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【2019 J1 第8節】北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス ゆるれびゅ~

1.はじめに

大差で敗れたコンサドーレ札幌戦。新しい監督の試みもありましたが、あまり効果が出なかったように見受けられました。
心の傷が大きくなった試合、少しでも楽しく振り返られたらと思います。

前回愛称モリモリだったので、ちょっと自粛し、用法容量を守って今回は書いていきます…

通常レビューは以下になります。

2.スタメン

■横浜F・マリノス

・まさかの三好が最前線!?アンジェまた新しいことを…どうなるか楽しみ
・扇原が今季初スタメン!
・サイドバック誰やるかわからないみたいな記事見たけど、先発は前の試合と同じ

■北海道コンサドーレ札幌

・あれ?札幌って普段3バックじゃなかったっけ…
・荒野はまだ怪我なのか。前の試合と同じで宮澤がボランチに入るのね

3.札幌の応対方法

■開始直後の時間帯

・2トップは片方が扇原をしっかり抑え、もう片方がセンターバックを追いかける
基本的には1対1で、誰が誰を見るかがはっきり決まっている
全員が積極的に前に出てくる猛アプローチを仕掛けてくることも

札幌は開始当初はチーム全員が積極的なアプローチをマリノスの選手たちにしてきました。

「俺あの選手♪」
「じゃあ俺はあの選手で」
「俺狙ってたのにー…じゃああっちの選手にする」

開始前からそれぞれが狙う相手を決め、1対1のサシになるように打ち合わせ済みだったようですね。

自分の席を離れることもあるくらい、どんどん前のめりに詰め寄る札幌の選手にマリノスの選手たちはタジタジ。
「今だ!落とせるぞ!」
攻勢になったと見るや、後方の自席で控えてた選手たちも前に出て、こちらのゴールに猛然と迫ってきました。

この熱烈なアプローチ、主に攻めてくるのはマリノスの急所である中央でした。万一札幌がフラれたとしても、札幌にとっても急所である中央には人がたくさんいるので、マリノスは外側から遠回しでしか攻めることができません。外から見てる我々からは「もっとはっきり言わないと伝わらないよ!」と言いたくなりますが、保険をしっかりかけてる札幌は手堅い相手だったと思います…

■マリノスを2回射止めたあと

・切り込み隊長である2トップの役割は同じ
・他は自分の担当箇所で待ち構える
担当箇所を離れた相手の面倒を見きれない場合は、仕方ないので自分がずっと見ることに
・ずっと面倒見てる人が空けたところは別のフリーな人が穴埋めする

試合開始当初の猛アプローチが実り、見事マリノスゴールを2度も射止めた札幌の選手たち。十分な手応えを掴んだのか、「もう待ってればむこうからきてくれるでしょ」と自席に戻ってゆっくりと待っていました。
2度も撃ち抜かれたマリノスはさすがにメロメロ。待ち構えている相手のところへどんどん攻めていきました。

札幌はこれまた1対1での対応を基本としますが、自席から離れていった相手は追いかけない硬い態度を取ります。他の人のところへマリノスの選手が向かった際には、「おう、そっちいったから、よろしくな!」と味方選手に伝える、男気溢れる対応をしていました。

ここでもそれぞれの性格が出ますね。余程相手のことを気に入ったのか、ルーカス・フェルナンデスはまだ前のめりにアプローチをしていました。
それと対照的なのがチャナティップ。自分に2人詰め寄られた際は、後ろの選手に対して接していました。

この日一番色んな人の近くに寄っていたのは三好。紳士な札幌の選手たちは、フラフラ~っとする三好を絶対に一人にせず、寂しい思いをさせないように中央の4人で交互にうまく応対していました。

このように、中央を硬くした手堅い守備を崩すことがうまくいかず、効果的に攻めることがあまりできませんでした。

4.最前線にいる硬派な男とチャラ男

■硬派な三好と奥手なマリノスの選手たち

こちらは前半18分ごろのシーンになります。

この試合に最前線で先発起用された三好。彼は(相手の)最後の一線を越えない硬派な男でした。
最後の一線で際どい駆け引きをするより、そこから少し引いて、慣れ親しんだ"いつもの位置"から相手を攻めようとしていることが多かったです。

せっかく三好が引いたことによってできたチャンス。「三好が1歩引くのなら、俺がもらっちゃうからな!」と積極的な選手はマリノスには少なかったです。
唯一食いついたのは肉食系男子キーボー。しかし、動いてるのが一人だけだったので、対応する札幌の選手たちには「あ、あいつ、あそこ行こうとしてるな」と狙いがバレバレでした。福森は何の迷いもなく、喜田に対応。見事ボールをカットしていました。

