【2019 J1 第11節】セレッソ大阪vs横浜F・マリノス ゆるれびゅ~
1.はじめに
前節は苦手な広島相手に疑惑の判定もありましたが何とか勝利!ルヴァンも快勝できてルンルン気分で迎えたセレッソ大阪戦。俺らは桜から取り戻さなきゃいけないことがたくさんあるんだ!!強い決意と共に臨んだ一戦。簡単に振り返っていきましょう。
通常レビューは以下になります。
2.スタメン
■セレッソ大阪
・前の試合と同じ4-4-2かぁ…最近この形に痛い目に合わされてるよね…
・康太と同じU-20日本代表に選抜された瀬古くんが先発!みんな代表頑張ってね!
■横浜F・マリノス
・ルヴァン込みで連戦の畠中&チアゴのセンターバックコンビ。お疲れ様です!(`・ω・´)ゞ
・広島戦は契約上出れなかった和田が復帰!
・エジガルがベンチに復帰。おかえり!
3.セレッソ大阪の目論見
セレッソの狙いはざっくり言うと「真ん中付近までは進めさせて、そこから激しくみんなで寄せて、ボールを奪ってカウンターしよう」という、どこもやってくるマリノス対策でした。もう何回か通ったバーでマスターに「いつものお願い」と渋く言えるくらい定番になったこの対策、今後は「相手チームの狙いはいつものでした」と書いても伝わるのではないだろうか…
・4-4-2の縦と横にものすごく狭い陣を作って、真ん中まで誘い込む
・2トップは片方が喜田につき、もう片方が畠中かチアゴに寄せてくる
・中盤の4人は2トップが前に行ったらみんな一緒に前に出て行く
・ボールを奪ったらみんなすぐ前に走ってカウンター
こちらは前半3分ごろのシーンになります。
セレッソの守り方は、ボールがある方向に全員が縦と横にズレて、ものすごく狭い陣を作ります。ボールと反対にいるテルが「いやー、こっちまで人こないのか。ボールがあるほうは縦にも横にもめっちゃ狭いな。あれパス通すとこあるのか?」と思うほどです。
2トップの片方が喜田を塞ぎ、もう片方が畠中かチアゴに寄せることが守備開始の合図です。合図と共に中盤の4人は一斉に前に出てきます。チアゴや畠中から1つ隣のパスコースを全て塞ぐためです。「みんな、前に行くんだ!前だけ取り囲めばいい。後ろは気にするな!」前にいる三好を取り囲むように前進してきました。「あれ?後ろはいいの?俺ガン無視されてるじゃん…」凹む天純。「うっ…パスの出しどころが詰まってしまった。しかも取り囲まれているから選択できる味方が少ない…」畠中の目線からはパスコースが全然見えない状態でした。逆サイドのテルや1つ奥に天純がいますが、セレッソの中盤が築いた壁によって畠中は困り果てていました。
セレッソの高い壁に阻まれ、何度かボールを失い、「うりゃあ!みんな前に行くぞ!」と鋭いカウンターを受けるマリノス守備陣。それにより、失点を重ねてしまいました…
4.失点シーンから感じるセンターバックコンビの疲労
こちらは最初に失点した前半1分ごろのシーンになります。マルコスが相手キーパーに寄せてボールを引っ掛けましたが、瀬古に拾われて前方へポーンとクリアされました。それがマリノス守備陣の後ろに!?和田が対応するも、ボールは落下して後ろからひっそりと近づいてきた水沼にへ。そのまま強烈なシュートを決められてしまいました。このとき気になったのは、畠中とチアゴの戻る速度の遅さでした。
こちらは2失点目をした後半58分ごろのシーンになります。相手陣内でパスを引っ掛けたマリノス。カウンターでブルーノ・メンデスに後ろを抜けられたことが発端でした。これはチアゴのすごいスピードで防げましたが、相手にこぼれ球を拾われてサイドから2次攻撃を受けます。マルコスや天野も戻り対応しますが、内側を警戒したマリノスの隙を見逃さなかった藤田。「後ろが空いた!」その瞬間、水沼が抜け出しました。「くっ…早い…体が思うように動かない…」疲れからなのか、畠中の対応は遅れ、水沼に楽々とクロスを上げさせてしまいます。それを高木が仕留めてゴールを許した場面でした。
3失点目は後ろから前へのパスが相手に引っ掛かってカウンターを受けました。この際にマリノスはチアゴ、畠中、キーボーの3人、セレッソは2トップ+両サイドハーフの4人。畠中、チアゴはボールっを持つセレッソの選手に次々寄せて対応にいきましたが、空いてるところを順々と相手に使われ、最後は水沼にシュートを決められてしまいました。いつものチアゴならどこかで追いついてボールを取れたのでは?と思ってしまいました。
3つの失点全てに関して、畠中とチアゴの戻りの遅さが気になりました。「やっぱこの二人疲れてるんじゃない?」その疑問は増すばかりです。気になって夜しか眠れない日々を過ごしそうになりましたが、なんと、Jリーグ公式サイトさんは試合ごとの走行距離とスプリント(全力ダッシュ)回数を記録しているではないですか!これを使ってグラフにしてみれば一目瞭然じゃん!ということで、畠中とチアゴの分作ってみました。
上が畠中、下がチアゴになります。(チアゴが鹿島戦へこんでいるのは、体調不良により途中交代があったからになります。このとき辛かったんだね…)
「あれ?案外極端に下がってるわけでもなく、別にいつも通りだぞ?」、「なんだよ!一目瞭然じゃないじゃないか!」、「実は疲れてないんじゃないのか!」などの声が聞こえてくる気がします…作った自分も拍子抜けというか、びっくりしました。グラフに表れないということは、この数値ではない反応速度、最高スピード、瞬発力などがよくなく、二人の対応が遅かったように見えたのだと思います。次の神戸戦までゆっくり休んでね…疲れ具合見てドゥレ先発でもいいんじゃないかな?(※個人の意見です。)
5.ボール持ってるけど全然攻めれないじゃないか!
