能性が大いにある。私は高身長しか眼中にありません、僕はスタイルのいい女性しか無理です、自由です。でもそれは心の中だけに留めておいてほしいかな。

体型やスタイルというのは、基本的には与えられるもので自分でいじれる範囲は限界があります。だから身長が高いとかスタイルがいいというのは「スタートで良いガチャ引いた」とは言えるかなと思う。

逆に「自分は良いガチャ引けなかった」と感じる人も、じゃあそれをどう活かそうかという視点でポジティブに考えてみてほしい。今からでも遅くないから。

みんな初期装備をベースに冒険をスタートするしかないんです。いつまでも「初期装備のせいで〜」と言ってても道中つまらないでしょう?自分のポテンシャルを十二分に活かすにはどうすれば良いか?少しでもイメージ通りに近付けるには?あの人は出来なくて自分なら出来るスタイルはないのか?考えることは色々あるし、そうやっていくうちに自分だけの武器が見付かって磨かれていきます。

 
結局、自分がなりたいようになり、やりたいことがやれればいいわけでしょう?

身長やスタイルに恵まれている人が全て幸せな人生で、そうでない人は辛く悲しい人生なんてことないですよね。どう考え、どう生きたかによって物語の展開は変わっていく。

それなら、自分を呪うより良くも悪くもどう付き合っていくか、どう伸ばしていくか前向きに考えてほしいと思うのです。全ての人にだけど若い人は特に。

僕もずっと身長のことはコンプレックスだったし、嫌な思いや悔しい思いもデスノートが書けるくらいしてきました。身長のせいで舞台主演できなかったこともありますし、フランス行ったらマダム扱いされて女子トイレに誘導されそうになったし。それは笑い話だけど。

でも逆に海外の子供風なパーマを掛けたいと思った時にバランス的にOKだったり中性的なデザインの服も着られたり時に女性と行動するスタイリストとしては変な勘ぐりされないサイズ感なのは助かったり、生きてくうちにポジティブな要素は色々と見つかっていくと思う。

僕がそういうマインドだからか、本当にいろんなタイプ、悩みを持った方がやってきます。スタイリストとしてどんな人が来ようがドンと来い!じゃないとプロじゃないと思っているので、救うというと大袈裟だけど、ファッションの力で少しでも解決していけたらなと思っています。

 
人生、ゲームみたいに最低限の装備だけで縛りプレイする必要なんてありません。その時々で必要なアイテムを揃えて、快適にプレイした方が絶対楽しいですよ。ゴールド稼ぎという名の仕事は、、死なない程度に頑張りましょうかね。

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個人の方や企業様より、ファッションスタイリングを含めた見せ方やブランディングのご相談を日々承っています。何かお手伝い出来ることがあるかも知れません。「タイタンの学校(校長・太田光代)」でのファッション講師などスピーカーとしての活動も。専門家としてのコメントや執筆なども、まずはフォームからご相談or60分zoomや対面でお話ししてみませんか?メールでのお問い合わせも歓迎です。

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オーダーメイドスタイリスト 神崎裕介

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