■空いたところに食らいつくマリノスの選手たち

こちらは前半27分ごろのシーンになります。

今度は、"硬派な男"三好が引いたところへ、我先にと多くの選手たちが攻め込みました
三好は「ちょっとあちらでお話でもどうです?」と福森にちょっとしたお誘いをかけました。これに成功し、福森がいたところが空くことに。そこへマリノスの選手たちがスッと入り込みました。なだれ込んだマリノスの選手たちへの対応に追われる札幌の選手たち。その結果として、菅と福森の間が開き、スペースが生まれました

そこを見逃さなかったのが肉食に目覚めた天純。「隙あり!」とそのスペースに入り込み、ボールを貰おうとしました。
直接ボールをもらうことは失敗しましたが、最終的には三好の前にボールがこぼれ、シュートまでいけました。札幌を射止めるまでもう少しでしたね。
この場面は、チーム全体で狙いを持って三好の特徴を活かせた場面だと思います。

■最後の一線を越えちゃうチャラ男の大津

最初に言いますが、大津は、日ごろの行いがよい、イケメンな好青年です!

こちらは後半58分ごろのシーンになります。

途中交代で入った大津。三好に代わり、今度は彼がマリノスの最前線に立ちました。硬派な三好と比べ、大津はヒョイヒョイ(相手の)最後の一線を越えようとする、割とチャラい男でした。

「よし!一線を越えるぜ!」と意気込み、札幌の最終ラインを越えようとする大津。「ちょ…そこ越えられたら…ダメ!」と焦り追いかける福森。札幌の最終ラインを少し下げることができました。

それによって縦方向に隙間ができたのを見逃さない肉食系男子天純。すかさずそこへ入り込みます。「純!ナイスだ!相手を落とすまでもう少し。攻めろ!」と天純へパスを出す男気溢れるチアゴ兄貴。(チアゴの方が年下なんですけどね!)
「落とされてたまるか!」と抵抗する札幌の選手たちは天純のカッコよさに釘付け。しかし、"硬派な男"三好は少し引いた位置にいたため、フリーに。そこへボールを落とし、中央から攻めようとしてうまくいきませんでしたが、これまた相手を射止められそうなシーンでした。

超肉食系男子大津は相手の最後の一線で際どい駆け引きを連発。押したり引いたり、時には外に逃げるようにして相手の注意を引くことにより、相手ディフェンスラインの視線を集めることができていました。
これが偽物の9番としての三好と、本物の9番としての大津の役割の差だと思います。(必ずしもどちらがよいというわけでなく、相手によってケースバイで使い分けできればいいと思います。)

最後にもう一度言いますが、大津は、PKで相手キーパーに弾かれても自分の目の前にボールが転がってきたり、女子アナと結婚できたりする、日ごろの行いがよいイケメンな好青年です!!

5.スタッツ

■トラッキングデータ

いつもより走行距離とスプリント回数が少し少なかった点が気になります。
いつも通りの積極性があまり試合に出ていなかったのが数値にも出ていたのかもしれません。

■チームスタッツ

(左:コンサドーレ 右:マリノス)

名古屋戦に引き続き、またもやボール保持率では相手を大きく上回ったものの、シュート数は少ない結果でした。ペナルティエリア内のシュートが少ない点も同じく、硬い相手中央を効果的に攻められなかったことが伺えます。

また、相手のロングボール60本は、総パス数296本の約1/5に相当します。
逆サイドへの長いボールだったり、カウンター時にこちらの選手が戻り切れていないうちに攻めようとする姿勢が、数値からもわかりますね。

■個人スタッツ

チアゴのスタッツになります。
この試合で一番多くのパス数を記録、成功率も95%と非常に高いものでした。畠中の影に隠れがちですが、チアゴも縦パスをバシバシ出せるだけの技術を持った選手なんです。
また、インターセプト数が3、相手との1対1も10回中6回勝利と、守備での貢献の高さも数値から伺えます。

交代で入った大津のスタッツになります。
シュートに繋がったパスが1本、クロスが2本中2本成功と、短い時間でもチャンスを作れていたようです。
また、1対1も4回中4回と全勝利。もしかすると、大津がセンターフォワードで起用されるのもいいのかもしれませんね。

6.おわりに

札幌との合コンに見事玉砕したマリノス。ハートを射止めた回数も相手が3回に対し、こちらが0回と完敗でした…
チームとしてそれぞれがまとまっていた札幌と、新しい戦法がありましたが、ところどころでうまくいかず、全体として積極性を欠いたマリノス。対照的な内容という印象でした。

次はホームでの鹿島戦。見知った顔もいますが、ぜひ勝利をおさめて、平成を締めくくりたいところです!

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