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"スタイリストに対する素朴な疑問"に答えてみた

スタイリストとして、もうかれこれ6年くらい。ファッション業界に入って12年くらいが過ぎましたが、相変わらずスタイリストというのは特殊な職業と思われているんだな〜と感じることが多いです。全然そんなことないのに。

そこで今日は、日頃よく頂く疑問や質問について答えてみたいと思います。あくまで神崎調べ・個人の感想ですのでご了承ください。こういうの書かないといけない面倒い時代ですね。それではいってみましょう。

スタイリストって芸能界で仕事してる人ですよね?

→違います
一般的に芸能人やファッション誌を担当してる人がメディアで目立つのでそういうイメージを持たれがちですが、そういう人はむしろ少数です。

今はパーソナルスタイリスト、という名称も定着してきましたが、むしろ個人を相手にしている人の方が多いと思います。最近は芸能界やメディアでやってた人が一般の方向けにシフトしてきてますね。

なので、僕は洋服屋さんとかケーキ屋さんとかお花屋さんとかと同じ”ひとつの仕事”に過ぎないと考えています。一部の人が有名人化しているだけで、全く特殊な職業ではない。誰でも気軽に相談したり頼んだりしていいんです。

逆に芸能界付きで仕事をしている人はちょっと特殊で、普通はそのルートに入れません。それこそ著名な人の弟子になるか局や事務所と繋がっている会社に入るか。僕はタレントさん個人からオファーしてもらった、という流れで運良くメディアの仕事をさせてもらっているので分かった部分ではありますが、外から入ると謎の怪しい村に迷い込んだルポライターみたいな感じで超アウェーでした。金田一耕助か。

そもそも個人と芸能人では「仕上げの方向性」が異なるので、そういう意味でも特殊な部分があるかも知れません。今度光栄にもタイタンさんのスクール「タイタンの学校」で講師をすることになったので、その辺りはまた別の機会に。

イメージコンサルとか似たような肩書きが沢山あって分かりません。

→僕も分かりません・笑
ただ呼び名が違うだけで「その人のファッションを含めた外見をアップさせる」ことを生業にしている人は大きなくくりでは一緒なのかなと。僕も”オーダーメイドスタイリスト”という屋号でやってますし。

ビジネスマナーがメインで服を足してる人もいれば、メイクがメインで服も選びます、という人もいますし、僕みたいに服をメインに今後のビジネスの方向性をデザインします、という人もいます。パラメーターにしたとき全部MAXというチートな人は居ないので、得意不得意・向き不向きはあると思います。

最近の傾向ですが、僕も何かの仕事を頼みたいと思って調べたとき「この斬新な肩書きはどんな仕事してくれるの?」ということがよくありますよね。なんたらクリエイトプロデューサーとかなんとかファウンダーとか。適当に記憶を漁ったので該当した方がいたらすみません。

ファッション的にもそういう斬新な肩書きの人は増えていくと思いますが、結局何を目標に・何が出来るのかがポイントになります。肩書きはある意味どうでも良くて、活動を見て、そこで判断していくしかないかなと思います。自分が何を中心にサポートしてほしいのかで決めるといいですね。

スタイリストってどうやったらなれますか?

→名乗ればいいだけです
特に国家資格とかではないし、名乗った瞬間からなれますよ。

真面目に話すと、やはりスクールに通ったり生徒を取ってる人に教わるのが一般的だと思います。終了すればそこの肩書きが使えたり、〇〇さんの門弟と言えれば初期は一定の効果があるでしょう。早くから業界の流れが分かったり仲間が出来るのも大きいかも知れない。

ちなみに僕はどうかというと、バイヤーも販売もやってスタイリストに転身したという感じです。特に師匠も居ないし専門学校で学んだわけでもないし、全ては現場で学んだ叩き上げ的な感じというのか。業界では少数派かも知れませんが。

お客さまや企業の方からよく聞くのは「スタイリストと名乗ってる人は沢山いるけど、本当に仕事してるかどうか分かりにくい」という話。やっぱりよく見ていますよね。夢も希望もない話をすると、スタイリストという肩書きを付けてるだけ、という人は結構多いと思う。特に今の状況では自由に外出できない地域もあるし、より厳しい側面もあります。

スクールを出たから、〇〇先生に習ったからといって将来が約束されるわけではありません。が、それは一般の大学でも同じですよね。この仕事は現場が全てなので、どれだけ実践で学べるかが勝負です。