失点の理由は疲労だと感じましたが、得点できなかったのも疲労からだったのだろうか?いや、それはまた違った理由じゃないのでしょうか。
こちらは前半19分ごろのシーンになります。
三好にパスをして何とか相手の激しい寄せを突破しました。マリノスはこの突破後はゆっくり攻めるのではなく、すぐゴールに迫っていきます。しかし、最近は「後ろで詰まってるな…俺が助ける!」と下がってくる天純。「俺が畠中とチアゴを助ける!」これまた下がってくるキーボーたちがいます。最初の突破のために後方に多くの人数をかけている状態。しかし突破できたらすぐに前に!です。そりゃ前に人は少ないですよ…前方にポツンといるマルコスと仲川。相手の戻りが早いこともあり、三好は攻めることを諦めてチアゴにボールを戻してまた後ろから攻撃を開始することになってしまいました。
後ろに人をかけるのなら、最初突破したあと選手が上がってくるのを待って、ゆっくり、じっくり攻めればいいのではないでしょうか?急がば回れの精神を若い選手たちが身につけるのは似合わないかもしれませんが、時間を作ることによって、後ろの陣形も整えることができるのではないかと思います。
三好に預けたあと、相手は下がるので、一旦安全な広瀬にボールを下げます。その間にチアゴや喜田も上がります。逆サイドにいる渓太や天純がより高い位置に行くこともできる時間を作り出すことができるのではないでしょうか。そこからは相手の出方をゆっくり伺いながらボールを回します。バウムクーヘンの皮を1つずつむいて食べるように、じっくりゆっくり1段階ずつ突破する大人な攻めを身につける時期なのかもしれません。
(※大人な攻め方のイメージ図 第一段階)
(※大人な攻め方のイメージ図 第二段階)
また、最近もどかしく感じることは、「天純下がりすぎじゃない?」ということだったり、「三好を前であまり見かけなくなったな…」ということもあるのではないでしょうか?そう思ったのはいつからでだろうと振り返ると、天純が下がり始めたのは浦和戦からだったように思います。「そこから何があったんだろう…攻撃にあまり貢献していないように思うのは本当なのだろうか…」また夜しか眠れなくなりそうです…助けて!スタッツいっぱいなサイトさん!ということで、sofascoreさんに記録されている攻撃に関連するものの1試合あたりの平均値を求めて、浦和戦前後で比較してみました。使用した値は以下になります。
①シュート数(枠内だろうが、枠外だろうが、撃った数全部)
②キーパス数(シュートに繋がったパス数)
③クロス数(失敗しようがうまくいこうが、全部のクロス)
④ドリブル回数(ドリブルをしかけた回数、抜けたかは気にしない)
⑤デュエル勝率(1対1で突破したorボールを奪った確率)
⑥成功パス数(通ったパス数)
■過去と現在の天純
青い線が浦和戦前、青い線が浦和戦以降になります。「浦和戦以降の形ちっちゃ!?」とりあげた①~④の数値はいずれも攻撃において重要な要素ですが、全て大きく減っていることがわかります…「けどパス数増えてるからいいんじゃない?」と思いますが、相手ゴールに近い方が相手は必死に守るのでパスを通すことは難しくなります。しかしパス数が増えているということは、より安全な後ろでのパス回しが増えているからだと予想されます。
■過去と現在の三好
「三好もちっちゃ!?」①~④は全部下がっていました…三好もまた攻撃で力を発揮できていないようです…
■過去と現在の喜田(おまけ)
最後におまけでキーボーも比較してみました。シュート数が減っていることが気になりますが、あまり変化はなく、彼はブレない硬派な男だということがわかりました。
6.ライバルチームと比較してみよう
最近の我らの攻めはあまりよくない気がする…スタイルとして、ボールを持つことを掲げている他のチームと差はあるのだろうか?では比較してみようじゃないか!ということで、川崎フロンターレと名古屋グランパスの2チームとFootball LABさんのデータから比較してみました。
■川崎フロンターレとの比較
■名古屋グランパスとの比較
パスを出している場所やプレーをしている場所を比較してみると、マリノスはコートの真ん中にあるハーフェーラインよりちょっと後ろが多いです。しかし、川崎フロンターレや名古屋グランパスはハーフェーラインより前の方でのパス数やプレー頻度が高いようです。相手を押し込んでゆっくりじっくり攻めることなく、後ろで相手を伺い、隙ができたらスッと突破してしかける若さ溢れるパワフルなサッカーをマリノスはしているのだと思います。今後どのように変化していくのか、若いチームの成長が楽しみです。
7.スタッツ
■トラッキングデータ
■チームスタッツ
(左:セレッソ 右:マリノス)
ボール保持では圧倒的な72%を記録、シュートも11本とそれなりには撃てていました。しかし、エリア内シュート数が4、コーナーキック本数が4と、相手陣内深くまで攻められなかったことが数値からも伺えます。
8.おわりに
ボロッボロにやられたセレッソ戦。疲労が伺えるディフェンス陣。攻め方に問題があるように見えるオフェンス陣。それぞれで問題は異なりますが、選手たちの試合後コメントなどを見ると、この違和感は感じているように伺えます。選手や監督たちが次の神戸戦までにどう変えてくるのかを楽しみにしつつ、週末の試合を最高のものにできるように、精一杯の応援を届けられたらなと思います。
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