とにかく場数。
理論で人は動かないので、学んだ理論を超える説得力が持てるかどうかが、仕事に出来るかどうかのポイントかなと。そういう意味でアパレル業界は経験しておいた方がいいというか、してないと厳しいと個人的には思ってます。

お洒落じゃない自分なんかが依頼しちゃいけないと思うんですが、、

→これ一番多い間違いです
自分なんか、、と思っている人こそ、スタイリングの力が必要です。

ぶっちゃけ、自分の好きなものが決まってる人、自分でコーディネート出来る人は個人でも何とかなるんです。言っても頑固で聞かない場合もあるし。それより自分の好きなものが分からない、自分で選べないという人にこそ、僕らがお役に立てます。

なぜ料理教室に通うかと言えば、料理が出来るようになりたいからですよね。英会話教室だってそう。元々出来なかった・出来るようになりたい人が来るのが当たり前です。ところがなぜファッションになると「お洒落苦手なので、、」と敬遠してしまうのか?僕は本気で理解に苦しみます。同じことでしょう!We are family!

ファッションに苦手意識や面倒くささがある人にこそ、それを克服する手助けをしたい。それがスタイリストの本望です。相談するのが恥ずかしいと感じるなら、そのままの状態でいるのはいいのかという話にもなる。

自分はイケメン/美人じゃないし、スタイルも良くないし、、というのも間違った諦め。

むしろスタイルがいい人だから何を着てもお洒落に見えるんですよ!!そうじゃないからこそ力を入れないと。

人類、ジョニーデップや菜々緒さんみたいな人”じゃない方”のが圧倒的なんです。なんでこの2人が浮かんだのか自分でも分からないけど。ファッション、見栄えを自分の個性にアジャストすることで、そういう人たちを超える魅力を纏うことも出来る。元々のスペックを覆すことだって可能です。

自分なんて、、と思ってる人ほど可能性に自らフタをしている。それは非常に勿体ないことだし、そういう人ほどスタイリンングの効果が上がると思います。

どんな基準で選んだらいいですか?

→単純に言うと「人」で選びましょう
当然ながら僕に向かって選ぶ基準を聞いてくる人は居ませんが(笑)自分の経験上、お互いの相性が大事だなと思います。

美容師さんでも、腕やセンスはいいけど会話とか空気感が合わなくて、、と言う話がありますよね。施術の時間が苦痛でお店変えちゃった、みたいな。それと全く一緒です。

目指す方向は同じなのに手法が違って対立してしまう政治ドラマ、的なことは現場でも起こっていて。ショップ店員さんとの関係にも同じことが言えますよね。

その人のセンスやポリシーにいかに共感出来ても、”人間としてのフィッティング”が合わなかったらやはり良い時間にはなりません。僕らは仕事なので滅私して取り組みますが、全面的に信頼し合っているクライアントさんの方がお互いにスムーズに進むことは否定できない。ルパン三世のカリ城じゃないですが「信じてくれたら空だって飛べるのに」という心境なんです。

もちろん技量に信頼が置けてセンスに共感出来ることは絶対条件。その上で自分と合うかどうか。なのでいきなりスタイリングをする前に一度話してみるのがいいかも知れません。僕もミスマッチを減らすために事前のコンサルを経ることをお願いしています。

弁護士さんとかも◯分無料相談とかやっていますよね。クライアントと長く付き合う、時間を共にする職業って、やっぱり依頼者との相性が大事だと思うんです。同じ方向を向いていてくれれば効果は倍増ですから。

なので、ビフォーアフター写真や実績だけでなく、その人の普段の発信などもチェックして、出来ればリアルに話して、フィーリングが合うかどうか体感してみるのがガッカリしないコツではないかなと。もしフィーリングが合いそう、と思ったらぜひご相談頂けたら喜びます。


ということで、色々ストレートにお話してみました。

個人的に、ファッションとかスタイリストって「分かりにくい」ブラックボックス的なイメージがあるのが業界にとって良くないと思っているので、そういう部分を自分なりに分かりやすく伝えていけたらなと。

服なんて毎日着るものなんだから、着ていてテンションが上がったり褒められた方がいいに決まってる。

それを身近な疑問として気軽に相談してほしいし、こちらも気さくに応じる。そんな文化を作っていきたいですね!とか雑誌のインタビューで答えてみたい。頑張ろう。

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